Hatena::ブログ(Diary)

牧村しのぶのブログ @Facebook未使用 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2008-09-10

イラク・レジスタンス・レポート(10日付日本語版転載)


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

□□■ □□□□□□■ □□□□□□■ □□□□□□■ □□□□□□■ □□□

イラクレジスタンスレポート Iraqi Resistance Report 日本語

  編集&発行 山本史郎

  webサイト

  http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/Iraqi_resistance.html

□□□□ ■□□□□□□ ■□□□□□□ ■□□□□□□ ■□□□□□□ ■□

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

2008/09/10(水)

☆新刊案内: イラク派遣米兵が脱走を決意するまでの手記

☆関連するネット情報あれこれ

  ・米軍の自殺率が最高を更新

  ・カナダで戦争に抵抗する元兵士たち

  ・米軍脱走兵カナダ新生活を求めイラク派遣を忌避


--------------------------------------------------------------------

新刊『イラク 米軍脱走兵真実告発

(原題:THE DESERTER’S TALE)

  ジョシュア・キー著/ローレンス・ヒル構成

  井手真也・訳/合同出版/¥1,680 (税込)

--------------------------------------------------------------------

※※※ 新刊案内 ※※※

 イラク戦争に派遣された1人の米軍兵士が、一時帰国を認められたあと、イラ

クの戦場に帰らないことを決意した。脱走である。しかし彼にとっては、それは

不正義への加担を拒否するために、彼がなしえた唯一の選択だった。この本は、

イラク派遣中から深刻なトラウマとなっているPTSDとたたかいながら、彼ジ

ョシュア・キー元米陸軍上等兵がまとめた手記である。

 本書の著者であるジョシュア・キーがイラク派遣されたのは、イラク戦争開

戦から3週間後の2003年4月。そして同年11月に一時帰国し、12月に一

旦はイラクに帰るべくダラス空港合衆国陸軍カウンターチェックインしよう

とするが、予定されていたフライトがたまたま延期になった時、彼は軍からの脱

走を決心する。ジョシュアの妻ブランディは、子どもたちまで逃亡生活に引き込

む夫の選択を受け入れ、国境を越えてカナダに難民申請するまでの数ヶ月、逮捕

を恐れながら逃亡生活を支えている。

 「自分は子どもたちの人生をめちゃくちゃにしていると感じた。それでもブラ

ンディはぼくを見捨てなかった。ぼくを疑ったことも、軍から逃亡することにつ

いてぼくの気持ちを問いただしたことも、詳しい説明を求めたこともなかった。

イラクのことについて、ぼくは罪のない人々が次々と死んでいる、これ以上市民

犠牲にする行為に加担したくないとだけ言った。ブランディにはそれで十分だ

った。ぼくの手を取って、話を聞いていた。『軍が間違ったことをしているなら、

あなたは戻らなくていいわ』」(第8章 脱走兵への道)

 妻は「たった7ヶ月前に出発したときと、すっかり変わってしまった」夫の様

子から、2週間の休暇の間に「軍が間違ったことをしている」ことを察し、夫が

そこから抜け出そうとするなら、1も2もなくそれを助けることが正しいと確信

したようだ。

 そう感じさせた夫の様子とは、イラクでの体験が原因でPTSDに苦悩する姿

であり、時折り彼が口にするイラクでの罪悪感である。7ヶ月前にジョシュア

イラクに出発するとき、ジョシュア本人も妻のブランディも、イラクではテロ

ストと戦うのだとして米軍の正義を疑ったことはなかった。それがわずか7ヶ月

で、あるいは7ヶ月後の夫と2週間をすごしただけで変わってしまうほど、イラ

ク占領の実態と米軍の犯罪行為は深刻の度をきわめていた。そのことを本書はリ

アルに伝えてくれる。

 「ファルージャへ来て最初の週のある日、3分隊約20名の小隊全員は、ある

検問所にいた。・・・(略)突然、地面が揺れ始めた。ぼくはひざを突いたが、

揺れがわれわれの小隊の銃撃によるものであることはすぐ判った。・・・その車

検問所に近づきすぎていたことにぼくは気がついた。10フィート(約3メー

トル)ほど停止線を行きすぎていた。・・・車の中で、男がひとり死んでいた。

首がひも状の肉数編でかろうじて体とつながっていた。・・・車のチェックをし、

死んだ男をぱたぱたと叩いてボディチェックをした。車の中には武器はなかった。

まったく異常なものはなかった。われわれによって流された血以外は何も。」

 「ぼくは、このような暴虐を市民に対して振るうのは間違っていると考えた。

それでもまだ、イラクにわれわれアメリカ軍がいるのは正しいと思っていた。テ

ロを根絶するためにわれわれはここにいるのだと信じていた。」(第3章 はじ

めての戦場)

 「切断された頭部をけっていたやつらと同様のことをメーソンがしようとした

と知って、吐き気がした。4人のイラク人の殺害、切断された頭部でアメリカ

が楽しんでいたゲーム現場へ到着したときの上官たちの沈黙、メーソンが同じ

ような行為をしようとしたこと。すべてが一体となって、ぼくがかろうじて保っ

ていた国家に対する信頼の糸を断ち切り、戦場で持つべき信念を打ち砕いた。」

(第4章 狂気のサッカーゲーム


 「イラク滞在期間中、ぼくは約200件の家宅捜索に加わった。でも、アル・

ハッバニーヤに来た頃には、とっくに家宅捜索に正当な理由があるとは思えなく

なっていた。武器テロリストの証拠も一度も見つからなかった。市民の家の玄

関のドアを吹き飛ばし、目に入るものはすべてぶち壊し、男たちを殴り、手錠を

かけ、どこかに送り出す。家宅捜索のたびに、われわれがイラクの人に与えた恐

怖は、何をもってしても正当化できなかった。・・・暗い考えがガンのようにぼ

くの心の奥深く住みついた。それは大きくなり、化膿し、過ぎた日々のいちいち

について、さらにぼくを苦しめた。われわれアメリカ人イラクテロリストに

なってしまったのだ、と。」(第6章 テロリストは誰か)

 ジョシュアイラク派遣されたのは、バグダッドが陥落した2003年4月

からの6ヶ月半ということである。それはアメリカイラク占領にとって、いわ

ば、もっとも「平穏」な時期であったはずだが、その期間中でさえも、米軍兵士

たちがイラク人に対して好き勝手に振る舞う横暴は、アメリカという国家への信

頼を当の兵士たちから失わせるのに十分であった。イラク人の有言無言の抗議や

敵意に満ちたまなざしに囲まれ、自責の念と、見たこともない「敵」から襲われ

る恐怖感が脳裏から離れないジョシュアは、既に休暇で帰国する前から、「きっ

かけ」さえあれば、いつ脱走(不正義からの離脱)を決行しても不思議でなくな

っていたのだろう。

 それが一部の「悪い」兵士による犯罪でないことは、ジョシュアの体験する軍

隊生活や同僚兵の言動、あるいは上官の対応に示される軍のシステム(命令系統

のありよう)からも明らかである。ジョシュア自身の生い立ちから陸軍の募集に

応じた頃の意識状況が飾ることなく淡々とまとめられていることも、彼が特殊な

若者ではないことを教えている。


イラク 米軍脱走兵真実告発

(原題:THE DESERTER’S TALE)

ジョシュア・キー著

ローレンス・ヒル構成

井手真也・訳

合同出版、2008年9月

価格: ¥1,680 (税込)




--------------------------------------------------------------------

☆★上の新刊紹介に関連するネット情報

--------------------------------------------------------------------

1)

米軍の自殺率が最高を更新

US army suicide rate to hit new high

http://www.middle-east-online.com/english/iraq/?id=27720

 米軍当局者は、今年に入ってから自殺した兵士の数は93人に達し、1年単位

では過去最高となった昨年の115人に近づいていると発表した。米陸軍のステ

ファン大佐は、「まだ4ヶ月を残して、おそらく115人を上まわりそうな気配

だ」と述べた。 ・・・軍当局は、兵士が自殺する引き金となっているのは、夫

婦間や友人間などの人間関係あるいは法律上の問題だが、自殺率が高いというこ

とは、それだけ軍が強いストレスを受けていることを示していると認めた。自殺

の多くはイラク派遣された兵士、あるいはイラクから帰還した兵士である。

93人の自殺者のうち、イラク派遣を経験してない者は29人だった。



2)

The War Resisters Support Campaign

戦争抵抗者支援キャンペーンカナダ

http://www.resisters.ca/index_en.html

 イラク戦争への参加を忌避しているアメリカ兵たちを保護・援助している。


3)

WAR RESISTERS IN CANADA

カナダで戦争に抵抗する元兵士たち

http://www.resisters.ca/resisters_stories.html

 ジョシュア一家の記事&写真もある。


4)

Joshua Key ジョシュア・キー 

http://www.joshkey.com/

 ジョシュア・キーの略歴など。


5)

US Army Deserter Fled Iraq for New Life in Canada

米軍脱走兵カナダ新生活を求めイラク派遣を忌避

http://thetyee.ca/News/2005/08/02/IraqDeserter/

(2005年8月2日付で報道されたジョシュア・キーとブランディ一家の記事)

 ジョシュア・キーは米軍の無秩序な残忍さにますます嫌気を強めた。彼は法的

保護された避難先と生活の拠点(我が家)を捜している。 




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

イラク情勢ニュース(URUK NEWS

  http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/index.html 

  メール宛先 uruknewsjapan@ybb.ne.jp  

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――