良い子育成計画

親になってみると判りますが、子育てと言うのは難しいものです。
全国全国数十万のダメ息子のお母さま方こんにちは。
私は子供の頃から大人しく、一人で家で本ばっかり読んでいる子供だったようですが、
残念ながら息子は感情が激しい上に落ち着きがなく、「体を動かさないとストレスで死んでしまう」(本人談)という自分とは似ても似付かない性格に生まれ付いたようでした。
まあ、それならそれで、生暖かく様子を見ているのも良いかとは思っていたのですが、最近になって連日、明日の準備や宿題をやらないので、妻と夕食後叫び合いの喧嘩

ばかりしていると言う感じでこのままでは家の平安が保てず、私自身も高みの見物とは行かなくなってきたので、対策を打つことにしてみました。
そのために作成した良い子ポイントと言うシステムが子供に劇的な変化をもたらしたので、世のお母さん方のため記録しておくことにします。
プロファイル
息子:
 小学二年生

  • 運動大好き、
  • 落ち着いて椅子に座っていることができない。
  • 食べる時もすぐ歩いてどこかに消える。テレビを見る時も動き続けている。
  • 常に何かしていないと気が済まない。
  • 気に入らないことが続くと怒って暴れる。宿題をやらせようとするとのたうち回って怒る。


  • 勉強はまあ普通、基本的な問題はできるが、応用は苦手
  • 宿題は母親に言われて嫌々やる。明日の予定確認や準備などしたこともない。
  • お手伝いって何ですか?状態で特に何もしない。
  • 習い事はいくつかしているが、辞めたいとは言わず、ずる休みなどもしないので根は真面目なのかも。

妻:

  • 世話好き、優柔不断
  • ちょっと気は短め
  • 子供が出来ることをつい見ていられずに手を出してやってしまう。
  • 私からすると、誰もやらなきゃ自分でするだろ、と思うのであるが。
  • ぐずる息子にいう事を聞かせるためについ譲歩してしまう→結果、息子はどう譲歩を引き出すかの交渉上手に…


私:

  • あまりしゃべらない、性格は温和で滅多に怒らない。
  • 基本的に譲歩はしないので、息子は私に交渉を持ちかけてはこない。

こんなような環境で、妻と子供が明日の準備や宿題で喧嘩をすることを回避して家の中を平穏に保つことが、今回のシステムの目標である。
[考察]
こうなった、最大の問題点は妻の過干渉である。子供が余り先の事を考えないので、ついたまらず先回りして準備してしまうのであるが、そうなったら
猶更先の事を考える必要が無くなって、何もしなくなってしまう。明日の準備を考える必要はないよと、態度で示しているのに、明日の準備を考えろと毎度毎度怒る

のはどう考えても不条理である。
この辺のことは妻に口頭で軽く言ってはいたのだが、どうにも心配で身体と口をつい出してしまうのは止められないようだった。
[対策1]
となると、第一の問題は息子に過剰に介入する母親の影響をどうやって遮断するかということになる。普段の息子を見ていると、落ち着きがあるとは言えないが、馬鹿ではないので、宿題をやることの必要性は理解しているようである。
そこで、子供が行動出来ないのは何故かと考えるに、そもそも次に何をすれば褒められて、何をしないと怒られるのか判っていないということがある。判っていないわけではないが、何か色々やっているうちにそんな事はすっかり頭から抜け落ちているので、母親にそれを指摘されて怒られる。人間の普通の心理として、本来判っていることを指摘された上で怒られたのではやる気が出るはずもなく、ちょっとむくれながらダラダラやっているとまた怒られて暴れるという悪循環である。普通に進めれば10分で終わる宿題に1時間以上もお互い叫び、暴れながら終わらせられないのはあまりに見ていて哀れである。
[対策2]
この対策は結構簡単で、恐らく一番の障害となっている妻を縛り上げて一切手や口を出させないという手もあったが、それは別の意味で家の中が不穏になるので、子供に頑張ってもらうしかない。こどもがやることを忘れるのであれば、一日の流れの中での良い(やるべき)行動や悪い(やるべきでない)行動を一覧表にしてやり、該当すればご褒美を与えるという事にしたのである。ご褒美はお小遣いと言うのは安直すぎて正直迷う所であった。と言うのも「夜に明日の準備をする」とか「食事中に歩かない」とか、ある意味人間として当たり前のことに小銭とはいえ褒美を与えるのは、後々何をするにも褒美が必要となる恐れがあるためである。とは言え、現状人間として当たり前の事が出来ないのであるから、そんな事を悩んでみても仕方がない。とりあえず、チェックリストにして可視化することで、当たり前の行動を意識の片隅にでも置いておけるようにするしかない。一日の中で、望ましい行動を思いつくまま40個ばかり挙げて、下記のExcelシートにまとめてA4で印刷し、この表にあることが出来たら良い子ポイントと言うのをあげますよ、という事で仮スタートという事にした。

[システム]
[ご褒美]

複雑なルールを作っても覚えられないので、規則はごく簡単に、「この表に載っていることが出来たらチェックして良い子ポイントと名付けたポイントをあげる、もしくは減らします。良い子ポイントが溜まったらそれに応じてご褒美がもらえます。」の一つだけである。ね?、猿でも覚えられる位簡単でしょう?
褒美をどの程度にするかは難しいところだが、あまりに少なすぎてもやる気が出ないと思われるので、1点10円とすることにした。
-[注意点]
行動一つのポイントは、簡単か当たり前の事なら1点、宿題を学童で一人でやる、といった少し面倒でやる気の出ないものは5点で設定した。リスト化した行動は、いずれも子供と親とがお互いにやった事が明解で確認しやすく皆が良い行動と言えるものに絞り、かつ簡単に短時間にできるものを挙げた。「食事の時は良い子にする、」とかの曖昧で、やったやらないで喧嘩になるものは入れてはいけない。このシステムだと、子供がちよっとやる気を出して頑張ると小遣いが簡単に1万円を超えてしまうので小学2年生にとっては多すぎるというのが唯一の問題であるが、何でも母親にやって貰うのが当たり前のダメ息子が1万円かそこらで、お手伝いもできる孝行息子になって家の中が平安になるのであれば安いものだろう。幸か不幸か、息子は正月から電車の中で財布を落としてお年玉を失くしたので、幸いお金のあげ過ぎはそれほど心配しなくてもよい。与える金額を減らすには項目を大きなものに統合して交換レートを減らせばよいのであるが。行動をまとめずに、細かく分けた具体的な行動を明確化するのは、細かな1ステップの達成感と取り組みやすさを子供に印象として与えるために重要である。
[結果]
[初日]

大雑把に言ってこのような設計で、良い子ポイントシステムを開始したのであるが、結果は驚くべきものだった。簡単に概要を説明して、チェックリストを渡すとしばらく机で熟読した挙句、猛然とリストに従って行動を開始したのである。毎日喧嘩ばかりして不機嫌だった宿題もあっさり自発的に取り組んで20分ほどで終らせた上、入学してから一度もやった事のない明日の予定確認と準備を寝る前に終らせたのである。

自分で管理するものなのにしょっちゅう聞くので「えんぴつや消しゴムの場所を聞く」と減点としておいたら、消しゴムがなかった時にやって来たが、喉まで出掛かった言葉を我慢して自分で探していた。注意点としては、チェックリストを付けるのは、子供と一緒に同意を得てから一緒に付ける方が良いだろう。
[二日目]初日と同様にちゃんとまじめに取り組んで、自発的に宿題を片付けた。概要説明も、リストを見せてこれを全部守れなどと言ったら即、喧嘩かやる気がなくなってしまうので、あくまでも、「やりたければやっても良いよ」、位の軽いおススメ風に言うのが望ましい。あくまでいやいや良い子にされるのではなく、リストの通りにすると、褒められるし怒られなくてその上小遣いも増えるのが楽しいので良い子になると言うのが理想である。
[3日目]は朝ごはんの前に友達が来てしまったので、朝ごはん関連の項目がズタボロだった。さすがに友達を放っておいて良い子集中は困難なようである。
とりあえず、達成感を与える方策としては、お小遣いの小銭と毎日ポイントの推移のグラフ化あたりでうまく回らないかと思っている。前の日と比べて今日はこれっぽっちだからもうちょっと真面目に取り組みたいなどと思い始めれば最高である。
[4日目]は少し飽きが来た感があったので、+αのご褒美として映画鑑賞で釣ってみた。子供の様子を見ながら、定着を狙って行きたい所である。当初は、お小遣いは、前月の実績を元に月頭にあげるという事を考えていたが、子供的に一か月は長すぎて、ご褒美としての実感が湧きにくそうなので、ちょっと面倒ではあるが、日当にしてみた。この辺は臨機応変にやる必要があるだろう。
というか、こんな単純な方策で子供のふるまいを生まれ変わったかの如く変えることが出来てびっくりである。多分、いままでよりも我慢することが増えてイライラしてるのではないかとも思うが、自発的に取り組むという事はやはり重要である。本人的にも今までより怒られずに褒められているのが嬉しいのかもしれない。
現在3日目がおわったところだが、今まであれだけやらせるのに苦しんだ宿題は何だったのかと思うくらい、

静かに自発的に取り組むので親が宿題の存在を忘れかねない状態になってしまった。
自分で作っておいて言うのも何だが、良い子ポイントシステム恐るべしである。