The Alchemist - Russian Roulette


Gangreneの2ndアルバムにOh Noのソロと続いてThe Alchemistもソロアルバムを出してきて、今年はギャングリーン・ギャング(ぼくが考えた「Gangrene好き」くらいの意味)にとっては実り多きいい年じゃないか!。しかもこの「Russian Roulette」がまた実に興味深くスバラしい内容でね。その前に過去2作出ているALCさんのソロアルバムはどちらも基本豪華ゲストラッパーをフィーチャーしたThe Alchemistビーツによるラップトラックを収録したもので、それ以外にアンオフィシャルな(?)インスト集やミックステープ的アルバムも出ているんだが、今回の「Russian Roulette」はそれらを合わせたようなアルバムっちゅうとこかなというのが概要。ビートよりもサンプリングネタを強調したトラックが全30曲収録で1曲の長さは大体1分前後くらい、ってな構成と聞けば「Donuts」っぽいイメージ?。だが曲作りはもっと「トラックメイキング」と言うより「DJミックス」的感覚で行われてるような。サンプリングネタはここ最近主にGangreneで聴けた、サイケデリックロックやイージーリスニングなど怪しげでトリップ感溢れる雰囲気で統一されていて、しかもアルバムはノンストップなミックス仕様。おまけにラスト8曲は「The Kosmos」という曲のパート1〜8という組曲扱い。インストトラックだけでなくラッパーも数多くフィーチャーされていて、それらも「ゲストスポット」と言うよりは表れては消える、みたいな演出で。「Russian Roulette」ということでロシア音楽のサンプルが所々で出てくるのもイルなポイント。それも含めて全編に溢れるヴィンテージ感溢れる音の体裁は、ヒップホップファンだけじゃなくてサイケデリックな音好きならいい感じで聴けると思うよ。1曲、1曲ってよりはアルバム全体像で世界を構築するようなヒップホップ/ラップ・アルバムで、言うなればプログレホップ?。Play a game of Russian Roulette and have a blast, Aiyyo!
The Alchemist - The Kosmos (Full: Parts 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7 and 8)

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