十月

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「何月」は毎月が季語、簡単ゆえに句にするのは難しいですよね。ほかの月でもいんじゃねーの?ということにならないように作らねばならない。さてこちらの句はいかにも十月らしい句ですかねえ?角川の歳時記に掲載されていたので、それなりの人がそれなりの評価をして掲載されていると思います。難しいですね、絶対に十月らしいかどうかと言われると。酒が飲めるわけではありませんが、確かに十月は合うような気がしますけどね♪

 

《十月の竹の匂ひの酒を酌む/福島勲》

敗荷

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「やれはす」と読みます。風などで破られたりぼろぼろになった蓮の葉。なんだか哀れですよね。『破蓮』と書いて「やれはす」と読んだり、「やれはちす」と読んだりもします。こっちの漢字の方がイメージしやすい感じ♪w

 

《敗荷の中の全き一葉かな/清崎敏郎》

冬の蜂


※この写真は佐々木司門さんから頂きました。

だまって「蜂」と言えば春の季語、花の咲くころに蜜を求め運ぶ姿をよくみかけますよね。その春に活動がよく見かけられる蜂、冬にみかける姿はどうなのでしょうか?やはり春との比較する姿が下敷きにないと詠んでも味がないのかなというところですよね。冬眠間近で動きも鈍く、哀れな感じすらする。この写真司門さん(人間w)の指にとどまっている姿などはまさにアクティブな季節の蜂ではない様子がうかがえるものではないでしょうか。

《冬蜂の死にどころなく歩きけり/村上鬼城

赤蜻蛉


※この写真は丸山智慧子さんからいただきました。

蜻蛉のうち体が赤い蜻蛉をこう呼びますが、実際に「赤蜻蛉」という名前の種はいないようですね。

《この村の人より多き赤蜻蛉/今野貴美子》

櫓田


※この写真は天宮風牙さんからもらいました。

稲を刈り取った切り株から新しい芽が生えてくる、それを「ひつじ」というそうですわ。それが田一面に生じるので「櫓田(ひつじだ)」という。なかなか読めないですよね、俳句でもやってないと倶楽部♪w

《櫓田の踏み荒されて売られけり/和田孝子》

秋の風


※この写真は近恵さんから頂きました。

初秋から晩秋と秋に吹く風すべてを指すことから、様々な情景、趣を持つのが秋の風。色なき風、金風、素風、爽籟など、呼び方もいろいろ。

《もういちど吹いてたしかに秋の風/仁平勝》

葡萄棚


※この写真はDaisuke Teranishiさんからもらいました。

秋の果物のひとつ葡萄は、棚をつくりそこにぶら下がるように生ります。葡萄棚の下での葡萄狩、楽しいですよね。


《老いてゆく恋人よ葡萄棚の下/今井杏太郎》

★前に書いた「葡萄」
http://d.hatena.ne.jp/photo-saijiki/searchdiary?word=%C9%F2%C6%BA

秋茄子


※この写真は、師匠西村和子先生からもらった十全茄子です。

あまりにおいしいせいか、「秋茄子は嫁に食わすな」なんてことわざがあるくらい。焼いたり、漬物にしたりと、まさに食欲の秋を代表する食材のひとつですね。

《その尻をきゆつと曲げたる秋茄子/清崎敏郎》

秋思

「しゅうし」と読みます。秋は物思いにふけったり、どこか淋しくなったり、そんな季節ですよねって感じの季語です。雰囲気あり過ぎの季語なのでやり過ぎるとやり過ぎてしまう、そんな感じの季語かもしれませんw。わけわかんないかなあ?

《分かち合ふ秋思ロダンコルビュジエと/津野利行》

葛の花


※この写真はSheena Fujiharaさんから頂きました。

秋の七草の一つだそうです。夏から秋にかけて穂状花序が立ち上がり、下から上へと赤紫色の花を咲かせるとのこと。

《葛の花むかしの恋は山河越え/鷹羽狩行》

秋めく


※この写真は川越歌澄さんからもらった、私の母校蔵前工業高校の写真です。

まさに秋らしくなることです。五感すべてにおいて秋の訪れを感じ取る、季節の移ろいを敏感に感じ取るような季語ですね。

《秋めくや一つ出てゐる貸ボート/高橋悦男》

秋暁


※この写真はHiroko Shimaさんから頂きました。

「しゅうぎょう」と読みます。秋の夜明のこと。立秋を過ぎ日の出の時刻はどんどん遅くなってきます。心理的に夜が長く感じることにもつながり秋の深まり、また皮膚感覚にも冷たさを感じてくるようになり、季節の移ろいを実感させてくれることになる。

《秋暁や胸に明けゆくものの影/加藤楸邨