[その他]マスク

4月の中旬あたりから、マスクをしていない人間に人権はなくなった様に思う。

でもありがたいことに、この辺りの時期からマスクは値崩れをはじめ、さらに布マスクをしている人も増えて来た。

布マスクにウィルスへの防御力はないと批判はあるが、実際問題不織布マスクにだってウィルスへの防御力はない。N95マスクをしている医療関係者だって防御しきれていないのだ。

じゃあなんでマスクをするかというと、自分の近くに居る人の気分をやすらがせる為である。

つまりマスクは医学的な意味があってしているわけではない。社会的な意味があるからしているのだ。ズボンを履かないで外出しても肉体的には困らないが、社会的には困るのと似ている。

じゃぁ社会性のマスクであるなら、どんなデザインでもいいはずだ。茶人らしいマスクってないかいな?

そんな気持ちで見回してもさほどない。

龍村あたりならきっと名物裂のマスクがある筈!とか思ってみたが全然ない。
くっそ高い使い捨てマスクあると思ったのに…。

各流派も「出帛紗と輪ゴムで作る簡易マスク」とか載せてないぜ。


なので、西陣織で調べてみたが、意外とみなさん普通のマスクを作っておられる。つまんない。


でもここは凄いぜ。

https://okamotoorimono.shop/

絹だぜ。洗いづらいぜ。でも超かっこいいぜ。
でもできたらポリエステルにして欲しかったぜ。

 

ポストコロナとお茶

私はコロナ終息に関しては悲観論者である。
ぶっちゃけ種痘くらいの画期的なのがないと終息できない論者。


でも安心安全を当然として来た社会に慣れているので「伝染したらしたでしゃーない」って死生観を変えて元の日常を送れるかっていうとそこまでみんな修羅じゃないだろって思ってる。

 

そういう意味で今の自粛生活から三密生活を続けられるように社会が変化した「ポストコロナ時代」ってのが必要になるのかな。

 

さて、その視点でいうと「茶は廃るべし」なのだ。…だってお茶なんて不要不急で三密の極地ですよ?なのにみんな危機感足りなくない?

 

各流派の公式を見ても「家元行事中止のお知らせ」「本部行事中止のお知らせ」くらいの情報しかないんだけど…。

三密を避けてお茶を続ける為の方針とか、入口であるところのカルチャーセンターへの支援策とか、月謝を申告してないので持続化給付金が申告できない町教室への支援とか、やること一杯だと思うんだけどなー。

 

もしかして緊急事態終了したら元の生活に戻れるって思ってる?
四畳半に20人詰めるような大寄せやっていいと思う?

 

當世茶会心得 肆

 

順に座敷を出た客は待ち合いに戻り、用足しなど致しますが、雪隠を使った場合は備え付けの消毒液できちんと手を洗うことを忘れないようにしましょう。

待合には煙草盆が置かれていることがありますが、これは形式的なもので、喫煙による肺炎リスクの上昇を考え、使うものではありません。


その間に亭主は席を改め、空気を入れ換え畳の除菌をし、花を入れ、室礼を直します。

準備ができたら亭主は、鳴り物あるいは自身迎えに出、客の席入りを促します。

鳴り物を聞いた客はかしこまってこれを聞き、待合を出て最初の如く手水を使います。
忘れずに肘まできちんと洗ってください。

ここで座敷に戻りますが、この時に襷紐を外し忘れることがありますので、ご注意ください。


座敷に戻った客は順に床の花と点前座を拝見します。

さて、客がそれぞれの席に戻ったら亭主が道具を持ち出し、濃茶がはじまります。


当世濃茶は各服点てですので、次客からは水屋からの点て出しとなります。

正客は亭主が濃茶を出すと取りに参ります。広間では躙っていてはたどり着きませんので立ち上がって取りに行ってください。普通は半東が運んでくれるでしょう。

正客は自分の席に戻ったら茶碗を正面に置き、「頂戴致します」と挨拶します。
それから懐紙を一枚出し、マスクを外してそこに置き、茶碗を取って一服口に含みます。

正客が一口飲んだ所で、亭主は服加減を尋ねますので、正客は茶碗を畳に置き、懐紙を一枚取って口を拭い、さらに懐紙の上に取り置いたマスクを取って耳に掛け、それから「結構でございます」の様に応答を致します。この応答を合図に二客以降に濃茶が出されます。

口を拭うのはマスクがうっすらうぐいす色に染まらぬ為でありますので、お忘れ無き様。


正客が使った主茶碗は、喫し終ったら畳縁外に置いておけばニトリル手袋をした半東が茶碗を引きます。

これは拝見の為に茶碗を洗う必要があるからでありまして、水屋で半東がきれいに中性洗剤で清め、正客に戻します。

正客から順に拝見し、亭主に戻し、ここで正客より本日の趣向についてお尋ねがあります。

昨今は時間短縮の為続き薄茶になるのが普通です。亭主が先に述べることもありますが、正客が「続けて薄茶を」の所望をいたしますと、亭主が濃茶の道具を引き、薄茶の道具を持って入ります。

そこで半東が、銘々皿に載った干菓子を盆に載せ持ち出しますので、各自受け取ります。

亭主は薄茶をまず次客用に点てます。次客に薄茶が渡りますと、正客は濃茶の茶入、茶杓を所望します。
亭主が茶入茶杓を正客に出しますと、半東が正客の茶碗を亭主に渡し、次客の茶碗を引いて戻ります。亭主がお茶を点てている間に、正客は茶入茶杓を拝見し、次客に渡します。
次客は正客が拝見をはじめたタイミングで半東に茶碗を引いてもらえるよう、機を計ってお茶を飲んでください。三客からが点出しとなります。

薄茶が全員に出た頃、正客は薄茶道具の拝見を所望し、道具に関してお尋ねしたら帰路に着きます。

露地の出口にアルコール除菌液が置いてありますので、手指を清めて帰りましょう───

(了)

當世茶会心得 参

 

茶道口より半東が折敷を持って進み出ますので正客から順に受け取ります。

折敷には煮えたてのご飯が一口と汁、そして向付が載っています。

WHO勧告以来、向付には十分火の通ったものが入っている筈ですが、不心得にも刺身の類であった場合は食べずに残しても苦しくありません。

さて、ここで問題になるのがマスクの扱いであります。

マスクを上またはあごにずらし、懐石を口に運ぶ方もおられますが見苦しいものです。

まず懐紙を一枚出し、畳に広げ、両手をマスクの耳裏の紐に掛け外し、懐紙の上に載せ、懐紙を折って隠します。そこで箸を取り、懐石を口に運びます。咀嚼する前に箸を置き、マスクを左手で取って右手を添え両耳に掛け、それから咀嚼してください。

物を口に入れる瞬間だけマスクを外す、と覚えておけば良いでしょう。

一口を大きく取って食べると少し繁雑でなくなるでしょう。お互いに気遣いしながら、楽しく食べ、談笑してください。


さて、汁を吸い切った所で、亭主が酒と杯台を持ち出し、客に勧めます。
季節と趣向によりますが、日本酒の熱燗が出るので客は杯を受け、向付を頂きます。

つづいて飯器、汁替、煮物、焼物と続きます。

箸洗いの吸い物が終った頃、亭主が八寸と銚子を持って進み出ます。

亭主が正客に酒を注ぎ、八寸の海の物と山の物を取り分けます。

ここで正客から亭主に対し順に杯の応酬が行われます。これを千鳥の盃と申します。

安全の為、アルコール度数70度以上の蒸留酒が出ますから、次客以降は形程度にお酒を注ぐよう注意しましょう。

ついで亭主は湯桶と香物を持ち出しますので、椀を清めながら頂きます。

客は折敷を整え、返します。
この時箸を落す音をさせる方も居られますが、当世ではその必要はありません。
茶道口は常に空けてありますので、亭主が様子を見、取りに参ります。

折敷を返すと主菓子が出、それを頂いた後、客は座敷を出、待合に戻り、中立いたします。

(続く)

 

當世茶会心得 弐

 

客は順に座敷に入り、順次居換わりしながら、床の掛け物を拝見します。

最後の客は密になりますので戸を閉め切ってはいけません。「最後に入りますが戸は空けさせて頂きます」とご挨拶して入ってください。それが亭主への合図になります。

客は間隔を空け畳一枚に一客を目安に座りますが、六畳なら三客、八畳なら四客、十二畳なら六客がせいぜいで、それ以上の相客が居た場合は続きの間に案内を乞います。

全員が座った所で、亭主が茶道口に挨拶に参ります。

ここで正客が挨拶し床の道具について尋ねます。

客と亭主の間は2メートル程度は離れている筈ですので、唾が前に飛ばないよう少しうつむいて意識して大きめの声を出してください。

全員がマスクをしているのを献茶式の様相と嫌う方もおられますが、マスクを外してはいけません。マスクをしたまま談笑するのも嗜みと御理解ください。


ここで亭主が水屋へ戻り、炭道具を持って入ります。

亭主が炭を直しますが、その最中に近くに寄って拝見してはいけません。炭を直し終ったところで亭主が控えますので、順に近寄って拝見してください。

亭主が戻り、香を焚きますので、客は息を吸いながらマスクを少し緩め、香りを聞いてください。
当流ではマスク紐の下側を両手でつまみ、前に出すようにしてすき間を空けます。
マスク自体に手を触れてはいけません。またマスクが緩んでいる間は息を吐いてはいけません。

次に香合を順に拝見いたします。

香合が亭主に返り、亭主が炭道具を持ち帰ると、いよいよ懐石になります。

(続く)

當世茶会心得 壱

 

さて、茶事の当日であります。

まず、身支度をする前に検温です。熱っぽい、咳が出るなどの症状の出る方は亭主へ連絡し、茶事への出席を避けましょう。

客は、少なくとも定時の30分前には亭主宅に着いているのが心得です。
よほど遠方の客でない限り、公共交通機関の利用は避けるのが昨今のマナーであります。


亭主宅では寄付の入口にアルコール除菌液が置いてありますので、雨ゴート等を脱ぎ、足袋を改めた後、指先を清め、腰掛け待合に座ります。

腰掛けでは相客とは2メートル程間隔を空けて座ります。腰掛けが昔風に短い場合、正客老齢の方にお座り頂き、他の方は間隔を空けて立って待ちましょう。
亭主が用意した円座の数で、何人が座れるか判断しましょう。

時間が来ましたら、亭主が手水を入れ換え、中潜りに迎えに出ます。客一同も中潜りに向かい、主客が無言で一礼します。
この時客は間隔を詰めて並んではいけません。また、亭主はあらぬ方向を向いて会釈しますが、これは「皆さんに対面して病気を伝染しては申し訳ない」との心ですので、客も亭主の方を向いて会釈してはいけません。次客以降は正客の向く方に合わせるといいでしょう。

この後亭主は戻りますので、客は一旦待ち合いに戻り、頃合いを見て席を立ち、蹲踞で手と口を清めます。

客は持参した襷紐を使い、袂を上げます。袂留めは当流では用いません。

右手で柄杓を取って左手、左手に渡して右手の順に濡らし、柄杓を置きます。

蹲踞には亭主がハンドソープを置いておりますのでそれを手に平に受け泡立て、手の甲、指先と爪の間、指の股、親指と手の平、手首から肘まで清めます。
再度右手で柄杓を取って左肘から指先を濯ぎ、左手に渡し右肘から指先までを濯ぎます。
再度右手に渡し、水一尺を汲んでから縦にし、泡のついた柄杓の柄を洗い流し、手水鉢に戻します。

万が一亭主がハンドソープを置かなかった場合に備え、懐紙に紙石鹸を一枚挟んでおくと便利でしょう。

前の客が手を清めている間、次客以降は2メートルづつ間隔を空けて襷掛けをしながら静かに待ちます。

なお、蹲踞が水琴窟になっている場合、泡混じりの水を捨ててはいけません。
亭主が水捨て用のたらいを用意している筈ですので、そちらへ捨てるようにしましょう。

清めの終った客から順に、襷紐を外してから座敷に入ります。


昨今は広間の茶が主流で、小間で茶をすることは少なくなりましたが、二客以下の会などで小間だった場合、躙口から上がった後も、草履や雪駄を自分で置き直してはいけません。
そのまま脱ぎ捨てで入ってください。ノンパウダーのニトリル手袋をした半東が、下足番をしている筈です。

(続く)

宜春亭という不可解

ひさびさに解せなかったのでここに書く。

 

六義園にある茶室「宜春亭」。

この貸し出し条件がひどい。

 

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飲食不可で火気厳禁の茶室で何をすればいいんだ?

 

亭主が水点てでお茶を出すと客はそれを持って茶室の外に出て青空を見上げてお茶を飲み干すのか?

 

お茶以外の事に使われるのが嫌なのはわからんでもないけど、もう少し書きようがあったんでわなかろうか?

 

とりあえず懐石の出せない酒の飲めない茶室に意味はないなー