ムダな色

梅雨去りの色を匂わす花の影  ぞうりむし
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暗闇の真ん中に、茎も葉もなく突然浮かび上がる、ガクアジサイの白い花。
そして、暗闇の黒とガクアジサイの白を取り持つ、青のつぼみ。
つぼみの青色があるおかげで、黒と白のギスギスしたコントラストにまとまりが生まれる。
この写真に登場する色は、上記の黒白青と、若干の緑の4色のみ。しかも、大半は黒が占めている。
色の数が少ないと、一目見たときのインパクトを与えやすくなる。
見た目のインパクトをテーマとするならば、無駄な色を取り除くと上手くいきやすい。
今回はガクアジサイを被写体としたが、白い蝶でも面白い写真になると思う。

私は、写真撮影に限らず、日常生活を送る中で色を意識することが多い。
景色を見るときも、服や日用品を買うときも、お気に入りの芸術作品を探すときも。
人間は、視覚からの情報に最も依存しているという。
視覚情報の中でも色は、見る者にインパクトを与え、見る者の感情を豊かにすることができる。
リラックスさせてくれる青・緑や、士気を高めてくれる赤。
しかし、色がなければ生きられないかというと、そうではないだろう。
生活が不便になったり、身の回りに危険が増えたりするくらい。
色は、人間生活の飾りなのだ。


アジサイについて
アジサイには2種類の花がついているそうな。
“がく”の小さな花(写真中の青色の花)と、“がく”の大きな花(同じく白色の方)。
どちらも開花はするが、実を結ぶのはがくの小さな花のみ。
我々が鑑賞するのは、いわば飾りの花なのだ。

そんなアジサイが梅雨の時期に咲き誇る寺が、愛知県幸田町にある。
名は本光寺
梅・椿・桜・紫陽花・紅葉が境内に咲き誇り、四季折々の姿を楽しませてくれる。
数回前のエントリーにある梅の写真も、同じく本光寺で撮ったものだ。
本光寺紹介ページ:http://www.town.kota.lg.jp/index.cfm/21,2549,87,40,html

すきっぱら