2か月以上

学会も終わり、引越し復路も終わり、授業も始まって科研の書類もいくつか片付いて、まだまだ片付かないことが多いのだが、そんなこんなでようやくここに復帰。気がつくと2ヶ月以上経っているのであった。

■写真論講読

Photography Theory in Historical Perspective

Photography Theory in Historical Perspective

非常勤ではこれを読み進めることにした。写真論の研究の現在ってあれこれ出ていてそのつどチェックしているのだが、目にとまったのは教科書的なこれ。中身は次のごとし。
 1章 写真における再現表象:絵画との競合
 2章 写真における時間:時間を基礎にした諸芸術との競争関係
 3章 写真における場と空間:ヴァーチャルな場と空間的対象の位置づけ
 4章 写真の社会的機能:ドキュメンタリーの遺産
 5章 自己反省的写真
現在の問題に手の届いた入門書は写真に関しては数が少ない(か、現在に腰を据えすぎて議論が腰の座っていないものが多い)が、これはまず及第点の内容だろう。未見の文献も多いのでバックアップしておく。来年は写真論をリスタートしようかと考えているのでそのウォーミングアップにもなる。

■ゾンビ論
 神戸の授業ではここ数学期のホラー映像論のしめくくりとしてゾンビ映画論をすすめている。ともかくまともなゾンビ映像論が少ない(もちろん「まともなゾンビ・・・論」という言い方がまとも「でない」響きがあるが)のだが、数少ないゾンビ論と系譜を確認しつつ、講義ではロメロの『ゾンビ』(ドーン・オブ・ザ・デッド)を見せて喋っている。で、その次に見せるゾンビ映画を思案しているのだが、なかなかに悩ましい。ロメロ『デイ・・・』は全編を見せるよりも部分を見せるほうがよかろうし、ロメロ『ランド・・・』は少々気張りすぎでゾンビ映画らしくない。『ショーン・オブ・ザ・デッド』、『ゾンビランド』、『ゾンビーノ』は、ゾンビ映画的問題構成を十分理解してからシメとして見て欲しい。

■アニメ論
今期から院生を指名して講読の授業の切り盛りをしてもらっている。身体写真の研究をしている増田くんにボルトンパトレイバー論を素材に話をしてもらって、つっこみを入れつつ授業にしている。この論文はたぶん数少ない映像の肌理をある程度抑えた論文。
Robot Ghosts and Wired Dreams: Japanese Science Fiction from Origins to Anime