なぜ音楽の売上は下がっているのか

pikarrr2013-03-06


「違法ダウンロード刑罰化」も音楽配信売上回復せず・・・ピークの2009年から6割減
http://bizmash.jp/articles/41101.html


Winny」「Share」などP2P技術を利用したファイル共有ソフトの利用者は2013年3月時点で前年から3―4割減少した。コンピュータソフトウェア著作権協会ACCS)が調査結果をまとめた。違法ダウンロード刑事罰化を含む改正著作権法の施行後大きく減少している。しかし日本レコード協会RIAJ)が集計したインターネット音楽配信の売上高は
減少を続けている。

RIAJがまとめた2012年のネット音楽配信売上高は542億9800万円で、前年比25%減となり、ピークの2009年から6割減。市場縮小の要因としては違法ダウンロードが挙がっている。これは「アップローダー」などファイル共有ソフト以外の手段が普及しているためか、別の要因があるのか、今後の推移が注目される。



音楽を刷り込む暇がない


ネット音楽配信の売上高は減少を続けているという。音楽の聞き方が変わったんだろう。以前は、シングル、アルパムというパッケージの単位が決まってそこに金が払われた。好きな曲以外も抱き合わせて買わないといけない。でもいまは楽曲ごとにダウンロードできる。そして好きな曲をiPodなどポータルプレイヤーにどんどんぶちこんで全シャッフルで聞ける。

あとは、ベストアルバム流行りはなんだろう。新しい曲を楽しむには刷り込みが必要だ。何度も繰り返し聞く。だからテレビのCM起用とかされると売れるわけだ。その刷り込む作業が敬遠されている。みんな新しい曲よりも慣れ親しんだ曲を聞きたがっている。すでに刷り込まれた曲を楽しみたがっている。刷り込むほど音楽に時間をとれなくなっている。アルバムの知らない曲を刷り込む暇はない。

そもそもネットコミュニケーションが流行って、それに比べて音楽を聞くことは受動的で退屈であまり時間がさかれなくなった。その意味でAKBの握手券、投票券付きは必然なのかもしれない。AKBの握手券のポイントは参加型、インタラクティブ性だ。




ビートルズが作ったアルバム中心主義


アルバムという価値が生まれたのはビートルズからだ。それ以前アルバムはシングルの寄せ集めのベスト盤だった。ビートルズが各地でのあまりの熱狂でツアーに出るのが難しくなり、活動を作品作り中心にシフトした中期当たりからアルバムをひとつの作品として作ることがはじまった。その後、音楽アーティストはシングルよりアルバムの作品性を重視した。

50年前にビートルズが作り出したアルバム収入を基本とした音楽システムは崩壊しつつある。よいアルバムさえ作ればよいというアーティストは淘汰されていく。プリンスは自らのサイトからの楽曲配信など模索してきたが、最近アルバムを新聞につけてただ配った。収入の大半はツアーによる。アルバムはツアーに来てもらうための呼び水だ。昨年の音楽収入2位のマドンナもほとんどがツアー収入だったという。




体感的な音楽の聞き方


ダウンロードで曲ごとにチョイスすると金銭的にも効率的である。気に入った曲をチョイスするとシングルやアルバム、さらにはアーティストさえも意味をなさなくなる。それで失われるものがある。アーティストであり、アルバムの物語だ。いやがおうでもアルバム単位で購入するならばそこにアルバム、アーティストの物語が含まれる。ダウンロードでは物語から切り離されただ快感だけで曲が選ばれる。そしてすべての曲をシャッフルして流す。

ボクの場合もそんな感じになっている。ダウンロードは音質が悪いのでCDを買うが、ネットでアルバムを視聴して、アーティストも知らずにただノリがよいダンス、ファンク系をアルバムを数枚買う。そしてウォークマンにぶちこんであとはひたすらシャフルリピートで流し続ける。体感的な音楽の聞き方だ。

たとえば最近聞いているのは以下だけどアルバム、アーティストの物語を全く知らない。ネットで視聴して気持ちよかったので買った。それを繰り返し繰り返し聞いてる・・・




グローバル・クーリング

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ビューティフル・サーチング

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パーフェクト・タイムズ

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