Gangrene (The Alchemist + Oh No) - Gutter Water


オレも心の整理がついたら2010年のベストリストを発表しよう!。その前に今夜は2010年のマイベスト、すなわちモストフェイヴァリットアルバムの方を発表します(確信を随分あっさりと)。The AlchemistとOh NoでGangrene。ウワサのコラボのアルバムが遂に出たのだ!。当初のアナウンス通り2人がそれぞれトラックを製作しそれらが交互に収録されるというつくり。メインストリームのラッパーたちに引っ張りだこだけど音自体はストイックにアンダーグラウンドなAlchemistと、Stones Throwとその界隈で10余年、しっかりアンダーグラウンドだけどメジャーなものに引けをとらない華があるOh Noの作風って合わせ鏡の如し。で、2人がほぼ全曲で揃ってラップを披露しているワケだが、「ラップが弱いじゃん」とかいう奴がどうせいるんだろ?。 見当違い!。そもそもAlcもOh Noも「天才的ラッパー」じゃなくて「ラップも出来る天才プロデューサー」なのは聴く前から分かってるって!。一応どの曲も「インストルメンタル」として聴いてもOKなサウンドコラージュ的面白さがあったり、それぞれ人脈を生かしたゲスト陣は名うてのラッパーばかりだったりとその辺を補うアイデアもある。でもそれ以前にオレOh NoのチンピララップもAlcのボソボソラップも大好きだ。確かに完璧なアルバムじゃないかもしれないが、ヒップホップを聴いてる者が求めるもののいくつかは完璧なくらい提示されてると思います。


物騒な雰囲気とコミカルなノリの組み合わせが面白い。



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●Gangrene (The Alchemist + Oh No) - Sawblade EP (2010)

アルバム先行の限定盤EPは丸ノコ形ヴァイニルという体裁から収録曲まですべてSickでIll!。4曲とそのインスト収録で、アルバムには全曲未収録。・・・それでもアルバムは年間ベストなので本作の存在がどれだけ嬉しいか、と。あと今年はヒップホップに限らずEPに良盤が多い年だった。

曲、ビデオ、共に乾いた荒い質感が最高。年間ベストビデオも固い。しかもグロい。



●Oh No - The Disrupt (2004)

Alchemistは昨年のソロアルバムで以前取り上げたので、今日はOh Noの番だ!。ブログはじめたら絶対取り上げたいと思ってたのは1st。近年は兄者でいうとこの「Beat Kondacta」っぽいインストアルバム中心のリリースだが、こちらは全曲Oh Noのラップもしっかり聴ける間違いなく「ソロアルバム」よ。ラフさアグレッシヴさバウンス感に加え、兄者とはまた違うドープさ。カッコいい。



●Kazi - The Plague feat. Oh No (2004)

もういっちょ!。カリフォルニア、オックスナードの同郷ラッパーKaziの1stはOh Noほぼ全曲製作。隠れた名作と言っていいが、B級感もたっぷりってことも一言加えとこうか。このころのこの辺のアルバム、Wildchild、MEDとか全部名作なんだな。キーパーソンはアンダーグラウンドヒップホップ界のJacksonブラザーズ!ってな。


・・・Oh Noって名前、やっぱ本名がMichael Jacksonだからなんだろうね。去年はどんな気分だったんだろう。