ニャ夢ウェイ 4

ニャ夢ウェイ、松尾さんの飼ってた「オロチ」という猫のからはじまって、「オロチ」が元妻にもっていかれてから「チース」という猫がきたのだけど、3巻*1で二代目猫「チース」がはじめてあらわれたときはなんか落ち着かなかったのだけど、この巻での「チース」の描写みていると、なんか「チース」、やることがうちの飼いネコにそっくりで・・(淡々としているところ、外をみるのが趣味ってところ)むしろ「チース」派みたいな感じで読みはじめていたのに。。最後「チース」の話も出なくなる。。ある意味未来的な猫コミック。いろんな作品のパロディーで話が進むパターンたくさんあって、今回は病院の待合室なんかにポンとおいてあるメンタルヘルスの小冊子風のとか萩尾望都風の行司ギムナジウムものとかおもしろかった。

ニャ夢ウェイ 4

ニャ夢ウェイ 4

ジャコ萬と鉄

1964年深作版。すごい躍動感。モノクロの画面作りも素晴らしい。ニシン漁の漁師頭一家の話だが、そういう男の現場に無縁な人間でも入り込める表現のうまさ。ジャコ萬のすごい存在感。精悍で、今までみた丹波哲郎の作品の中で一番輝いているかも。後年の飄々たる感じとはまるで違う。あれはあれで好きだけど。相手役の高千穂ひづるもすごい。
若い時の高倉健、軽妙な演技もされているときいたことがあるけれど、これがまさしくそう。
「麗猫伝説」*1でおみかけした入江若葉、意外なほど溌剌とした役で出てこられている。
敗戦の後、なんとかかんとかして生きていっている人々の姿が愛おしい。入江若葉は、健さんの亡くなった戦友の妹さんだけど、その家とのかかわり方もとてもいい。言葉を重ねるのでなく黙って一緒に体を動かす・・というところが。全体に流れているそういう思想がまたよかった。
黒澤明谷口千吉の脚本とあったが、一人、漁師風でない男「大阪」の配置の仕方も黒澤流な感じがあってとても好ましかった。
浦辺粂子南田洋子大坂志郎山形勲・・そして多くの漁師たち・・みながその役そのものでよい仕事をしている。

ジャコ萬と鉄 [DVD]

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