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映画『この自由な世界で』(監督:ケン・ローチ)観賞。★★★★。
原題は『It's a Free World...』だから、日本語にすると『自由な世界(のはずなのに…)』って感じか。グローバリゼーションが生んだ社会問題を描いているという意味では、実は『闇の子供たち』などと同種の映画なんだが、阪本順治が映画業界にどっぷりな人間ならではの悪癖を出していたのに比べると、全キャリアを通じて市井の人々の暮らしを見つめてきたケン・ローチのアプローチはやはりスマートだ。分かりやすい「結論」や「結末」を用意せずに、観客に解釈を委ねているところがケン・ローチの誠実さであり、この問題の根深さでもあるといえよう。ちなみに、主人公とその子供がテレビで観ているのはニール・マーシャルの『ドッグ・ソルジャー』(傑作)ですね。
Kirsty Maccoll - Free World
ケンローチは映画界のビリー・ブラッグだ!と思っている。というわけでビリーの盟友である故カースティ・マッコールの曲をどうぞ。これほどまでに『この自由な世界で』のテーマ・ソングに相応しい歌もないんじゃないかな。ジョニー・マーのギターが効いてるねえ。