チリの風  その560  2014年1月20日―26日

幸せなことに今週も楽しく生活できました。今年は日本人会の理事職を受け持ったので関連の仕事が増えました。私の好きな郊外の建設現場の仕事も続けています。チリ大病院の血液検査も問題なしでした。 土曜日のサッカー教室は20数名の参加者で楽しくプレー。
日曜日のマラソン練習は28名の参加者。みんな、それぞれの限界まで走っています。私も退院後初めて10キロを最後尾でしたが、59分で走り、クタクタに。4月のサンティアゴラソンに参加できるかな?

(政治)

1) ペルーとの領海問題
ペルー外相は、来週の月曜日(明日ですよ)にハーグ国際法廷で出されるぺルー領海問題について、どんな場合でも結論はペルーに有利になるだろうと発言しています。現状維持が彼らにとって最悪のケースで、少しでも変更があればペルーに有利になるのは当然ですね。従って引き分けか勝利となるわけ。    
結審がチリに不利になった場合、チリ政府がそれを認めず、現行の領海を主張すれば戦争になるのかな?世界から物笑いになるだけかな?3年あとにペルーの新領海を認めるなんて言い出すとせこいかな?
2) バチェレットの新内閣
金曜日に新内閣が発表されました。そのあとはこのニュースばかり。選ばれた人間の経歴とか、選ばれそうで落ちた人間の話とか。今まで中道左派政権で一番閣僚数が多かったDC党が今回は2位に落ちた話、40年ぶりに共産党から大臣が出た話などなど。教育大臣になった元大蔵大臣エイサギレを学生連盟のリーダーが強く批判しています。教育の現状を知らない人間が私たちの問題にどう対応できるのかと。しかし学生が大臣をこうも軽く考えるなんてちょっとひどい話ですね。そういうリーダーは年長者を尊敬する気持なんかないのかな。えっ、日本でもそんなのは消えましたよと言われる?
閣僚の平均年齢は51歳とか。

(経済)

1) チリの財政問題
2013年の数字ですが、国の債務は340億ドルです。その内訳は国内が85%、外国からの負債が15%とか。これはGNPの12.5%にあたるらしい。2008年の債務は70億ドル(その年のGNPの3.9%)でしたからわずか5年で約5倍。チリも放漫経営の傾向ですか?
2) チリペソの下落
1ドルが550ペソまで落ちましたが、これは2009年以来の数字。銅の価格は順調でチリ経済に大きな問題はないのですが。ペソ安で夏のバケーションに海外に行こうとすると昨年より2・3割高くなっているらしく、それなら国内旅行にしようかと言う声もあるらしい。もっとも輸入品のガソリン価格が今週下がりました。なんでかな?
しかし通貨の下落はチリだけのことでなくトルコなど新興国の通貨がドルに対し軒並み落ちています。この原因になったと言われるのはアルゼンチンで、デフォルト寸前と言われる経済はハイパーインフレ、暴動、停電、異常気象と重なり最悪の状況のようです。しかし他より強いと言われるアメリカ・ドルですが来月、再度デフォルト問題を抱えています。昨年は政府機関の閉鎖まで行きましたが、その後、問題を先送りしてちゃんとした結論を出しませんでした。いつまでもその手は使えないでしょう。そのおかしなドルが強いなんて素人の私にはとても理解できません。
さて金市場が不可解な動きをしているのは数字を見ればすぐわかりますね。2011年後半にオンス当たり1900ドルを超え2000ドルが近いと言われたのに、その後急落しました。
その犯人が分かってきたようです。FRBアメリカ連銀は金価格が上昇するとドル、アメリカ国債に危機が起きうるとし、米欧金融界と組んで空売りを浴びせたらしい。その後の数字が彼らの作戦成功を示しています。
しかし2012年に主要銀行間でLIBOR金利の不正操作が暴露され、大きな問題になりましたが、この金市場の不正操作が明らかになれば誰が責任を取るのかな?アメリカ政府・中銀の間の電話・メールも誰かがチェックしているでしょうね。将来それが外に漏れる可能性はありますよ。
中国はその間も金を継続して購入しましたが、欧米に預けず すべて本国に送付したとか。つまりこれから金融危機が起こって金価格が急騰したとき、いくら帳簿上で金の所有をしていても、中国以外の国の手にはほとんど金は残っていないという可能性があるとか。こんなニュースは日本では流れませんね。
ついでですが、今週、スペインのエル・パイス新聞に歴代の中国共産党の幹部の不正がなんと数ページも使って報道されました。カリブの島に偽の会社を作ってそこを経由してのいかさま仕事。そういう情報が大量にリークしたわけです。同じニュースをチリのラ・テレセラも1面で報道。しかし日本ではほとんど流れませんでした。
金市場の話でもこの幹部の不正問題でも、日本のマスメディアの動きは不思議ですね。
3) 港湾労働者のスト
23日のストの後、やっと政府・労組の間の合意ができました。
もっとも労組のほうは同意ができても正式サインがなければスト終了にはならないとしています。月曜日から輸出が始まるかな?果実関係だけで損出が2億ドルと言われています。
これはピニェラ政権の最後を汚しました。政府の無策の見本みたいでした。バチェレットはどう対応するかな?
果物を輸出できない業者がサンティアゴ中心部で無料で通行人に果物を配布して喜ばれていました。
4) エネルギー問題
水力・火力でもそのほかの発電でも、チリの場合は将来のエネルギー不足と世界トップクラスの高い費用が問題ですから、次の政権のもっとも重要な課題の一つになっています。アイセン水力発電ダムがどうなるかが最大の課題ですね。

(一般)

1) 身長が伸びた
この1世紀でチリの子供の身長が10センチも伸びたことが分かりました。例えば男児の15歳の子供の場合、貧しい階級の子供は1907年に149センチだったのが1991年に163センチになっています。18歳の例で裕福な家の子供が1907年に167センチだったのが1991年に177センチになったとか。食べ物の影響でしょうね。金持ちの子供方が背が高いのはどの年齢でも共通です。

(スポーツ)

1) サッカー
ブラジルワールドカップに出場するチリとコスタ・リカがコキンボで対戦。チリが4対0で勝ちましたが、全然のりませんでした。前半の最初はコスタ・リカがボールをキープしましたが、そのあとは一方的にチリの攻勢。ふつうこれだけ大差で勝つと市民が道路に出て騒ぐのですが、全くなし。あまり差がありすぎて、こんな弱い相手と戦って何になるのと言う感じでした。
3月初めにチリは親善試合でドイツと対戦しますが、そこに勝てばきっと市民は道路に出て「チ・チ・チ・レ・レ・レ・ビバ・チレ」と叫んで騒ぎますね。
国内リーグ戦は第4戦が終わりましたが、コロコロとパレスチーノが首位を分け合っています。この先どうなるかな?


以上