かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

静岡

  • 静岡に日帰りで行ってきた。お目当ては、静岡県立美術館で開催中の「美しき庭園画の世界」展。今回は時間をとって、ロダン館やプロムナードの野外彫刻もじっくり観てこよう。もう一つは、今は静岡護国神社の境内にある新海竹太郎制作の《工学士 市川紀元二像》を観ることなど、相変わらずの彫刻放浪である。
  • 最寄り始発で、東京駅まで。ここでJRハイウェイバスに乗車する。今回は往復ハイウェイバスである。バスで静岡に行くのは、かなり久しぶりのことで、だいぶバス便の様子が変わっていた。行きは東京駅6:20発に乗車した。指定席であるが、よほどのことがない限り、当日でも乗車できそうだ(Webで前売りを買っておくと、いくぶん安くはなる)。急行静岡行きというものの、東名高速道路の各バス停に停まる便だった。車中では、雲一つかかっていない富士山をしばらくの間、堪能することができた。途中、1ヶ所、PAでトイレ休憩をとった後、9:45頃、静岡駅北口に到着。9:33到着予定なので、10分ほど遅れた。
  • まず、南口にあるルノワールの2像を観覧する。北口には、何せ静岡なので、《徳川家康公像》と《竹千代君像》があるのだが、まあ、こちらは適当に。ところで、静岡、鳩が多く、糞害が凄かった。駅周辺だと、竹千代像の周囲がひどく、像も爆撃にさらされ、たいへんなことになっていた(一番激しい爆撃にさらされていたのは、青葉通りのライオンズクラブのライオン像だった)。


ピエール=オーギュスト・ルノワール+リシャール・ギノ《勝利のヴィーナス》(1913〜1915原型制作/1990年鋳造) 晩年のルノワール(1841〜1919)は、絵画だけではなく、彫刻の制作に本格的に取り組み始めた。リウマチ性関節炎に苦しんでいたルノワールは若手彫刻家のリシャール・ギノ(1890〜1973)との共同制作により、15作ほどの彫刻作品を残した。


ピエール=オーギュスト・ルノワール+リシャール・ギノ《勝利のヴィーナス》(1917原型制作/1989年鋳造)

  • 新静岡駅まで移動。駅前のコンビニで、コーヒーを仕入れ、静鉄に乗車。県立美術館前まで。180円。駅から美術館まで少し距離があるのだが、今日は駅から歩くことにした。天気も晴天の素晴らしい天気。
  • まず、屋外彫刻プロムナードを観覧。ここは、海外作家も交え、具象、抽象を適宜織り交ぜて、バランスよく配置してある。具象では、舟越保武佐藤忠良、柳原義達、抽象では、山口牧生、清水九兵衛といったところ。ちなみに、静岡県立美術館は、1986年開館。柳原作品は、例によって《道標・鳩》。鳩にしろ、鴉にしろ、人気作ということか、だいたいどこに行っても、柳原の野外彫刻は鳩か鴉。もちろん、個体はそれぞれ違うわけだが、でも、人物具象も設置してくれよと。


彫刻プロムナードからは、この1作。舟越保武《杏》(1984


>参考:静岡県立美術館 屋外彫刻プロムナード

  • さて、館内へ。1Fの展示コーナーも彫刻作品が出ていた。2Fに上がり、まずはお目当ての企画展から観覧。続いて、コレクション展、ロダン館と観覧する。
  • ミュージアムショップで、旧図録の500円セールが続いていて、今回は2012年開催の「維新の洋画家 川村清雄」展の図録を買った。ハードカバーでたいへん重い笑
  • 県立美術館駅までぶらぶらと歩き、静鉄柚木駅まで。130円。さすが県立美術館駅、ホームにロダンのスケールダウンした複製が設置してあった。上りホームに《接吻》、下りホームに《考える人》。
  • 柚木駅から歩いて、静岡県護国神社へ。市川紀元二像はすぐにわかった。つつじ会館別館前に設置されている。周囲には、他にも顕彰系の銅像や石碑などが建っている。この後、神社を参拝。本殿の後背にある森が、文字通り森厳としている。また、周囲に、さまざまな石碑、記念碑の銅像などが建立されており、一つ一つ見ていくと、この国の戦争の歴史をたどっていくような気分になる。




新海竹太郎《工学士 市川紀元二像》(1908)

静岡県護国神社拝殿

  • 静鉄で柚木から新静岡まで。120円。バスまでまだ時間があるので、ちょっと野外彫刻、銅像を探ることにする(ただし、観光系はパス)。呉服町周辺、青葉通り周辺、常磐公園といったあたり。呉服町では、木下直之『せいきの大問題 新股間若衆』の「股間風土記」静岡の項に掲載の像を発見(別に『股間若衆』『せいきの大問題』の聖地巡礼をしているわけではないが…いや、少しは掲載作を目当てにでかけているか…)。


作者不詳・タイトル不詳 呉服町通りには、さまざまな意匠をほどこした、石とスチールのベンチが置かれており、これもその中の一つ。「股間風土記」では「陽物くらべ」で項目が立てられていた。

呉服町通りの北側入口付近にはこんな像もあった。

常磐公園にて、細谷泰茲《公園の午後》(1983)。

  • 早めに、適当な夕食を適当に食らい、静岡駅17:00発のバスに乗車。帰りは、渋谷・新宿行き。こちらは、静岡県内数カ所で乗客を拾った後、目的地近くまで止まらずに行く。車内は微妙に混んでいて、ほとんどの席は隣席が空いていたのだが、中に数席だけ2人がけになったところがあった。残念ながら、その隣席に当たってしまった。まあ、仕方ない。19:55渋谷マークシティ到着予定のところ、10分ちょい遅れて到着。東京メトロ経由で21:30頃、無事に帰宅。車中で、井波律子訳『水滸伝(三)』を読み終わる。