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”Piano e forte”別館 −コンクールレポート−

2015-11-23

第9回(2015)浜松国際ピアノコンクール第2日

2日目で印象に残ったのは演奏順に

あたり。

ちなみに帰ってからVODで聴いてみると、ホールで聴いたときと結構印象が違う。VODの方が響きが少ないので細かいところまでクッキリ聴こえる(ホールでは気がつかなかったミスもわかる)が、全体的に迫力に乏しいし、もちろん音色の違いも生ほど現れない。

第9回(2015)浜松国際ピアノコンクール第1日

今回は残念ながら初日と2日目しか聴けないので詳しいレポートはなし。初日で印象に残った演奏は、演奏順に

あたり。

全体的に、年齢が高めの人が年の功を見せていた感じだった。

2012-11-20

3次予選通過者発表

【1日目】

  • 76 内匠 慧 日本 ○
  • 78 アンナ ツィブラエワ Anna TCYBULEVA ロシア

【2日目】

  • 61 イリヤ ラシュコフスキー Ilya RASHKOVSKIY ロシア
  • 33 キム ジュン KIM Joon 韓国
  • 55 中桐 望 日本
  • 67 佐藤 卓史 日本

(○は私がよいと思ったとして挙げた人)

今回の結果は(一応挙げた人3人が入っているが)正直ちょっと驚いた。ここら辺は審査員との好みの違いなのだろう。あるいは(私はあまり詳しくない曲である)Mozartの出来が大きく左右したのかもしれない。

なお、本選は聴きに行かないのでレポートは多分これで最後になると思う。(終わった後に総括みたいのを書くかもしれないが。)

3次予選2日目を聴き終わって

特によいと思ったのは

實川君は演奏自体は悪くなさそうだったが苦手曲が多かったので。。

3次予選2日目(その2)

  • 55 中桐 望 日本

彼女もソロが先。Scriabin3番は悪くないけど、もう少し弱音を効果的に使うとよかったかも。フォルテ和音ももう少し美しく響かせたい。Schubertは中間部のフォルテ部分がよかった。Ravelのオンディーヌは弱音はよいけど、やはりクライマックスのような強音和音になるとちょっと力みというかヒステリックな音になるのが残念。スカルボは細部をもっとクリアにしたいところ。ちょっと平凡な出来だった。Mozartは悪くなかった。(こうなるとこの曲ではあまり差がつかないのかもしれない。)

  • 67 佐藤 卓史 日本

Mozartはさすがに上手さを感じる。ちゃんと目立っているが引くべきところは引くといった感じ。終楽章での名技性も出ていた。Korngoldはきっと彼の好きな曲なんだろうけど、正直あまりピンと来なかった。最後のLisztソナタは2次での交響的練習曲と同様、ガンガン攻めるタイプの演奏。ただフォルテ和音の美しさに関してはKim Joonの方がよかった気がする。

  • 72 ソ ヒョンミン SUH Hyung-Min 韓国

Mozartはよく歌っていてよかった。(そういえば弦の配置が変わってvcが真ん中に来ていた。これも彼の希望なのだろう。)ソロに入ってBartokソナタは第1楽章はメチャ激しいが、これぞBartokといった感じ。重低音がビシビシ炸裂していた。最後のSchumannも音響が豊かで語り口も上手い。スケールも大きく自然な起伏が感じられる。この曲は2次の佐藤君も名演だとおもったが、さらに上をいく感じだった。

3次予選2日目(その1)

演奏曲目はこちら

Mozartはやや大きめの音で存在感のあるピアノ。主役というか主導権を握っており、弦による伴奏つきピアノソナタのような趣さえあったが、アピールするにはそれくらいでよいかも。ソロに入ってダンテは相変わらず充実した音。なぜか2次の中桐さんのときのようにゾクゾクっとはしなかったがよい演奏だった。最後の展覧会の絵はさらに感動的で、特にババヤーガでの迫力はまさにロシアの底力といった感じ。キエフ大門に来てやっぱりゾクゾクきてしまった。

  • 33 キム ジュン KIM Joon 韓国

Mozartは悪くないが終始ピアノが出ている感じで、出るところと引くところをもう少しメリハリつけてもよかったかも。ソロに入ってからが彼の本領発揮で、プロコ7はスピード感、キレともに十分。2次の出来からしてかなり期待していたが、それ以上だった。Lisztソナタもオーソドックスなスタイルだがスケールが大きく、テクニックも冴えていた。

  • 26 實川 風 日本

彼はソロ曲からスタート。Scriabin幻想曲はそれほど詳しくない曲だが、悪くなさそう。続くProkofiev, Tchaikovskyはどちらかというと緩徐系の曲。音色で聴かせていた。最後のSchumannファンタジーは昔からの大の苦手曲なのでこれもはっきり言えないが、第1楽章出だしの掴みはOKといった感じ。だがやはり苦手曲は苦手曲。正直長く感じた。Mozartは今回2人目の2番だったが、内匠君よりよかった気がする。終楽章は楽しげだったし表情も豊かで目立っていた。

2012-11-19

3次予選1日目を聴き終えて

よいと思ったのは

阪田君もノルマはよかったけどDebussyの印象が弱かったかな。Martynovも1次、2次から好きだったのだけど、残念ながら今回はソロ曲がよくわからないので。。

3次予選1日目(その2)

Mozartは最初はやや抑え気味のようだったが、修正してだんだん音が出るようになった。もう少し硬質で透明感のある音かと思ったら、意外とまろやかな音であった。Debussyは静謐な演奏。続くBrahmsパガバリ第1巻も最初はちょっと固かったが、進むにつれて調子が出てきた感じ。スケールが大きいとかメカが強靭というわけではないが、やはり音が美しく、詩情を感じさせる。最後のコーダでは思わず心の中で頑張れと応援していた。最後のDance macabreもLisztらしい輝かしい音が気持ちよい。

2次では個性的な解釈を見せていたので、どんなMozartになるのかと期待していたが、ピアノが特に目立つこともなく意外と普通。逆にちょっと肩すかしを食った。続くソロはMedtnerのソナタ1曲のみ。実はこの曲はよく知らないのでコメントができない。

Mozartは音がよく伸びるというか通る感じ。終楽章も音がくっきりしていて悪くない。ソロのScriabinも第1楽章は音よく響いてよいのだが、第2楽章はノリというか動きのキレが今ひとつ。2次予選でも感じたが彼女はリズムの扱いがもう一つなのかもしれない。Schumannも同様で、緩徐変奏では響きが充実しているのだが、急速曲では動きが少し重くモッサリした印象。またフォルテは力が入り過がなのかちょっとうるさく感じる。あと繰り返しをすべて行っていたが、ちょっとくどい感じで、適当に省略した方が流れがよい気がした(楽譜に忠実といえば忠実なのだけど)。

3次予選1日目(その1)

演奏曲目はこちら

  • 65 阪田 知樹 日本

Mozartピアノ四重奏曲はあまり詳しくない曲、かつトップバッターで比較相手がないのではっきり言えないが、それほど悪くなさそうという感じ。Debussyエチュードもオーソドックスな解釈でメカも安定。ただ全体的に慎重に丁寧にいっているような印象で、もう少し思い切りよくてもよい気がする(たとえば4度のクライマックス部分とか)。あと響きが美しいと感じられるようになっていればよかった。最後のノルマも技術的に非常に安定していて、メカが優れていることがよくわかる(クライマックスの難所でちょっとハズしたのは惜しかったけど)。欲を言えば中間の緩徐部分は雰囲気を変えてもっと歌いたかったし、アルペジオは高音部をもっと煌めかせられるとよかったかも。

  • 76 内匠 慧 日本

Mozartは第1楽章展開部など、全体的にちょっと控えめだったかも。自分が出るところを弦が出るところをもう少しメリハリをつけてもよかったと思う(やや伴奏に徹しているような印象)。阪田君もそうだったが、終楽章ももっと愉悦感を全面にだしてほしい気もした。ソロのHaendelはまずまず、Babazhanyanもビート感のある現代曲で特に終曲は楽しめた。(委嘱作品もこういう曲だと面白いのだが。。)続くChopinの幻想曲もツボをよく心得ている。今回この曲を何回か聴いたが、その中では一番しっくりきた。音に力みがないのがよい。最後のイスラメイは、インタビューで、以前は速めのテンポで弾いていたが正しいテンポに戻したと言っていたので、落ち着いたテンポで弾くのかと思ってたら、十分に速いテンポで攻めていた。特にオクターブがスムーズ。なかなかのテクニシャンであることがわかった。

Mozartは、これまでの日本人と違って出るべきところは音がよく出ていて、協奏曲を聴くような面白さがあった。(日本人は、出しゃばらないようにという意識が強く働くのだろうか。。)ソロに入って、フランス組曲は端正な表現ならがも表情が豊か。繰り返し時に装飾音を結構変えているのが印象的だった。ブーレで一瞬止まりかけたのが惜しい。Bartokはパーカッシブな曲だがあまり金属的にガンガン叩かず、最後のTotentanzも技巧派ぶりを見せながらも音楽重視で決してうるさくならないのが彼らしい。特に緩徐部分での音色や歌わせ方が聴かせた。

3次予選課題曲

こちらにあるが、Mozart

のうちから1曲と、自由曲によるソロリサイタルによる計70分のプログラムである。

室内楽を入れたのは今回の浜コン課題曲の目玉で、海外のコンクールではよくあるが、実際に聴くは初めてなのでどんな風になるのか興味津々である。

2012-11-17

2次予選通過者発表

【1日目】

【2日目】

【3日目】

  • 26 實川 風 日本
  • 55 中桐 望 日本 △
  • 67 佐藤 卓史 日本 ○
  • 72 ソ ヒョンミン SUH Hyung-Min 韓国

(○,△は私がよいと思ったとして挙げた人)

挙げなかった人は3人だけなので、まあまあというところか。今回はいつもに比べて「あっと驚く」ような審査は少なくなっているような気がする(日本人にはちょっと甘い気もするが…)。これも海老彰子審査委員長のおかげか。中村紘子のときは結構、(特定の人をプロデュースしようとする)「思惑」が透けて見えるような審査が多くてイヤな思いをしたものだが。いっそのこと、コンテスタント集めは中村紘子、審査は海老彰子、と分担してやってもらえるとよいのだが(笑)。

あと海老彰子になってよかったのは演奏中に決して鈴を鳴らさないこと。これまでは時間オーバーしそうなときはいつ鳴らされるかと気が気でないことが多かった(よい演奏のときは特に)が、今回は最後まで安心して聴ける。

2次予選3日目を聴き終えて

よいと思ったのは

  • 77 アレクセイ タルタコフスキー Alexei TARTAKOVSKI アメリカ
  • 67 佐藤 卓史 日本
  • 92 チュウ ハオ ZHU Hao 中国
  • 72 ソ ヒョンミン SUH Hyung-Min 韓国

次点で

  • 55 中桐 望 日本

3日間合わせると、2次で挙げた人は13人(1日目:5人、2日目:3人、3日目:5人)。3次は12人なので、全員がこの中から選ばれてくれれば万々歳だが…そうは問屋が卸さないだろうな(笑)。

2次予選3日目(その2)

  • 77 アレクセイ タルタコフスキー Alexei TARTAKOVSKI アメリカ

Chopin 10-8はオーソドックスだが悪くない。3番ソナタも、冒頭ちょっと硬かったがすぐに調子が出てきた。すっきりと端正な表現で音が美しい。緩徐部分も甘い音色でよく歌っている(しかし過剰にならない)。終楽章では部分部分でテンポを変えるのは賛成できないが、それ以外はよかった。最後のRachmaninovも美音で聴かせていた。

  • 67 佐藤 卓史 日本

Bergは結構メリハリが激しく、真面目さだけではないようだ。委嘱作品も気のせいか吹っ切れた感じでノリがよく、(1次であんなこを書いたからではないだろうが)攻めの姿勢が見える。Chopin 10-1は音コンでも弾いた得意曲(ショパコンで弾いたかな)だけあって手馴れたもの。流れるよう。最後のSchumannは実川君よりよく表現のツボを押さえており、さすが年の功というか、年季が入っている。全体にテンポがよく、流れが沈滞しない。中盤からは一気呵成という感じでグイグイと攻めていく。このシンフォニックエチュードはなかなかの名演であった。

  • 92 チュウ ハオ ZHU Hao 中国

Chopin 10-8はTartakovskiよりさらに滑らかで上手い。最後にミスったのは愛嬌か。バラ3もうまく盛り上げていた。Lisztの超絶8番も出だしはちょっと力みがあったが、後は好調。スケールが大きく、ミスはちょこちょこあったが難所の跳躍部分も速いテンポにもかかわらずほとんどノーミス。1次のときもそうだったが、全体的に非常に筋のよいピアニストという感じである。

  • 72 ソ ヒョンミン SUH Hyung-Min 韓国

Lisztの回想は音がクリーミー。続いて今回何回目かのスケ3だが、主題の力感、スピード感があってこれもよい。欲を言えば中間部のスダレはもっとデリケートにやってほしいけど(彼のは健康的)。Ravelもテクは十分に魅せた。打鍵、テンポが(韓国人らしく?)ちょっとアグレッシブ過ぎる気もして、もう少し上品な表現も織り交ぜるとよいと思ったが(多少うるさく感じることもある)、最後は十分に盛り上げていた。

2次予選3日目(その1)

演奏曲目はこちらを参照。

  • 30 スタ二スラフ フリステンコ Stanislav KHRISTENKO ロシア

Scriabinの42-5は音が少し団子になっており、響きをもう少し整理したい。Chopinのロンドは右手の細かい動きが軽やかで、いかにも達者。でももう少し左手のリズムを強調してもよい気がする。メインのRachmaninovソナタ暖色系の音色で音に丸みがあるが(この曲に限らず)、ときにはエッジの立った音もほしいところ。全体としてもう一つ決め手を欠く感じ、というか1次のときの期待からすると平凡でやや期待外れであった。

  • 26 實川 風 日本

Chopin 10-9は手堅いがもう少し細かく表情や変化をつけてもよいか。彼はそういうことに関してはちょっと淡泊なようである。メインのSchumannも微妙というか物足りない。表現の細かいところでの詰めが甘いし、変奏ごとのメリハリにもやや欠ける。この曲を弾くなら何か主張、こだわりのようなものを聴きたかった。彼は今年の音コンでこれを弾いたそうだが、今日の演奏を聴くと、本選に進めなかったのもわからないでもない。

  • 55 中桐 望 日本

Rachmaninov 39-8は(それほどのメカの強さを要しないので)彼女に合った曲。続くDebussy前奏曲も(苦手曲であまり詳しくないが)彼女の資質に合っていそう。メインのダンテは出だしの音はまずまずで安心。(ここの音が悪いとあと聴く気が失せる。)その後も音が充実し、緩徐部分での音色も美しい。大好きな曲ということもあって、何度もゾクゾクとしてしまった。本人のインタビューを読むと2次に進めるとは思っていなかったそうだが(私も)、好きな曲でよい演奏を聴かせてくれてありがとうという感じである。

  • 85 シュ ガ−フイ XU Gehui 中国

鬼火は多少ごまかしっぽく聴こえるところもあって、精度の点では微妙だったか。失敗というほどではないが心証を良くする方向にはいかなかった。夜のガスパールも、オンディーヌはメカが冴えていたが、スカルボは今ひとつ。もう少し針の先でつついたような繊細な音がほしいところ。最後のハン狂2はまずまず盛り返したが、ただフリスカはもっと派手に暴れてもよかった気がする。ちょっとおとなしかった。

2012-11-16

2次予選2日目を聴き終えて

よいと思ったのは

の2人がダントツ。次点で

  • 58 ドミートリ オニシチェンコ Dmitry ONISHCHENKO ウクライナ

といったところ。結局1次で○か△をつけた人であった。

上の2人はこの後変調がなければファイナル進出は固そうな雰囲気。Kimは29歳なのに今まで大きなコンクールの入賞歴がないのが不思議なくらいだった。

2次予選2日目(その2)

  • 58 ドミートリ オニシチェンコ Dmitry ONISHCHENKO ウクライナ

Shostakovichは(いつものように)リラックスした音だが悪くはない。Lisztも片田さんに比べると余裕があるように聴こえる。(実はこの時間帯、睡魔と闘っていたのであまりよく覚えていない。)最後のLisztも安定はしていたが、聴かせるための手練手管という点では1次のKhristenkoの方がよかったかな。年齢の割には意外と素直(?)な解釈。それにしても、前回も2次でこの曲を弾いており(1次のMozart K310も)、あまり新レパートリーの開拓をしていないのかな。

  • 88 ユ スルギ YOO Seul-Ki 韓国

Ligetiはなかなかよかった。Ravelもまずまずだが音にもっと輝くような煌めきがあればよかった。強音でちょっとひっぱたくような音になりがち。Schumannは全体的に今ひとつパッとしなかった。指回りがピリっとしない変奏が結構あるし、やはり強音での音の魅力に欠ける感じがする(あまり美しく響かない)。フィナーレはちょっと急ぎすぎの印象。

  • 2 ジェラルド アイモンチェ Gerard AIMONTCHE ロシア

最初はChopinの英ポロだったが、これがまたえらく肩の力が抜けた演奏。主題を最初は弱音で弾くという斬新(?)な解釈だったが、でも違うだろーと思ってしまった。次の25-5もちょっとヘンテコな感覚。スケ4はこの中では一番まともだったが、でも相変わらず肩の力が抜けている。脱力もここまでくるとやり過ぎという感じがした。

  • 33 キム ジュン KIM Joon 韓国

Chopin 25-4はくっきりした音が印象的。Ligetiも躍動感があるというか、ノリがよい。道化師もリズムにキレがあり、同音連打も上手い。そして何より明るい音が曲によくマッチしている。最後のLisztもやはり正統派、王道をいく演奏で、Rashkovskiyと同様、三拍子(音、テク、センス)揃っている。Rashkovskiyのライバル出現、という感じである。

2次予選2日目(その1)

演奏曲目はこちらを参照。

Lisztの軽やかさはしっとりした音で、レガートを美しく聴かせることを重視した演奏。完成度が高い。一方Mendelssohnの厳バリは丁寧だが変奏ごとの変化がもう少しほしい感じ。音色がすべて同じである。Chopinもそれほど悪くないが、もう少しポロネーズのリズムをはっきりさせた方がよいのでないか。Mendelssohnがちょっと退屈だったのも、リズムのメリハリが今ひとつだったからかもしれない。喜びの島もフォルテ和音があまりきれいに響いておらず、もう一つの印象。

Bergソナタは昨日のMartynovのような面白さは感じなかったが、これはまあ当然か。いつものように長く感じた。Chopinの25-10はメカニックはまあまあだが、私の感覚からすると中間部はちょっとテンポを落とし過ぎ。最後のFranckは、たまに耳障りな音を出すことはあるけど、曲の雰囲気は掴んでおり、これまでの演奏からするとちょっと見直した。次も聴きたいかといわれると微妙だが。

エチュードはChopin, Lisztとも丁寧にうまくまとめている。(Lisztは小さなミスはあったが。)ただChopin幻想曲は(どこがどうとは言えないが)なぜか胸に響かない。もしかしたら彼女とは相性が悪いのかもしれない。最後のShostakovichは丁寧という印象。

1次は優しい曲を並べていたため、やっと実力がわかるプログラムとなった。Chopinバラ2は出だしから音で魅了。王道をいくような正統派の演奏といった感じ。続く2曲のエチュードもケチをつけるところはほとんど見当たらない。最後のRachmaninovも、終楽章の出だしのところはもう少しスピード感を出してほしい気はしたが、非常に良い。全体として音の美しさ、テクニック(メカニック)、音楽センス(歌心)と三拍子揃ったピアニストで、順当に行けばやはり彼が今回の優勝候補なのだろうという気がした。というかもし彼が18歳以下で、他にめぼしいコンクール歴がなく、審査委員長中村紘子だったら優勝は固いというところだ(笑)。

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