ストラングラー 猟奇マザコン絞殺魔

「歌っているのはだれ?」*1が心に残った旧ユーゴスラヴィア スロボダン・シャン監督作品。絞殺魔の話だけど基本コメディ。カーネーションを売るマザコン中年絞殺魔。ものすごく「サイコ」な感じなんだけど、なんか次々妙な展開をしていき、こわいというより、どうしちゃったんだ・・と、びっくりの連続。これ、ノリのあう人と一緒に鑑賞したらかなりおもしろいと思う。どんどん人が死んでいくのに妙に上品な各章のプロローグ場面とか、こういう展開になるのかなとこっちが思ったとたん裏切り続けられる感じとかなんとも不思議な風合い。

大都市とは犯罪の記録でではかられるというまじめくさった声での解説の後、のぞき犯が黒澤映画から「ラショーモン」と呼ばれているという紹介。わたしがかっちりわからないところでもたくさん映画の引用がありそう。監督はかなり映画好きとみている。

絞殺魔のお母さんが留守番中かわいいアニメをみていてゲラゲラ笑っているのに絞殺魔の帰宅と共にチャンネルを海洋生物ドキュメンタリーに変えおごそかな顔をする奇妙な芸の細かさ。

なんか普段と目にしているのとは全然違うノリの笑いが、妙に淡々と演じられていたりして、おもしろいんだか、ダークなんだか、というこの空気、「キラー・コンドーム」も思い出したりした。

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