子供たちの王様

同じチェン・カイコー監督の「大閲兵」*1をみたときも感じたが、まるで観察映画の趣きで、遠いところから状況をみるようなカメラづかい。あまり説明なしで観客がみていくことで話を理解するような流れ。ビデオジャケットに「映像の詩人」という言葉が書かれているけれど、建物を遠くから映してそこに立っている人の気持ちをあらわしたり、少しイランのアッバス・キアロスタミ監督のことも思い出したりした。(キアロスタミ監督の方が撮っておいてウィンクしているようないたずらっぽい気配は感じるのだけど)
wikipediaチェン・カイコー監督の項(こちら)をみていると、紅衛兵の時代に父親を糾弾した旨の記述があるけれど、自分のバックグラウンドにもがいてしまい社会運動にも少し加わった太宰治の姿を思い出したりもした。この映画も「北京ヴァイオリン*2も父が次代に託す思いが強調具合は違うにしろベースに描かれていて監督の思いを感じる。

子供たちの王様 [VHS]

子供たちの王様 [VHS]

  • 発売日: 1991/03/23
  • メディア: VHS

カーテンコール

マイケル・ケイン目当てで鑑賞。舞台劇のバックステージもの。ある別荘での鉢合わせドタバタ劇を演じている劇団員同士の私的な事情が舞台に影響を与えつつもギリギリの均衡でやりとげていく、そのバランスがよい。ずっとステージ裏から無言劇のように続くところが特に好き。

カーテンコール?ただいま舞台は戦闘状態? [VHS]

カーテンコール?ただいま舞台は戦闘状態? [VHS]

水墨画のアニメーション

ママ!?ママはどこ?〜おたまじゃくしの大冒険【おたまじゃくしがお母さんを探す】
“小蝌蚪找媽媽”(1960) 特偉,15m.
仔鹿と少女と鈴の音“鹿鈴”(1982) 唐澄,20m.
山の音・琴の詩【琴と少年】“山水情”(1988) 特偉,19m.

の三篇収録
特偉という人は少し前、持永只仁という方のドキュメンタリー*1で、持永さんの盟友として紹介されていた。
またこの日本語版ビデオは持永さんの監修でまとめられている。

おたまじゃくしのは、みたことがあったが、ほんと美しいタッチだ。こどもがみて楽しめるようにか、このビデオではジュディ・オングのナレーションがはいっていた。

特偉のアニメーションをしっかりみようという目的でみたにもかかわらず、私が一番好きだったのは「鹿鈴」。唐澄という人の作品。女の子と小鹿の交流ものだけど、動物を飼っているものには心にしみる鹿の動き。女の子の絵は少し松田洋子さんの描く絵に似ている。