茂木健一郎+米本昌平+桑原茂一

『クオリア日記』には、時間があれば追走日記でも書きたいくらいに連日驚かされているが、今日の日記「素敵なヒト、かっこいいバー」を見て驚愕した。昨夜、米本昌平と初めて出会い、それを引き合わせた「目利き」が、かの桑原茂一だということだ。赤坂の猿之助の店での米本さんが語る話は、着流しが似合いそうな彼の出自としては、あまりにも出来すぎている。。。流れは「howl the bar」へ。この出逢いの対談はどこで発表されるのだろうか?「しんゆり通信」も先月だか?突然upされて、そのままフォローアップされてないようだし。。このふたりの話の行方がひどく気になる。こういう出逢いを考えたのが桑原さんだったことが、なぜがちょっとうれしい。

平川紀道「GLOBAL BEARING」

『 GLOBAL BEARING 』という作品でNHK「デジスタ」(2004/10/30 OA)にノミネートされてた平川紀道さんという美大生が、自己のblog「rand()%THOUGHT」で、『デジスタの講評に一言 』という論考を寄せている。書き出しにはこう記されている。

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収録中には自分の制作意図を伝える余地が無かったし、
NHK用に脚色されている感が否めないので、ここで意思表示したい。
キューレーターの皆さんから「そこで生活している人の映像が見たい」とか
「指している国の人口が分かるといい」という意見が出ている。
が、自分としてはあえてそれをしなかった理由を主張する機会が欲しいところだ。

"GLOBAL BEARING"で一番重要視したのは、体験者の「想像力」に働きかけることだ。
キュレーターの方々が言うように、人口や何らかの情報を乗せることは簡単であるが、
それでは体験者の「想像力」に働きかけることはできない。

では、なぜ「想像力」なのか。
今の時代、一国の人口など10秒もあればネットで調べられる。
しかし、そこには何の感動もない。
坂本竜馬が思い描いたような「世界」はそこにはない。
現代に欠如しているのは、「想像すること」だ。
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茂木健一郎の『脳と仮想』に言及した後、こう結語する。

"GLOBAL BEARING"を「表現」と言い切るには、ここら辺のバックグラウンドが必要だ。
あの作品が科学博物館でなく、美術館に置かれるべき理由。
それは、何度も言うが「想像すること」を促すからである。
その「想像」は空間にとどまらない。
その「体験」は時間に拘束されない。
デジスタのキュレーター陣が言うように作れば、
それは、押し付けがましい装置になるだけだと思っている。

と言いつつも、そう言われてしまうということは、自分の力量不足。
バージョンアップの作業に戻るとする。

[memo] 久保田晃弘・監修『ポスト・テクノ(ロジー)ミュージック』(2001/大村書店)isbn:4756320260

久保田晃弘 websitehttp://homepage2.nifty.com/~bota/
⇒装丁 『The Designers Republic/uk 』
【目次】
デジタル表現の四つの特徴―ポスト・テクノ(ロジー)ミュージック序論
※「オーヴァル・プロセス」
テクノ(ロジー)の社会学
「反復だからといって退屈とは限らない」―ジャズ、テクノなどにおける反復性の不確かな評価について
今日のポップ・ミュージックにおけるデジタル性の諸問題―サンプリング、サウンド・エフェクト、サウンド・デザイン
表現メディアとしてのコンピュータとネットワーク
「音楽」の消滅とその"痕跡"
「革命」はインターネットではストリームされない
私にとっての機械仕掛けの神、または単なるツール・ボックス
ネットワーク上の音楽スタジオ―GNUsicプロジェクトの意味を再考する
オヴァルプロセス講義―オヴァル的メソッドとその音楽アプローチ〔ほか〕
⇒関連イベント:『TOTAL DIGITAL 』(1998/10/16-23)
主催:慶應義塾大学アート・センター(前田冨士男/足立典子/小坂智子)/東京ドイツ文化センター(マルクス・ヴェルンハルト/山口真樹子)
※超デジタル −テクノカルチャー/ネットカルチャー
ここに行われるシンポジウムは、テクノ、ポップ・カルチャーそしてネットカルチャーを現代の広い文脈のなかでとらえようとする試みだ。デジタル・メディアによる音楽制作や芸術創作の局面と展望は、それらが属する社会制度との直接的な関連だけでとらえるべきではない。デジタル・メディアが新しいコミュニケーションを創出している今日、その特性を多様な立場から考察し、20/21世紀文化の現在と未来に果たす役割を明らかにする必要があるだろう。 日本とドイツのアーティスト、ミュージシャンおよび評論家、研究者が、テーマごとにフォーラムを作り、ポップ・カルチャーについて意見を交わす。

●10月17日[土]
13:00-15:00 パネル 1「テクノと社会──日本とドイツのクラブシーン」  
ディードリヒ・ディーデリヒセン、メルツェデス・ブンツ、KEN=GO→、Por-Zack、トム・ホラート、MOOKY向坂、石橋源士(司会)
15:30-18:00 パネル 2「音・身体・メディア──テクノをめぐる言説」
トム・ホラート、椹木野衣陣野俊史、瀬藤康嗣、アンネ・フィリッピ、アルミン・メドッシュ、足立典子(司会)
●10月18日 [日]
13:00-15:00 パネル 3「テクノという商品──若者文化と経済」
アンネ・フィリッピ、野田努佐久間英夫(予定)、トム・ホラート、ディードリヒ・ディーデリヒセン、佐々木敦(司会)
15:30-18:00 パネル 4「表現メディアとしてのコンピュータとネットワーク」
アルミン・メドッシュ、岩井俊雄、小崎哲哉、瀬藤康嗣、メルツェデス・ブンツ、久保田晃弘(司会)
来日アーティスト(マーカス・ポップ、トーマス・ケーナー、カールステン・ニコライ、アン ディ・メルヴィヒ他)は、パネル3、4に参加予定。