映画『ロクスベリー・ナイト・フィーバー』
(監督:ジョン・フォーテンベリー 製作:エイミー・ヘッカリング)
★★★
13日のイベントでも紹介した、見過ごされがちな重要作をこちらでも取り上げる。『Elf』の特大ヒットによって今やドル箱コメディ役者となったウィル・フェレルのサタデー・ナイト・ライブ卒業前の唯一の主演映画で、製作はなんとエイミー・ヘッカリング(!)。共演にクリス・カッテンという、今じゃとても考えられないような豪華な布陣。全米公開は1998年。
まあ、前半はいかにもSNL系な、その場限りのギャグが連発されるバカ・コメディなんだが、後半はエイミー・ヘッカリング本人がメガホンを握ったんじゃないの?と疑いたくなるウェルメイドな家族ドラマとして帰結するのには驚かされる。前半でテキトーに放り出した(かのように思えた)伏線がきちんと回収されるのには参った。
音楽も、前半はエイス・オブ・ベイスやラ・ブーシュといったバカ・ダンス・ポップで笑わせておいて、後半ではR.E.M.の「Everbody Hurts」やブルース・スプリングスティーンの「Secret Garden」といった登場人物の心情を反映した真っ当な選曲で泣かせてくれる。ホリーズの「He Ain't Heavy...He's My Brother」が(ウィル・フェレルも出演していた)『ズーランダー』*1とほぼ同じ使われ方をしている事にも注目。
アダム・サンドラーの『ウェディング・シンガー』*2もこの年の公開だし、ハリウッド・コメディの新時代はこのあたりから始まっていた!と断言したくなるような佳作である。「スティフラーのママ」ことジェニファー・クーリッジや、エイミー・ヘッカリング組のメレディス・スコット・リン(『恋は負けない』*3の獣医さんですね)等も出演。82分。