うつくしい人

先日読んだ同じ著者の「通天閣*1や、まだ最後まで読んでないけれどちょっと読み始めたエッセイがすごく愉快な調子で書かれていたので、この本のタッチの違いにまずは驚いた。しかし、このあいだyukkekoさんが日記吉本ばななさんの話をされていたときに

ばななさんは読者に対して深く掘り下げて読んでもらわなくてもかまわない。ふっと心が軽くなるとかそんなかんじでいいと言っておられました(意訳)。自殺を一旦思いとどまるとかそれでいいのだというかんじ。ただし気持ちのいいことだけ書いてあってもそれを読んで自殺は止まらない。苦しみとか苦痛とかが入っていないと、人間は絶対救われないと断言されていました。

と書いてくださっていた言葉が心に残っていたのだけど、この本もそういう感じで、苦痛の部分をちゃんと書いてるからこそ・・というところがある。その苦痛は共感でき過ぎて痛いほどだったんだけど。

うつくしい人

うつくしい人

俺はモテても困らない ひまわりっ 4・5・6巻

松尾スズキ東村アキコ、二人の共通点は今村昌平の「楢山節考」を強くプッシュしているところ。なんだかしんどそうで避けてきていたけれどみたほうがいいんだろうなあ・・
松尾さんのものもだけど身辺のことを書き綴ったブログとか連載とか、まとめて読んだ方が楽しい。その時読めば同時性の楽しさはあるのだろうけれどやっぱり重ねていくおもしろみがある。
ひまわりっ」は、太宰治じゃないけれどお父さんの「子供より親が大事と思いたい」ってところがよくて自分のこどもも「○○女史」「○○選手」と呼びたくなる。あと副主任とエビちゃんが、状況を説明するためのコントが毎回なんかすごくよくて、「ガラスの仮面」ばりに木の精になるところなど、もともとのシーンが妙におごそかでツッコミづらかっただけにより一層ウケてしまう。

ひまわりっ ~健一レジェンド~(4) (モーニング KC)

ひまわりっ ~健一レジェンド~(4) (モーニング KC)

ひまわりっ ~健一レジェンド~(5) (モーニング KC)

ひまわりっ ~健一レジェンド~(5) (モーニング KC)

ひまわりっ ~健一レジェンド~(6) (モーニング KC)

ひまわりっ ~健一レジェンド~(6) (モーニング KC)