茶道規範66 要録 扇子
扇子の使い方は
扇子ハ禮義ノ一具トテ必ズ持ツ
座中ニハサヽズメ持ベシ
最モ不可遣
現代とまったく変わらない。
だが、扇子自体が、現代の茶扇子とは大幅に違うものであった。
扇子ニ形アリ
長サ一尺七分ニメ
まず、大きさが32センチもある。
現代の男性用茶扇子が18センチ…6寸なのと比べると、巨大である。
地紙ノ色淺黄ト柿色トノ大小ノ筋揉砂子也是ヲ表トス
裏ハ惣金ニメ白萩白薄ヲ盡ス
浅黄と柿の色合いはこんな感じだろうか?
砂子の質感は再現できなかったが。
裏は金箔で白萩白薄づくし。
利休百首が書いてないのは当然として、白扇子ではまったく無い。
とにかくハデハデである。桃山の遺風か?
利休ハ俵屋正咤*1ニ令書トナリ
居士ヵ所持ノ扇子四方庵ニ有テ見之
(略)
俵屋は不詳。俵屋宗達だとするといくらなんでも時代が合わないのだが、現物持っ
ている宗偏がそう言ってるんだから、俵屋某の絵の扇子はあったんだろう。
今でも伝来しているのだろうか?
*1:咤からウ冠を除いたもの