Hatena::ブログ(Diary)

日和見日記

2017-03-05 ジャポニスムの画家、カール・ラーション

『カール・ラーション スウェーデンの暮らしと愛の情景』東京美術発行

スウェーデンの画家カール・ラーション画集

当時のスウェーデンの日常生活が描かれてる。見ていたらケイトグリーナウェイを思い出した。スウェーデン生まれ、フランス印象派画家に影響を与え、ジャポニスムでもあったラーションと、イギリス生まれ、ラファエル前派の流れを汲んだビクトリア朝絵画時代グリーナウェイ。どちらも19世紀中頃生まれ、絵本挿絵を多数描いているという共通点はあるが、絵の特徴としてそれほど共通点があるわけではない。ただ、ジャポニスムであったラーションは、「輪郭線と簡素な色面」で描いた絵も多く(『わたしの家』シリーズなど)、それがグリーナウェイを思い出させたのかも知れない。どちらも女の子可愛い


このラーションの傑作とされる《冬至の生贄》が数年間日本にあったらしい。個人が所蔵していたが、スウェーデンが買い戻した。現在はスウェーデン国立美術館に収蔵されている。

f:id:pig-pearl:20170305133226j:image

↑《冬至の生贄》640 cm × 1,360 cmという大きな絵。

国立美術館の中央階段ホールに展示するため制作された絵画だが、美術館から受け入れを拒否され、その後様々な経緯があったが、オークション日本人落札した。数年後、スウェーデンでラーションの大回顧展が開催された際に出品、そこで再評価が行われてスウェーデンが買い戻したということらしい。

スウェーデン側からすると、ラーションが描いたときに、あるいは遺族が美術館に買い取りを希望したときに、あるいはオークションに出されたときに、買っておけば日本人に大金を払わずにすんだのに・・・。いろいろな事情でそれができなかったから仕方の無いことだけれど。


日本側から見れば、国立西洋美術館で、あるいは他の大きな美術館で買い取ってくれたら良かったのにな〜、でも、高くて買えなかったの? とか、大きな絵だから展示スペースを考えてかな?とか、いろいろ考えた。

価値がわからなかったのか、受け入れる美術館がなかっただけなのか(館の収集方針、スペース、予算等の理由で)、所有者が日本の美術館には売る気が無かったのか…わからん


「日本は芸術家としての私の故郷である

この地球上で、本物の芸術家といえるのは、

ただ日本人だけである

私たちヨーロッパ人にとって、

芸術はどこか作為的で、窮屈な、

紳士気取りのものだが、日本人の間では

芸術感性感覚は彼らの日常的な行動の

全てに及び、些細なものにさえ添えられる風雅なものなのだ。(中略)

日本人芸術、それは私たちには

一風変わった奇怪なものに見えるが、

未来へと永続する、はるか偉大な、

欠くことのできないものを持っている」(カール・ラーションわたし家族12頁より)

[荒屋鋪透『カール・ラーション スウェーデンの暮らしと愛の情景』98頁より引用]


絵が本来あるべきトコロに収まってラーションは嬉しかっただろうと考えられる。が、日本びいきであったラーションの傑作を日本の美術館が所蔵していたら、それはそれで嬉しかったのではないかとも考えられる。


著者の荒屋鋪透さん、どこかで聞いたお名前だと思っていたら、以前(2年生の時だったか?)履修した美術の歴史と鑑賞という科目で参考図書に使った本の著者だった。

課題1で私はジャン=フランソワ・ミレー浅井忠の絵を比較したんだった。

    
ページビュー
146508