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4月1日に少しだけ紹介したピンク・スパイダーズの1stフル・アルバム(2005年発表)。
本作を聴いて確信に至ったのだが、やはり彼等はロックンロール・リバイバルを踏まえた、00年代パワー・ポップのスタンダードたるべき音楽を奏でていると思う。それはつまり、リヴァース・クオモから「泣き虫」の要素だけを差し引いたかのようなマット・フリクションのソングライティングと、綺麗綺麗では終わらないバンドのワイルドな魅力(マット・フリクションの熱い喉!)、そして全11曲で29分という簡潔性が見事に噛み合い、キャッチーかつ機能的なギター・ロックを作り出しているということだ。
80年代趣味が窺えるところもポイント高し。なんせオープニング曲「Stereo Speakers」の歌い出しからして「They say love is like a battlefield」だからなあ。パット・ベネターの「Love Is A Battlefield」を意識していないとは言わせないぞ。というわけで、パット・ベネター繋がりでウィータスが好きな人はぜひ聴いてみるといいと思うよ。
今年の7月にはリック・オケイセクをプロデューサーに迎えたメジャー・デビュー・アルバム『Teenage Graffiti』の発売が予定されているので、引き続き彼等には要注目。本作の唯一の問題点である激悪な音質が改善された傑作に仕上がっていることを祈るぞ。