先日見てなかなかよかった「ニール・サイモンのキャッシュマン」*1のビデオパッケージに「グッバイガール」と同じスタッフが贈る、という風に表現してあったので、こちらをみてみることにした。
ビデオにはさまれた田沼雄一氏の解説では「往年のハリウッド映画が好んで量産していった(ボーイ・ミーツ・ガール)映画の今日的再生産の映画である。」としたうえで、公開当時のニューズウィーク誌の映画批評家デビッド・アンセンの言葉として
ほどほどに甘くほろ苦いコメディで、サイモンのファンを喜ばせることは間違いないが、彼に批判的な人々が機を変えることもまずなさそうだ
(77年12月5日号「70年代アメリカン・シネマ103」フィルムアート社より引用とのこと)
という文章を載せている。
70年代のニューヨークの空気が伝わるのは楽しいし、このストーリーの結末のまま続いてほしいと思いつつも、ウディ・アレンなんかのひねくれたラブストーリーをみつけていると、このあと波乱がありそうに思ってしまう。ウディ・アレンだったらここまでをもう少し手短かにまとめて、もうひと波乱あってからおもしろくまとめそう。。
ただ、演劇人の物語であり、たくさんの名作からの引用があるのはとてもおもしろい。女の子のせりふの中に出てくるスペンサー・トレイシーや、男性の演じた「リチャード三世」も元のオーソドックスなものをみておいたらさらに楽しめるだろうなと思った。