特選!!米朝落語全集 第十六集

一　三枚起請　平成二年十月二十三日　大阪コスモ証券ホールにて収録
二　つる　平成三年二月十九日　大阪コスモ証券ホールにて収録

小さい時米朝さんはテレビにもよく出ておられ、一般人と落語の距離ももっと短かったように思う。洋画劇場がしょっちゅうテレビでやっていたようにしっかり見るのでなくても子どもでもなんとなく接してなじんでいるという感じ。
米朝さんがお亡くなりになって、追悼番組で改めて聴く落語がわかりやすく楽しく、もっときいていく上でどれからきいたらいいか米朝さんのファンの友人にたずねたら、米朝さんに好きな噺を選ぶとしたらどれでしょう、ということでインタビューを受けられた時に、挙げておられたような気がすると教えてもらったのが「つる」。タイトルだけではピンとこなかったけれど、きいたら、小学生時分にもきいて楽しんでいた題材では？というなつかしさがあった。こわさを知らない小学生ならちょっと真似したくなるような17分18秒のおはなし。これを米朝さんが推されるのもまた肩の力が抜けていて楽しい。
（CDについている権藤芳一さんの解説によると「つる」は、米朝さんの師匠である米団治が「短い中に話術のほとんどすべてのテクニックが揃っていて落語のエッセンス」と語っておられたと米朝さんの書いたものにあるとか。権藤さんいわく、「名人の一と筆書きのような味」とのことだが、ほんとにその通り。）

「三枚起請」の方はドラマ「タイガー＆ドラゴン」でこれがテーマになっている回があったけれど、落語を通して聴いてからもう一回ドラマみたらまたもっと楽しめそうな気がする。

特選!! 米朝 落語全集 第十六集