2010年の読書まとめ

読書メーターの月まとめのをまとめるだけの記事が今年は多かったし、2010年に読んだ本を読書メーター見ながらまとめてみようと思ったのでつらつらと。自分の読書メーターのマイページはこちら

2010年は1年間で51冊。月平均で4.25冊だから、1週間に1冊は読んでるくらいの計算。一気に何冊も読む時期があるかと思えば、1冊も読まない時期が長く続いたり、本を読みたいなーって思って、読みたい本が手元にあって、最初から最後までだーって読めるような作品があるときは読んでる本の数が増えてるなーって印象。

シリーズ物で追ってるのは、「人類は衰退しました」「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」「六畳間の侵略者!?」「“文学少女”シリーズ」あたりになるのかな。あと米澤穂信の「古典部シリーズ」なんかもそうか。既に完結してるのだと、「半分の月がのぼる空」あたり。積み本に「GOSICKシリーズ」があったかな。「絶対女王にゃー様」は完結。

1月は2009年から読んでた“文学少女”シリーズ中心。だいたい友だちから借りて読んでたから今手元にないので、ちょっとずつ買い揃えていきたいくらい好きになった作品。文学少女関連が7冊か。あとイラストの竹岡美穂さんの文学少女のビジュアルブック買ったな。水彩っぽい透明感のある絵がすごく好き。12月26日に「“文学少女”と恋する挿話集 4」が発売してるので買わないと。もうちょっとシリーズとして続くらしいんだけど、遠子先輩が編集者になってからのお話はあんまりなーって思いつつ、結局買っちゃうんだろうなと思います。文学少女見習いのおひさまの菜乃がとてもいいこだったので大好きになりました。

2月に読んでる「秋季限定栗きんとん事件」の前に読んだ米澤穂信作品は、春季限定〜と夏季限定〜とさよなら妖精の3冊だったんだけど、2010年は自分の中で米澤穂信ブームの年だった。古典部シリーズを読み始めてから、米澤穂信さんの青春ミステリが大好き。今年はインシテミルが映画化したりしたし、米澤穂信の年と言ってもいいんじゃないかと思います。「インシテミル」と「犬はどこだ」を読みたい。あと古典部シリーズの新作が早く文庫化して欲しいです。

3月に読んだ「ボトルネック」も痛面白かった。「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」の漫画版を買って読んで、桜庭一樹をいろいろ読んでたんだけど、直木賞受賞作の「私の男」は途中で読むの断念しちゃったし、「少女七竈と七人の可愛そうな大人」ははっきり言ってよくわかんなかったから、あんまり相性よくないのかなーって思うんだけど、「少女には向かない職業」とか「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」とかは好きなのでよくわかんない。「GOSICKシリーズ」は何冊か積んであって、漫画版は読んだんだけど、これもかなり好きそうなのでますます桜庭一樹がわかんないです。

4月から8月にかけては、公務員試験の勉強やら試験やら面接やらがあって、時間にも心にもあんまり余裕がなかったみたいで読んでる冊数は少ないです。とかいいつつ、東京都特別区受けたときに、会場のあった駅のすぐ近くの本屋で発売日前日に売ってた「俺の妹がこんなに可愛いわけがない 6」を試験日前日のホテルで読んでたりするあたり、別に余裕がなかったわけじゃないのかもしれないです。自分のことが自分でもよくわからない。「半分の月がのぼる空」「空色ヒッチハイカー」と橋本紡さんの作品を読んで、「流れ星が消えないうちに」で完全にこの人のファンになりました。「流れ星が消えないうちに」が自分の中では衝撃的というか素晴らしすぎて、ちょっとだけ読んでしばらく放置してたのがもったいないくらい大好きになれた作品でした。

8月から9月にかけて結構長い間実家にいたので、実家に置きっぱなしにしてあった中学生の頃に読んだ本とか、弟の本棚にある本を読んだりして、あさのあつこの魅力に気づきました。「バッテリー」とか「THE MANZAI」とかは冊数が多くて読む気しなかったので、1巻完結っぽいのいくつか読んだら、あさのあつこはスポーツとか少年モノを書いているイメージだったのが一変した。何冊か読んだ中で「ガールズ・ブルー」がすごく好きで、続刊買っちゃった。あとで聞いたら兄が持ってたみたいで買い損だったんだけど、「ガールズ・ブルー」の登場人物の考え方とかが、自分の中にどんどん引っかかってった。美咲が一番好き。「あかね色の風/ラブ・レター」のラブレターの方の、小学生の女の子が長い長いラブレターを書いている体のもお気に入り。小学生〜高校生の女の子の心の動きとかそういうのがすごくよかった。「夜のピクニック」を読みたい読みたいと思ってて、やっと買って読んだんだけど、さすがだなーって思う一方で、登場人物がちょっと機械的というか狙って仕掛けられすぎてるなーって印象を受けたのが自分でも意外だった。

10月にはTLで度々話題になってた「ミラクルチロル」を読んだ。不思議な話だったなーって印象だった。これ読んでからしばらくはコンビニとかでミルク味のチロルチョコいっぱい買って食べてたんだけど、たぶんまだ牛さんの模様6パターン全部集まってない気がする。あとあと調べてみたら作者の木村航さんがライアーソフトの人で、Forestとか書いた人だったのを知ってびっくりして納得した。

11月12月はレンタルして見た映画の原作を買うのが多かった。「古典部シリーズ」がすっごい面白い。早く続刊を読みたい。


たぶん51冊読んだうちのほとんどが2010年に出版されたものじゃないんだけど、2010年に僕が読んだ本52冊のうちからお気に入りの本ベスト5、みたいなことをやろうと思ったので5冊選んでみる。順番は適当。

まず完結を迎えた野村美月さんの「“文学少女”見習いの、卒業。」かな。文学少女見習いシリーズ1冊目を読んだときは、遠子先輩のいない文学少女なんて……って思ってたんだけど、菜乃が見事に心葉くんや停滞していた琴吹さんを引っ張っていきながら、自分も悩んで落ち込んででも前向きにまっすぐに立ち向かっていくのがとてもかわいくて強くって素敵だった。最初から菜乃は失恋することが決まっていたとしても、桜の樹の下の最後のお別れのシーンがすごすぎて完全に心を持って行かれた。
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次は上で書いてるけど、橋本紡さんの「流れ星が消えないうちに」。優しさとか生きていくということとか強さとか、そういう素敵なものが全体を通してすっごい丁寧にしっかりと書かれていて、読み終えたあとはしばらくいろんな人にお勧めしたい!って強く思うくらい好きになった。恋人が亡くなってから1年経ったあと、大きな事件が起きるわけでもなく、過去を回想しながら、未練を引きずりながら、どうしていいかわからなくなりながら、ちょっとずつ前へ前へと進んでいくのを丹念に書いていて、読んでいる間も読んでいない間もほっこりあったかくって心地良い時間を過ごせた。
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次はこれも上で書いてるけど「ガールズ・ブルー」。こういうのを中高生の頃に読んでたらどういう感想を抱いたのかなーって思う。弟が持ってた本だから弟が中学生くらいの時に読んだはずなんだけど、なんか面と向かって聞きづらいから聞いてみたことはないけど、兄は如月くんが好きだって言ってた。僕は美咲が好き。こういう人たちが女子高生っていう生き物なんだとしたら、女子高生というものに対する認識を改めなくちゃいけないなーって思うくらい素敵な女の子と男の子が、確かに自分も中高生の頃こういう風に感じていたなーって思えるような、等身大というか青っぽい感覚が自分の中にどんどん入り込んできてグッとくる。物語の中に嵌め込まれることにならないように油断しちゃいけない、なんとかなるだろうって根拠のない自信、難しいことはやっぱり自分にはわからないしこれからどうしていいかなんて想像もつかないけど、とりあえず明日へ生きてこう、とかそんな感じの。こういうの読んでうがーって叫びたくなったりするんだから、まだ自分は若いってことか。憧憬から傍観者に移ったら年老いたって思うんだろうな。
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米澤穂信さんから1冊選びたいんだけど、古典部はシリーズものだしなぁ。「ボトルネック」は痛すぎた。古典部シリーズから1冊挙げるなら「遠まわりする雛」か「クドリャフカの順番」になるんだけど、これはここまで読んできて、古典部の面々やら登場人物のいろいろを知ってたりする上での話になっちゃうからなーって思うんだけど、「クドリャフカの順番」だなぁ。群像劇風というか多視点にしたおかげで、古典部の4人のそれぞれがどういうことを考えたりしてるのかがダイレクトに情報として伝わってくるから、それぞれの魅力がこれでもかって出てたと思う。ただし千反田さんはこれでもちょっとよくわかんなかった。折木千反田組と福部伊原組と、それぞれのペアが対照的になってて、特に福部の考えが切ない。この巻から青春色が一気に強くなったなーって感じだけど、よく考えたら前2冊も強かった。ミステリとして読むとわかりやすくてちょっとうーんってなるかもしれないけど、青春モノとして読むと、ミステリがスパイスになって面白さが際立ってると思う。
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これで4冊。あと1冊か。「夜のピクニック」「アヒルと鴨のコインロッカー」あたりで迷ってたんだけど、大学の図書館で勉強してたときに休憩時間にちょっと読もうと思って読み出したら、いつのまにか最後まで読み終えてて背中がぞわっとして持ってる本をどっかに投げつけたくなった野崎まどさんの「[映]アムリタ」かなー。短めだしうーんって思う部分も結構あった気がするけど、テンポがいいし最後のどんでん返しで薄ら寒くなった。メディアワークス文庫面白いな!って思ったけど、まだこれしか読んでない気がする。野崎まどの他の作品も読んでみたいし、メディアワークス文庫なら読みたい読みたいと思ってる有川浩の「シアター」とかあるなー。
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50冊程度のうちから5冊だしこんなもんかなー。タイトルだけまとめると、「“文学少女”見習いの、卒業。」「流れ星が消えないうちに」「ガールズ・ブルー」「クドリャフカの順番」「[映]アムリタ」で5冊。2010年発売が2冊入ってるし、2010年のって言ってもこれなら大丈夫だろ。
2011年は有川浩が結構文庫化されてるので読みたいのと、伊坂幸太郎を映画になったのはだいたい観ちゃったけどやっぱり原作を読みたいなーとか思ってるけど、どうなるかなー。