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『ロッキー・ザ・ファイナル』の主題歌アーティストにも起用され、今やその名を完全に世界的なものとしたスリー・6・マフィア。そんなスリー・6・マフィアの大ブレイクのきっかけとなった大名曲「Stay Fly」(『Most Known Unknown』収録)に客演していたのが8ボール&MJGなのだから、彼等のアルバムも当然のように良い。
彼等自身も前作『Living Legends』でP.ディディ率いるバッド・ボーイズ・レコーズに移籍し、全米規模でのブレイクを果たしているわけだが、今作は前作以上にメジャー感溢れるキャッチーなアルバムに仕上がっている。中でもスリー・6・マフィアが客演した「Cruzin'」や、アル・カポーンが客演した「Memphis」などは完全に『ハッスル&フロウ』な世界なので、普段はヒップホップに縁のない人でも親しみ易いはずだ。
その他にもノートリアスB.I.G.の「Dead Wrong」をフックとして使用した楽曲(「Relax And Take Notes」)があったりするなど、南部ラップ・ファン以外にもアピールする楽曲をしっかりと揃えているところはさすがメジャー作品というべきか。主役のラップも存在感抜群。南部ラップの重鎮としての意地と底力を見せつけた力作だ。全19曲74分。それにしても相変わらず面白いルックスしてるよなあ。