Raspberry Pi 5とSATA SSDの電源供給を連動させる

過去のエントリでRaspberry Pi 5でSATA SSDを利用できるよう設定しましたが、今回は電源を連動させてみます。

Raspberry Pi 5の電源ボタンを押したタイミングでSATA SSDの電源も供給されれば、普通のPCのように使用できそうです。

SATA SSDを利用するためのパーツ選定、設定はこちら。

aose.hatenablog.jp

PCケースの電源ボタンをRaspberry Pi 5に使用するためにピンヘッダを増設する方法はこちら。

aose.hatenablog.jp

Raspberry Pi 5から5台分のSATA SSD/HDDの電源を供給するのは無理!

今回のRaspberry Pi 5の作業では、SSD1台、HDD4台のNASを構築することを目的としています。

5台のSSD/HDDには別の電源を用意し、Raspberry Pi 5の電源ON/OFFに連動して電力が供給されるようにします。

SSD/HDDに電力を供給する電源としては、普通のPC用のATX電源を使うか、産業用のスイッチング電源+NAS用電源モジュールの組み合わせが良さそうです。

普通のATX電源でもいいんですが、起動時で最大150W程度しか必要ないため安価な400W電源でも無駄が多いです。 あとせっかくRaspberry Piなのに普通のPCっぽすぎる

まずはNAS用電源モジュールがRaspberry Pi 5と連動できるか確認して、それからスイッチング電源を購入したいと思います。

確認にあたって用意したもの

  • 余ってた12V 1.5AのACアダプタ(今回の実験用。実際は別の電源を用意する予定)
  • NAS用電源モジュール
  • Raspberry Pi 5のピンヘッダとボードをつなぐワイヤー2本

NAS用電源モジュール

今回購入したボードは以下特徴を持ちます。

  • DCジャック または GPU用の8ピンコネクタから12Vを供給することで、SSDに必要な5Vなどを生成して供給できる
  • 電源ON/OFFは2種類の動作を切り替えられる
    • 給電ONと同時にON
    • PC連動

今回はPC連動の機能をRaspberry Pi 5と連動させてみます。

まずは連動の仕組みを確認してみました。連動にはPC側からFDD用4ピンのコネクタを接続するようになっています。

このコネクタへの給電の有無で連動する仕組みのようです。

Raspberry Pi 5は12Vは生成していませんし、5Vは電源ON/OFFに連動せず、常時供給されます。

Raspberry Pi 5の電源OFF時に供給が止まる3.3Vを使って連動させようと思います。

Raspberry Pi 5の3.3Vの動きを確認する

3.3Vの供給が止まる…と書きましたが、実は標準では止まりません。OFFの間も3.3Vが供給されています。

設定を変更することで3.3Vの供給が止まります。

$ sudo su -
$ export EDITOR=vim
$ rpi-eeprom-config --edit

POWER_OFF_ON_HALT=0
# ↓ 0から1に書き換え
POWER_OFF_ON_HALT=1

参考: https://www.tomshardware.com/raspberry-pi/how-to-reduce-raspberry-pi-5-4-standby-power-consumption

実際にテスターで3.3Vが供給されなくなったことを確認できました。

NAS用電源モジュールと連動させてみる

NAS用電源モジュールはRaspberry Pi 5の3.3Vで連動するのか?を確認します。

電源モジュール側の4ピンのうち、どの組み合わせで通電すれば連動が動くかを確認してみました。

Pin 出力
Red 1 +5V
Black 2 GND
Black 3 GND
Yellow 4 +12V

参考: https://www.nipron.co.jp/consultation/qa_index.cgi?mode=a&id=183

組み合わせを確認したところ、2番ピン(GND)と4番ピン(+12V)が通電すると連動するようです。

電圧は関係ないようで、3.3Vでも連動することが確認できました!

Raspberry Pi 5に外付けの電源ボタンを増設する

Raspberry Pi 5は電源ボタンが用意され、電源OFFの状態からケーブルを抜き差ししなくても再度起動できるようになりました。

ボタンはRaspberry Pi 5本体上に用意されていますが、今回は別のケースに入れるために電源ボタンを増設してみます。

Raspberry Pi 5の電源ボタンを増設するには

Raspberry Pi 5の基板には、HDMI端子とUSB-C端子のあいだに電源ボタン用のピンヘッダを取り付ける場所が用意されています。

https://www.raspberrypi.com/documentation/computers/raspberry-pi.html#add-your-own-power-button

画像はraspberrypi.comより引用

ここに2.54mmピッチのピンヘッダをはんだづけします。

あとはPCケースなどについている電源ボタンをとりつければ完成です。

電源ボタンでRaspberry Pi 5の電源が操作できるようになりました。

Raspberry Pi 5にSATA SSDを接続してOS起動してみたログ

Raspberry Pi 5ではついにPCI Expressが利用できるようになりました。

巷ではM.2のSSDを取り付けるのが流行っていますが、私はSATA SSDを接続しOSをSATA SSDから起動してみたので作業ログを残します。

パーツ構成

今回はM.2アダプタと、M.2接続のSATA アダプタの組み合わせで作成します。

重要なポイントはSATAアダプタ選びで、使用するOSで利用できる必要があります。

たいていのLinuxディストリビューションSATAアダプタは使用できるのでは?と思ってしまいますが、それはx86、x64版での話です。

ARM版の各Linuxディストリビューションによって対応有無が異なりました。

まずはRaspberry Pi OSで実績のあるチップを選定します。

今回はJeff Geerling氏がまとめてくれている情報から、Raspberry Piで実績のあるチップJMB 585を搭載した製品を選びました。

OS選定

パーツを調達したら、まずはRaspberry Pi OSでSATA SSDが認識できているか確認してみます。

SATAアダプタと、接続したSATA SSDが認識できていますね。

$ lspci -v
0000:01:00.0 SATA controller: JMicron Technology Corp. JMB58x AHCI SATA controller (prog-if 01 [AHCI 1.0])
    Subsystem: JMicron Technology Corp. JMB58x AHCI SATA controller
    Flags: bus master, fast devsel, latency 0, IRQ 167
    Memory at 1b00010000 (32-bit, non-prefetchable) [size=8K]
    Expansion ROM at 1b00000000 [virtual] [disabled] [size=64K]
    Capabilities: <access denied>
    Kernel driver in use: ahci
    Kernel modules: ahci

$ sudo parted /dev/sda
GNU Parted 3.5
Using /dev/sda
Welcome to GNU Parted! Type 'help' to view a list of commands.
(parted) print                                                            
Model: ATA TOSHIBA THNSNH12 (scsi)
Disk /dev/sda: 128GB
Sector size (logical/physical): 512B/512B
Partition Table: msdos
Disk Flags: 

Number  Start   End    Size   Type     File system  Flags
 1      1049kB  269MB  268MB  primary  fat32        boot, lba
 2      269MB   128GB  128GB  primary  ext4

(parted)       

希望としてはUbuntuで運用したかったのですが、SATAアダプタは認識するもののSSDが認識されていません。

ARM版のUbuntuではahciドライバが利用できないようです。

# Ubuntu 23.10での結果
$ sudo modprobe ahci
modprobe: FATAL: Module ahci not found in directory /lib/modules/6.5.0-1013-raspi

Alma Linux、Rocky Linuxも試してみましたが、SSDを利用することができませんでした。

ディストリビューションによってはRaspberry Pi 5未対応だった)

SATA SSDからのブート

Raspberry Pi 5とM.2 SSDを使ってOSを起動している例は多いですが、SATAアダプタを利用した場合、直接SATA SSDから起動することができません。

ここはmicroSDカードに/bootを用意し、それ以外の領域をSATA SSDに用意することでmicroSDから起動しつつ、OS領域をSSDから読み込むようにします。

流れ

  1. Raspberry Pi OSをmicroSDに書き込む
  2. microSDの内容をSATA SSDに書き込む
  3. /boot/firmware/cmdline.txt /etc/fstabを書き換え

Raspberry Pi OSをmicroSDに書き込む

Raspberry Pi Imagerを使用して、書き込みます。

一度Raspberry Pi 5にmicroSDカードを挿入、起動し、OSパッケージの更新、無線LANなどを設定します。

microSDの内容をSATA SSDに書き込む

microSDの内容を別マシンを使って、SATA SSDに書き込みます。

SATA SSDをUSB変換アダプタを通して別マシンに接続し、ddでコピーしました。

/boot/firmware/cmdline.txt /etc/fstabを書き換え

microSDSATA SSDRaspberry Pi 5に接続し、起動します。

この時点ではmicroSDからOSは起動します。

各ディスクのPARTUUIDを確認します。

$ sudo blkid
/dev/mmcblk0p1: LABEL_FATBOOT="bootfs" LABEL="bootfs" UUID="50C8-AEAE" BLOCK_SIZE="512" TYPE="vfat" PARTUUID="1ceaeaaa-01"
/dev/mmcblk0p2: LABEL="rootfs" UUID="fc7a1f9e-4967-4f41-a1f5-1b5927e6c5f9" BLOCK_SIZE="4096" TYPE="ext4" PARTUUID="1ceaeaaa-02"
/dev/sda2: LABEL="rootfs" UUID="fc7a1f9e-4967-4f41-a1f5-1b5927e6c5f9" BLOCK_SIZE="4096" TYPE="ext4" PARTUUID="617a2abd-02"
/dev/sda1: LABEL_FATBOOT="bootfs" LABEL="bootfs" UUID="50C8-AEAE" BLOCK_SIZE="512" TYPE="vfat" PARTUUID="617a2abd-01"

/boot/firmware/cmdline.txtに記載されているマウントポイント/のPARTUUIDをSATA SSDのものに書き換えます。

$ sudo vim /boot/firmware/cmdline.txt

console=serial0,115200 console=tty1 root=PARTUUID=617a2abd-02 rootfstype=ext4 fsck.repair=yes rootwait quiet splash plymouth.ignore-serial-consoles cfg80211.ieee80211_regdom=JP

/etc/fstabに記載されているPARTUUIDも書き換えます。

$ diff -u /etc/fstab_orig /etc/fstab
--- /etc/fstab_orig     2024-04-06 22:52:38.820412300 +0900
+++ /etc/fstab  2024-04-06 22:54:23.272284614 +0900
@@ -1,5 +1,11 @@
 proc            /proc           proc    defaults          0       0
 PARTUUID=1ceaeaaa-01  /boot/firmware  vfat    defaults          0       2
-PARTUUID=1ceaeaaa-02  /               ext4    defaults,noatime  0       1
+PARTUUID=617a2abd-02  /               ext4    defaults,noatime  0       1

あとは再起動すると、SSD側の/を読みだしてRaspberry Pi OSが起動します。

Keychron_V10その後

英語キーボード入門としてKeychron V10を購入して数ヶ月経ったので、現状ログです。

購入時のログがこちら

aose.hatenablog.jp

キーマップ変更

Fnキーとの組み合わせで別レイヤーとしているキーが増えました

  • Fn + h j k lでカーソルキー
    • vimユーザーだから仕方がないね
  • Fn + 1~9,0 - =でF1~12キー
    • 結局ホームポジションから離れたくなくなった
    • よく使うIMEまわりは別のショートカットキーを覚えた(運用でカバー
      • F7 の代わりはCtrl + i
      • F10の代わりにCtrl + t
    • F2とかF12とか、Excelでも使うけど頻度的に困ってない

キースイッチ変更

初のリニア(赤軸)だったんですが、打ち間違いがちらほらあったので、タクタイルに戻しました。

できればマイクで音を拾わない静音キースイッチを…ということで、今回は静音タクタイルであるKailh Midnight Silent V2 Switch / Tactileです。

キースイッチは遊舎工房にて購入。

Keychron V10は87キーあるので35個入を3セット購入しましたが、1個だけ押した感触がガクガクするスイッチが混ざっていました。 品質こんなもんなの?

静音キースイッチは仕組み上シリコンのダンパーがついてるのでキータッチに不安がありましたが、嫌いな感じではないので私は大丈夫でした。音も静かになって、タクタイル感があって満足しています。とはいえ、人によっては受け付けないかもな…とは思います。

パームレスト

Alice Layoutと直線型のパームレストは位置関係が合わないため、分割パームレストを検討しました。

とりあえず今のパームレストを切断して試して、良ければ買い換えるつもりでしたが、切断したパームレストで満足してしまったのでそのまま使い続けています。

慣れた?

  • IMEの切り替え
    • Ctrl + Spaceに慣れた
  • 記号
    • 慣れてきたけど、JIS配列のキーボードもよく使うため、間違えてJISキーの記号位置タイプしたり、JISキーでUSキーの位置タイプしたりしてる
  • Alice Layout
    • 別に困らない

ということで、まだまだ使いそうです。

つまりこれ以上キーボードを買い足したりキースイッチ買い足さないのでまだ沼には入ってないってことですよね!

YAPC::Hiroshima 2024 に行ってきた

YAPC::Hiroshima 2024に行ってきました。

人生初のYAPCです。

Perlを書いてたのは若かりし頃で、あれから10年以上の月日が流れています。

聞いたトークの感想を。

入門EOL対応 ~SREが鉄板の流れ全部見せます編~

https://speakerdeck.com/ryuichi1208/ru-men-eoldui-ying

EOL、息の長いサービスとかを作っていると避けては通れなくて何度も遭遇してきていますが、こうして体系立てた内容を見たのは初めてでした。

EOL対応って評価されづらかったり、ステークホルダー探しも過去の経緯を発掘しないと分からなかったりと、苦しみも多いですが、技術を深く知る機会だったと気付かされました。

特にEOL対応で知る技術って、ちょっとした変更にも深い理由があったりするので、よりローレベルなレイヤへの理解を深めるキッカケになっていたなぁ、と。

経営・意思・エンジニアリング

https://tech.layerx.co.jp/entry/2024/02/11/170000

ありとあらゆるものがモジュールとみなされ、モジュール間にはインタフェースがあり・・・という経営というある種別世界を「ソフトウェア的思考」のレンズで見た。という感じでした。

組織間のインタフェースを作り込みをリファクタリングができる範囲に留める、は本当にそうだなぁと。

あんまり局所的に最適化しすぎると、変化が許容できないインタフェースになってること多いと気付かされました。

技術的負債、たしかに事業に追従できていて利益を出し続けているなら必要悪でもいいんだよなぁとか。本当に改修が必要ない場合に限るぞ!絶対にだぞ!

Amazon ECSで好きなだけ検証環境を起動できるOSSの設計・実装・運用

https://speakerdeck.com/fujiwara3/yapc-hiroshima-2024

「あのブランチの環境があとn個ほしい」と思い続けている私にぴったりの話でした。

エンジニアが対応すればさくっとデプロイされる・・・は、できていましたが、非エンジニアが立てられる・・・は実現したいことのひとつです。

まずはmirage-ecs使ってみないと。。。

"人は永続ストレージを管理したくない" 本当にそう。

永続ストレージなしで動かせるようにしておく、という思想はぜひ真似させていただきたいです。

変更容易性と理解容易性を支える自動テスト

https://speakerdeck.com/twada/automated-test-knowledge-from-savanna-202402-yapc-hiroshima-edition

ユニットテストって何?どこまでがユニットテスト

この問いへの答えが揃わないことへの回答があった。

テストサイズという回答は従来よりずっと分かりやすいし、ブレが減ると感じました(とはいえMediumの範囲もまた難しいとも思ってしまいました。でっかいコンテナ作りすぎないようにしたい)。

あとはテストコードのない既存プロダクトにテスト自動化を導入していくには?に悩んでいたので、テストダブルを活用して徐々にサイズダウン(人力 → Large → Medium → Small)していく方法を知ることができてよかった。

好きな技術《コト》で、生きていく技術

https://speakerdeck.com/aereal/hao-kinaji-shu-koto-de-sheng-kiteikuji-shu

解像度を高める、仲間を増やす、手札を増やす・・・年齢を重ねるごとに本当にこれなんだろうな。と感じていたものが言語化されていました。

なにか新しいものを自身の仕事に取り入れたいときやるべきことってこうなるよなぁ。と。

解像度を高める、仲間を増やす、手札を増やす、これからも続けていきたいです。

古い技術について—SMTP現代事情つまみ食い—

https://speakerdeck.com/azumakuniyuki/gu-iji-shu-nituite-smtpxian-dai-shi-qing-tumamishi-i

ちょうど欲しかった。

SMTPからはできるだけ距離をとって生きてきたつもりでしたが、ちょうど向き合う時が来ていたので・・・

こんな分かりやすく解説されてるの遭遇したことありませんよホント。ありがとうございます。

現地の聴衆多かったし、質疑応答で相談会?が始まってて仲間がたくさんいることが分かって嬉しかったです

特別企画

GitHub Copilotの文脈でt_wadaさんが話されていた、キャリアを進めると可処分時間がなくなるから任せるものを増やしたほうがいい。という話は本当に最近痛感しているので、可処分時間の使い方とはもっと向き合っていきたいです。

家族との時間が増えて、自分だけの時間が今まででは信じられないくらい取れなくなりつつあるので、本当に本当に気をつけたい。

キーノート

とほほのWWW入門の、あの、あの杜甫々さん!

多少ルーズでもシンプルなものは普及しやすい

経験から来るこの言葉は刺さるものがありました。

あと、--jsonオプション私もほしくなりました。kubectlとかについてて便利なんですよねアレ。

懇親会

お話していただいたみなさま、ありがとうございました!

YAPC限定ビールが幸せすぎたので、今度お店行ってみます。

たぶんここだったはず。

おわりに

継続することで見えてくるものや、挑戦することで見えるものがある、と気付かされるイベントでした。

YouTubeで見ても同じトークは見られたかもしれませんが、現地だからこそ得られた熱量があった気がします。

ふと確認すると、このブログもはてなダイアリー時代から14年近く続いているようです。

歩みの遅い時期もあるとは思いますが、これからも挑戦とアウトプットを継続していきたいですね。

USキーボード初挑戦めも(Keychron V10)

USキーボード初挑戦めも(Keychron V10)

USキーボードを導入したので、闘い(?)の記録を残します。

モチベーション

  • Vimユーザーなので [ ] が左右に並ぶ配列が打ちやすそうに見えてた
  • 安価なPCやミニPCがUS配列のモデルが増えてきた結果、「欲しいけどJIS配列じゃないから買えない」なんてパターンに遭遇することが増えた
  • キーボード購入時の選択肢を広げたい
  • なんだかかっこいい

キーボード選び

以下条件にマッチするものを探します。

  • F1~F12キーがある
  • テンキーレス
  • キーストロークが深い
  • キーマップが変更できる
  • 他のキーボードが使えなくなるようなクセがないレイアウト

買った

Keychron V10 を購入しました。

Keychron V10 (Alice Layout) QMK Custom Mechanical Keyboardwww.keychron.com

Alice Layout が特徴的なキーボードですが、タイピングに関して特殊な癖はないので左右に距離があっても困らない…はずです。

Keychronは日本向け(.jp)とグローバル(.com)のサイトがあるのですが、購入時により安価だった.jpで購入しました。

購入時価格は送料無料の 16,224円 でした。

つなげて終わり、じゃないんだよ

いろいろな理由から、JIS配列のキーボードとして認識&入力されるようにします。

  • OSのキーボード設定がJIS配列
  • やんごとない理由で OSの設定が変更できないPCあり
  • JIS配列のノートPCを使うこともあるため、OSの設定をUS配列にできない

Kiriで頑張ってみる(※断念しました)

以前↓作成したキーマップ入れ替え用のRaspberry Piに手を入れて、キーマッピングしてみます。

aose.hatenablog.jp

KiriはRaspberry PiをPCをキーボードの間に挟み込むように接続することで、キーをリマップできます。

リマップ用にコードを修正している途中で気づいたのですが、kiriだと問題が発生しました。

  • キーボード以外のデバイスとして認識させる必要のあるデバイスが使えない
  • Shiftキーありで押下するけど、リマップ先ではShiftのいらないキー押下にしたいやつは対応してない
    • @ はUS配列では Shift+2 だけどJIS配列では @ キーのみ
    • 自分でコードを直せばいいんだろうけど面倒

QMK Firmwareを焼き直してみる

Keychron V10は、QMK Firmwareによるファームウェア改造が可能です。

他のキーボードで今回やりたいことを作ってる方がいたので、Keychron V10のファームウェアを焼き直して改造してみます。

https://github.com/eswai/qmk_firmware/blob/master/keyboards/eswai/anhedral67/keymaps/srlby2/twpair_on_jis.c

ファームウェア修正

まずは手元で標準のファームウェアコンパイルして焼いてみて、正常に動作することを確認します。

参考: https://docs.qmk.fm/#/newbs_getting_started

sudo apt install python3-pip
python3 -m pip install --user qmk
echo 'PATH="$HOME/.local/bin:$PATH"' >> $HOME/.bashrc && source $HOME/.bashrc
git clone https://github.com/qmk/qmk_firmware.git
cd qmk_firmware
qmk compile -kb keyboards/keychron/v10/ansi_encoder -km via

Keychronのファームウェア更新手順をもとに、作成したファームウェアをQMK Toolboxで焼きます。 https://www.keychron.com/blogs/archived/how-to-factory-reset-or-flash-your-qmk-via-enabled-keychron-v10-keyboard

手元の環境でコンパイルしたファームウェアでも正常に動作することが確認できたので、早速修正してきます。

一度素のファームウェアを消して。。。

make clean

修正してコンパイルします

cd ./keyboards/keychron/v10/ansi_encoder/keymaps/via
wget 'https://raw.githubusercontent.com/eswai/qmk_firmware/master/keyboards/eswai/anhedral67/keymaps/srlby2/twpair_on_jis.h'
wget 'https://raw.githubusercontent.com/eswai/qmk_firmware/master/keyboards/eswai/anhedral67/keymaps/srlby2/twpair_on_jis.c'

keymap.c を修正

git diff keymap.c
diff --git a/keyboards/keychron/v10/ansi_encoder/keymaps/via/keymap.c b/keyboards/keychron/v10/ansi_encoder/keymaps/via/keymap.c
index 939edd9548..83b791fad1 100644
--- a/keyboards/keychron/v10/ansi_encoder/keymaps/via/keymap.c
+++ b/keyboards/keychron/v10/ansi_encoder/keymaps/via/keymap.c
@@ -15,6 +15,7 @@
  */

 #include QMK_KEYBOARD_H
+#include "twpair_on_jis.h"

 // clang-format off

@@ -70,3 +71,7 @@ const uint16_t PROGMEM encoder_map[][NUM_ENCODERS][NUM_DIRECTIONS] = {
     [WIN_FN]   = { ENCODER_CCW_CW(RGB_VAD, RGB_VAI) }
 };
 #endif // ENCODER_MAP_ENABLE
+
+bool process_record_user(uint16_t keycode, keyrecord_t *record) {
+    return twpair_on_jis(keycode, record);
+}

rules.mk を修正

git diff rules.mk
diff --git a/keyboards/keychron/v10/ansi_encoder/keymaps/via/rules.mk b/keyboards/keychron/v10/ansi_encoder/keymaps/via/rules.mk
index f1adcab005..2e4c158240 100644
--- a/keyboards/keychron/v10/ansi_encoder/keymaps/via/rules.mk
+++ b/keyboards/keychron/v10/ansi_encoder/keymaps/via/rules.mk
@@ -1,2 +1,3 @@
 VIA_ENABLE = yes
 ENCODER_MAP_ENABLE = yes
+SRC +=  twpair_on_jis.c

コンパイル

qmk compile -kb keychron/v10/ansi_encoder -km via

できた!

Shift + 2 キーを入力すると、PCではUS配列の表記どおり @ が入力されました!

VIAによるキーリマップ

QMK Firmwareなので、最低限のキーリマップを設定します。

あんまりカスタマイズすると、普通の英語キーボードがつかえなくなるので最低限です。

  • CapsLock -> LCtrl
  • LCtrl -> RCtrl
  • RAlt -> LWin

IMEのオン・オフ設定

最初 Shift + Space を設定しましたが、IMEオンのときに半角スペースを入力するときに使用するキーです。

一気にタイプミスが増えてしまったので、現在は Ctrl + Space に変更しました。

感想

Alice Layout 自体は自然に使うことができました。

あとはUS配列の狭いEnterキーと記号の位置さえ慣れれば…といったところです。

これは時間が解決してくれるでしょう。たぶん。

自転車リフレッシュ作業めも

近場の足に使っているクロスバイクがいろいろと不調になってきたので、先日「この際まとめて変えてしまおう!」という感じでコンポーネントほぼ一式を自分で交換しました。

購入したもの、作業などを自分用にメモしておきます。

工具

自転車専用の工具だけを買いそろえた感じです。

ワイヤーカッターは持ってたので今回購入なし。

他の工具はだいたい持ってました。

品名 備考
シマノ プレミアムグリス 100gって結構ある。使い切れる気がしない
BIKE HAND 工具セット YC-728 個別に買うことも検討したが、セットの方が安かった
SK11 デジタルトルクレンチ SDT3-060 アルミ相手に締め付ける箇所も結構あったので購入してみた。結構予想と違ってたので、感覚に頼らなくて正解だったみたい

パーツ

シマノクラリスで統一しました。 ブレーキキャリパーはフレームの都合で使えないので元のテクトロのまま。 引き幅が微妙に違うけど乗った感じ許容範囲だったのでヨシとします。

パーツ 型番 備考
シフター(シフトブレーキレバー) ST-RS200 2x8の左右セットを購入。シフトワイヤー、ブレーキワイヤーどちらもインナーケーブル、アウターケーブル両方付属していた
フロントディレイラー FD-R2000-B バンドタイプ
リアディレイラー RD-R2000-SS SSとGSがあるけど、リアスプロケットの歯数的にSS(ショートケージ)でOKだった
クランク FC-R2000CG クランク長は身長から算出できる。170mmを選択。手軽に乗りたいのでチェーンガード付にした
ボトムブラケット BB-RS500 フレームのブラケットの幅にあったものが必要
ギアハンガー GH-259 いわゆる社外品。付属の皿ネジは問題あり。皿部分のサイズが大きすぎて飛び出る。結局元のネジを使った
チェーン CN-HG40 上位モデルHG71もあるけど、錆に強いだけみたいなので安いほうで
リアスプロケット CS-HG50-8 11-28Tにした
ペダル ADEPT METROPOLITAN AL オーバーホールできないのは不満だけど、一度は買ってみたかった自己潤滑性樹脂ベアリング

組んでて思ったこと

シマノのディーラーマニュアル見ながら組めばだいたい組めるんだけど、ディレイラーのワイヤーの最初の張り具合とか感覚値だったのでどうにかしてほしかった。

ディレイラーのワイヤーは思ったより強めに張っておく必要があった。張りが甘いとディレイラーの調整幅で調整しきれなくて焦る。

作業箇所すべてが締め付けトルクみたいに再現性があるといいんだけど、自転車って感覚で説明されること多いのが悩み。ペダルのオーバーホールしたときも悩ましかった。。。

所感

リフレッシュ前も十分軽快だったのですが、軽々と今まで以上のスピードが出るようになりました。 これは通勤・買い物なんでもできそう。

スピードレンジあがりそうだし、ヘルメット買わないといけませんね。