Q.E.D.証明終了第四話

NHK総合ドラマ8Q.E.D.証明終了」。第四話。
原作:加藤元浩。脚本:藤本有紀。音楽:海田庄吾。演出:伊勢田雅也。
滝川クリステルによく似た女エヴァサヘル・ローズ)が不意に呟いた「ゴッホゴーギャン」の比喩が、そのまま、同じ女による犯罪的な行為の枠組としても機能しようとしていた。その意味においてあの比喩は横溝正史「獄門島」における「季違い」発言を想起させた。

渡る世間は鬼ばかり第四十一話

TBS系。橋田寿賀子ドラマ「橋田寿賀子ドラマ渡る世間は鬼ばかり」。
作(脚本):橋田寿賀子。音楽:羽田健太郎。ナレーション:石坂浩二。演出:竹之下寛次。プロデューサー:石井ふく子。第九部第四十一回。
高級料理店「おかくら」店主の岡倉大吉(宇津井健)にとって小宮怜子(池内淳子)が恋人であるとすれば使用人の青山タキ(野村昭子)は既に母親代わりに近い。料理人の森山壮太(長谷川純[ジャニーズJr.])も含め、擬似家族としての完成度は極めて高いことを、大吉は認識すべきだろう。対照的なのが神林清明愛川欽也)。本間英作(植草克秀[少年隊])一家を引き取ることで一挙に擬似家族を獲得したが、少なくとも今のところ、その構成員の誰もが満足を得ているからだ。思えば、この物語は今や家族の姿ではなく擬似家族の姿ばかりを様々に描こうとしているようだ。
来週放送分の予告編には衝撃の映像あり。小島眞(えなりかずき)が「響く鬼」と化して大井道隆(武岡淳一)に豆を打ち付けて清めようとしていた。他方、大井直子(夏樹陽子)は離婚届を叩き付けていた。「華麗なる一族」大井家は崩壊するのか。貴子(清水由紀)や輝(大川慶吾[ジャニーズJr.])、そして小島眞はどのような選択肢を見出してゆくのだろうか。

風邪と読書

火曜日、朝からどうにも体調不良で耐え難く思われたので昼一時半から退出。帰宅して以来、今日の午前中まで殆ど寝て過ごしていた。まだ苦しいものの、処理すべき仕事が色々あるので今日の午後一時半から出勤した。約二日間も寝て過ごしてきたことになるが、その間、常に眠ることができたはずもなく、起きていた間は読書をしていた。この間に読み終えたのは、予て読み終えようとしていた松尾剛次「破戒と男色の仏教史」のほか、河野哲也「暴走する脳科学 哲学・倫理学からの批判的検討」、藤森照信「建築史的モンダイ」、小谷野敦「日本の有名一族 近代エスタブリッシュメントの系図集」、畑尚子「幕末の大奥 天璋院薩摩藩」。そして今橋映子「フォト・リテラシー」を読み始めたところ。

破戒と男色の仏教史 (平凡社新書)
暴走する脳科学 (光文社新書)
建築史的モンダイ (ちくま新書)
日本の有名一族―近代エスタブリッシュメントの系図集 (幻冬舎新書)
幕末の大奥―天璋院と薩摩藩 (岩波新書)
フォト・リテラシー―報道写真と読む倫理 (中公新書)

メイちゃんの執事第三話・百識王書道篇・キイナ不可能犯罪捜査官第二話

火曜と水曜のテレヴィドラマ等も一応は見た。
火曜の夜のフジテレビ系ドラマ「メイちゃんの執事」第三話(脚本:古家和尚/演出:木下高男)。中目黒(山口賢貴)が実は柴田理人(水嶋ヒロ)に熱烈に憧れ、片想いであると判明した。築地(南圭介)は、東雲メイ(榮倉奈々)と竜恩寺泉(岩佐真悠子)との決闘の直前、会場に立会っていた際、泉の婚約相手についての噂話を語っていた。青山(真山明大)は苦難を乗り越えてさらに美しい。
火曜の深夜「百識王」。「書道」の回。百識団員の書初めがあり、高田翔は「笑」、真田佑馬は「雑草魂」、岡本圭人[Hey!Say!JUMP]は「時」、戸塚祥太[A.B.C.-Z]は「虎」、山下翔央は「自立」、藤ヶ谷太輔Kis-My-Ft2]は「幸」と書いた。真田佑馬の「雑草魂」は本気を感じさせて、実によい。
水曜の夜の日本テレビ系ドラマ「キイナ 不可能犯罪捜査官」第二話(脚本:吉田智子/演出:猪股隆一)。八年前に少年を亡くした一家の、新築の家のポルターガイスト現象の物理学的な解明と、怨念をめぐる心理学的な解決は面白かったとはいえ、あの事件現場の家は、街の中のあの条件下の場所に建つ限り、永遠にポルターガイスト現象の数々に見舞われ続けるのか…と考えると、それこそが最も恐ろしい。怨念の心理は解決できても、環境に決定された物理的な震動は解決しようもない。