京王線恥辱

2005-07-10 つゆざむ

JA8809

 函館のアナウンスで眼を覚ました。車内がざわつき想像以上にたくさんの人が降りてゆく。後ろの指定席からもぞろぞろ。その代わり乗って来る人も居る。深夜にこれだけ人の動きがあるとは思わなかった。

 前の人が降りたので座席を向かい合わせにする。眠る姿勢が断然楽になり、記憶が途切れる。再び眼を覚ますと陸奥湾沿いを走っていた。外は明るくなっている。時計は5時過ぎ。もう20分ほどで青森到着だ。接続の案内が流れる。特別急行八戸つがる、特別急行新潟いなほの言い回しが今となってはかえって新鮮。

 青森で乗り換え。既に立食そばが開店していて人だかりが出来ている。何か乗り換え時の儀式みたいな感じがしてきて自分も食べる。久しぶりに食べる東北スタイルの濃い汁。美味しい。

 いなほは485系。上沼垂色の6連、これまた懐かしい電車だ。高校の修学旅行は上沼垂の485系で行ったのだ。出発して間もなく流れるオルゴール、間の伸びた鉄道唱歌にまた懐かしさが。

弘南鉄道

 弘前までは30分だからすぐである。まだ眠っているような弘前の街に放り出されたのは6:40のこと。いつの間にか駅が建て替えられている。今日はこれから弘南鉄道に乗ろうかと思っている、弘南鉄道は15年前に乗ったのが最初で最後。当時は東急の電車が来て間もない時期だった。まだ大鰐の側線に旧型車が残っていたのは覚えている。

 まずは雨の降りだした弘前の街を歩いて大鰐線の中央弘前駅へと向かう。位置関係は一応把握しているけど記憶は曖昧。割と正確に歩く事が出来て7時前に見覚えのある古びた中央弘前の駅にたどり着く。7時の電車で大鰐へ。15年前と同じ東急のお古だ。ちょっと変わったところがあるとすれば、吊り輪に付けられた広告。前は東急で走っていた頃のまま鮮やかに東横百貨店やらなにやらの宣伝が出ていたけど、今は色あせている。中には上からテープを張られて平賀自動車学校なんて広告になっていたり、テープを剥がした後も。

 電車は街と同じように眠ったような雰囲気のまま走り出す。一駅停まる毎に一人二人の客を拾うのは意外だ。市街地を抜けるとりんごの樹が一面に広がった。この時期はまだまだ青々としている。

 時々すれ違う電車はみんな東急車。確か南海車も来ていたと思ったけど。その南海車、車庫のある津軽大沢の留置線で朽ち果てていた。線路上には居るのだけど塗装が剥げ、錆が浮かんでいる様子からはとても現役車両という威厳は感じられない。大鰐まで30分で到着。こちらには機関車が1両居る。一応手入れはされているようで、一度パンタを上げているところを見てみたいもの。

 大鰐からJR弘前に戻る。弘南鉄道が30分掛かるところを10分少々で走ってしまう。値段もJRが安い。JRの方が本数少ないから弘南もやってゆけるのかもしれないけど。

 次に同じ弘南鉄道の弘南線で黒石へと向かう。ちょうど電車が出たばっかりで8時半まで待つ。こちらの弘前駅はJRの建替えに合わせて移転しており、小ぎれいな駅になっている。黒石からの電車がやって来る。時間帯が良くなったからか先ほどの大鰐線よりも多くのお客さんが降りてきた。折り返しの黒石行きも大鰐線より客が多い。と言っても10人前後だけど。こちらも一駅二駅とお客さんを集めている。降りてゆく人もいるけど。何とか高校前みたいな駅がいくつも合って高校生が重要な顧客なんだろうなぁ。

 駅のそばには農業倉庫が目立つ。りんごやら米やら。昔は弘南鉄道を使って出荷していた名残でしょうけど、何時ぐらいまで貨物列車走っていたのでしょうかねぇ。平賀の車庫でやはり朽ちた南海車。どうやら全車両、運用離脱と見受けられる。

 黒石までもやっぱり30分。9時に到着。折り返しは9時20分。出来れば黒石線代行バスで川部に出るか、青森までバスで出るかしたかったけど時間が合わない。仕方ないので弘前まで一旦戻る。黒石にも南海車が居る。最後の検査が11年とあるので、遅くとも16年までには運用離脱、放置となった様子。もう一つ、黒石線検査所という建屋とその前にどんと構える給油施設。こちらも今となっては不要の産物。撤去にもお金が掛かるからと言う理由でしょうが。

 黒石からの電車は今まで乗った電車の中で一番混んでいた。と言っても全員座れる程度だけど、弘前に着くのが10時前だから、日曜日のこの時間帯、少しでも乗ってくれないと困るのでしょうけど。

 弘前から青森に戻る。雨が止んでいるので歩いてフェリーターミナルに向かう。大よそ25分程度で歩ける距離。途中には是非とも眺めておきたいものもあるし。西口から大通りに出てすこし歩くと恐ろしく違和感のあるものが見えてくる。JA8809、元JACのYS-11である。しかもJASレインボーカラーになっている。ここは北方漁業博物館と言う施設で、本来は漁船や船舶に関する博物館なのだけど、何故かYS-11が展示されている。海沿いなのに屋外展示でクルマの排気ガスも浴びるし展示環境としては最悪だけどとにかくJA8809はここで余生を過ごしている。

 昨年の7月にこの博物館自体は見学しているので今日は外観を眺めるに留めるけど、さほど退色もしていないし、まずは良かった。大事な機体だし、大切に保存して欲しいものと思う。ここからフェリーターミナルは目と鼻の先。

津軽海峡

 12時半発の函館行きに乗船申し込み。乗船開始までは30分ほどある。何度か来た事のあるフェリーターミナルだけど昼間来るのは初めてだ。売店が開いている。ビールとか結構高いな、500ML\470だって。船内価格と一緒かな。なら船内で買おうか。

青函フェリー あさかぜ

 12時、乗船開始。東日本フェリーの17便はびるご。結構大きい船だ。車両甲板から上へはエスカレータであがる。何気に初めての経験。5月に乗ったシャトルおおいたでも階段を荷物担いで登った訳だし。船自体は空いているが、不思議と窓の少ない2等船室、窓のそばは既に先客がおり、広いけど薄暗い座敷しか空いていない。ここ居るのも難なんで他に場所を探すと展望室というのがあった。デッキの後ろ。やっぱり座敷だけど窓が大きくたくさん合って明るい。電源も使える。ここに居座ることにする。展望室、だんだんと人が増えて出港する頃には30人近くが思い思いに寝転んでいたりする。

 ビールを買ってくる。自販機のビールは500ML、\300。市販価格とさほど変わらない。発泡酒もある。なんか船内価格の方が安いのね。ターミナルビルの売店、ぼったくり過ぎ。船内放送が入った。今日の津軽海峡は荒れるらしい。荒天の津軽海峡、何度かフェリーに乗ったけど今まで一度も経験が無い。さてどんなものやら。

 展望室で過ぎ行く景色を眺めながら、恥辱をまとめだす。12:54 青森市街が霞み、確認出来なくなった。少し揺れだした。13:07、まだ陸奥湾の中の筈だ。揺れに身を任せながらキーボードに向かう。ふと左右を見ると右に津軽半島が、左に下北半島が見えている。平館海峡までやって来たらしい。時刻は13:20、白波が目立つ。ビールが無くなったのを潮にレストランに行ってみる。いつも夜間航行の便にのっているせいか青函航路の船でレストランに入ったことは無い。ラーメンとかカレーとか在り来たりのメニューだけどカレー\500、割と安い。味はまぁまぁと言うか高校の学食で食べたカレーを思い出した。ある習慣を思い出してカレー七味唐辛子を入れてみる。高校の頃、良くやったんだよね。すっかり忘れてた。

 展望室に戻る。津軽半島が見えなくなっている。下北半島の断崖が見える。仏ヶ浦らしい。時刻は13:55、相変わらず揺れが続く。引き続き恥辱に取り組む。気が付くと下北半島も見えなくなった。14:16、霧に隠れたのか船が津軽海峡に進み出たのかは良く分からない。とりあえず恥辱に疲れたので眠ろうと思う。展望室に居る人たち、申し合わせたように寝入っている。眼を瞑る。揺れが大きくなったようだ。いよいよ船は津軽海峡へと差し掛かったのだろう。記憶が遠くなる。

 ざわめきで眼を覚ます。15:50、防波堤が見える。もう函館港だ。揺れは収まっている。下船案内のアナウンスが流れ出す。歩いて乗船の人はクルマが降りた後という事でロビーボケっとしていると掃除のおばさんが大挙して乗り込んできた。

 函館は雨だった。フェリーターミナルから少し歩いて国道沿いのバス停へ。函館駅ゆきのバスに乗る。途中、有川跨線橋を通り過ぎるとき、貨物列車がゴトゴト動いているのが見えた。有川自体は連絡船時代に桟橋があったところだって事は知っていたけど、まだ貨物線の機能が生きているとは知らなかった。今度機会があったら眺めてみたいけど今日の雨ではちょっと無理。

 飛行機までは中途半端に時間があるけど雨が降っているしあまり出歩きたくも無い。結局適当な居酒屋で時間を潰す事になる。

 空港に到着。飛行機が遅れている。所定19:40のところ、20:00予定との事。機材自体は19:20過ぎに到着する。

JD1168 JA010D HKD→HND

 羽田行きの最終便は満席。さらに本来は15時前に出る関空ゆきも機材トラブルの影響で遅れに遅れて19:45出発になっていて都合550人ぐらいが待ちぼうけを食らっている。北海道の締めに空港の売店でサッポロクラシックを。

 19:55ごろ搭乗開始。満席だし長蛇の列になる。自席に落ち着いた後も後から後から人人人。Doorclose20:06。隣だけ人がいないなぁ。窓側の席を空けておくのは勿体無いと思っていたら後ろの方から人が現れた、残念。

 20:08、Pushbuck。新聞に眼を通すと東京版だった。羽田までの所要時間は1h10minとの事。20:13、Taixing。心もち急いでいるような気もする。20:13、Takeoff RWy12。函館の夜景が広がったか雲に霞んだは通路側の席ゆえに良く分からない。少し揺れる。

 離陸して間もないけど操縦席から案内が入る。20分ほど揺れが続く見込みとの事だ。羽田の天候は晴、気温は26℃。季節がだいぶ違うようで。機体は渡島半島沿いに津軽海峡を西に向かっている。雲を避けているのかもしれない。20:27、予告よりも早く、ベルト着用サイン消灯。場所は松前の近く。高度6000m、対地速度690km/h。その後は南へと機体は向かう。竜飛崎をかすめて津軽半島沿いに南下。深浦の辺りを20:34、高度は6,000mで落ち着いてしまった。対地速度は750km/h。

 ドリンクサービスが廻ってくる。今月はクラスJの一周年キャンペーンとかでお菓子の提供がある。マカデミアクッキーだって。

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