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これはファントム・プラネット『The Guest』の正統な後継作品だ!
ルーニーは2003年に発表した1stアルバム『Rooney』もなかなかの佳作だったが、本作はそれを遥かに超える大傑作。ココナット・レコーズの『Nighttiming』も傑作だったし、後から振り返ってみると2007年はシュワルツマン兄弟の年だったということになりそうだ。
ジャケットは何故かドアーズ『ハートに火をつけて』風で、ブックレットのアイドル・チックな写真の数々はラトルズ主演の傑作ロック映画『Ouch!』を彷彿。そんなB級っぽい人懐っこさこそが彼等の大きな魅力となっており、それは音楽にもきちんと表れている。どの曲も「〜風」なポップ・ソングでありながら、ポップ・マニア系バンドにありがちな研究生っぽい内を向いた感覚が微細も感じられず、非常に開放的なのだな。パワー・ポップ版「Shout To The Top」な「Love Me Or Leave Me」(名曲!)が決して嫌味に聴こえないのはそれ故だ。
それにしてもロバート・シュワルツマンの声はどんどんアッシュのティム・ウィーラーに似ていくなあ。「Paralyzed」みたいなハード・ロック入ったアップテンポなギター・ロック・ナンバーだとほとんど聞き分けがつかないぐらいだもん。というわけで、アッシュのファンも食わず嫌いせずにぜひ聴いてみるべきだと思ったことだった。
あと、アンディ・スターマーの参加は個人的にはどーでもいいけれど、(ジョージ・ハリスンの息子である)ダーニ・ハリスンが参加しているのは嬉しかったな。なるほど、かつてダーニがズーイー・デシャネルと付き合っていたなんて噂が囁かれているのは、こういう繋がりがあったからなのか(ダーニ・ハリスン→ロバート・シュワルツマン→ジェイソン・シュワルツマン→ズーイー・デシャネル)。そういえば本作収録の「What For」はイントロが露骨にジョージ・ハリスン風だもんで、思わず笑ってしまったよ。素晴らしい。全12曲43分。必聴。
Rooney - When Did Your Heart Go Missing?