2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

三谷幸喜のありふれた生活 14 いくさ上手

このコラムで好きなのは、過去の名優名画などのことを取り上げている時。今回は「アラモ」のみくらべ。史実からは跳躍しているが、構成がおもしろいジョン・ウェイン版。ディビー・クロケットという名前、ディズニーの唄でしか知らなかった。(和田誠さんの…

ショパンコンクールを聴く

ショパン・コンクールを聴く作者: 舩倉武一出版社/メーカー: アルファベータブックス発売日: 2016/05/25メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る少し前にショパンコンクールで使うピアノの調律師の方のドキュメンタリーをみたこ…

變臉(へんめん)/この櫂に手をそえて

「変面」という一瞬のうちにマスクを変えて表現していく一子相伝の中国の伝統芸能を披露しているお年寄りのひっそりとした舟の上の暮らし。後継ぎを希求するところから一人の子供と出会うが・・何人もの人に売られてきたという子供の生きる力のリアリティ、…

信長協奏曲 14

大河ドラマ「真田丸」を必死でみている故、このコミックを読んでいるとパラレルワールドにいるような心地に。秀吉の弟秀長、こちらでは兄の様子をクールに観察している風に描かれているが、「真田丸」ではどちらかというと温厚で、秀吉の暴走を止めたりする…

人間失格

映像は美しかったけれどこの映画をみるより太宰治の文章を読んだ方が間違いなく心に沁みる・・原作で印象に残っている「ワザ」という言葉をささやくのが柄本佑でそこらへんをみている時は期待感が大きかったのだけど・・ 企画協力のところに羽仁未央さんのお…

にっぽん戦後史 マダムおんぼろの生活

横須賀の米国人相手のバーおんぼろのママへのインタビュー まとめ方としてママの生きてきた時代のニュース報道映像をまぜてママのコメントも載せていっている。 差別の問題、そして、たとえばご成婚ニュースなどでもあっけらかんとママのおしゃべりが語られ…

愛と精霊の家

「サンチャゴに雨が降る」*1で知ったチリ革命関連の映画。ベルトルッチの「1900年」*2のような、家族と革命の物語。そこに南米らしく精霊の物語をからませて話が進んでいく。苦労して裕福になって農民を支配する家長であるジェレミー・アイアンズの演技は圧…

ママゴト 2

テレビドラマになった方もとてもよくできていて、作者の松田洋子さんがtwitterで応援されていた。主題歌に使われたTHE BLUE HEARTSの「ナビゲーター」がぴったり合っていて。 この巻では預かった子タイジとの生活がハリになってきたバーの映子ママが、本当の…

神に選ばれし無敵の男

美術や音楽の構成が徹底していて、はりつめた美しさでため息が出るほど素晴らしかった。ティム・ロス扮するハヌッセンの夢の朽ちる寸前の美にも圧倒されるし、「神に選ばれし無敵の男」であった、素朴な男ジシェと弟ベンジャミンの、真実をみつめる瞳にもう…

世代

アンジェイ・ワイダ監督のデビュー作。ドイツ占領軍へのポーランド側の抵抗運動に、ごく青年らしい人と人とのつながりから参加する人々。みな市民でその戦い方のアマチュアっぽさにリアリティがある。権力を持つもののこわさ、権力の側にある人間は有無をい…

甘い罠

若松孝二監督生誕80年祭ということで、若松プロダクションのページで初監督作品の「甘い罠」が公開されている。盟友足立正生監督や宮台真司氏等々のコメントも一緒に公開されているが、若松監督らしくない基礎の映画の文法に則って作られた作品とのことで…

てんまると家族絵日記 3,4

「ペットショップにいくまえに」というフリーペ―パーがもとになった展覧会やそれに賛同された書店で売られている、動物保護活動基金も含む豆本。1,2巻*1を試しに買ってみたらもうほんと声を出して笑ってしまうおもしろさで続きもレティシア書房で購入。大き…

ギケイキ

今まで橋本治さんの「双調平家物語」*1の中でも、また歌舞伎の舞台に出てくる義経にも特に魅力は感じなかったのだけど、これを読んで初めて義経に親しみを感じた。町田さんの描く主人公は「告白」であれ「宿屋めぐり」*2であれ、めちゃくちゃしていてもすご…

平成二十八年度 松竹大歌舞伎 獨道中五十三驛

地元京都造形大学春秋座にて 筋書きの市川猿翁さんの巻頭挨拶にもあるように究極の娯楽作品。途中の口上や、弥次喜多の配置の仕方など観客が迷子にならない工夫が一杯あった。 「東海道中膝栗毛」に着想を得た鶴屋南北が仇討を主軸に「岡崎の猫」や「お半長…

特攻要塞都市 (サンチャゴに雨が降る)

無知にしてチリ・クーデータのことを全然知らなかった。1973年9月11日軍部反動派によるクーデーター。場所は違えど世界を見渡すと同じようなことが起きているし、他人事ではない怖さもあった。アメリカの9.11の事件の後作られた「セプテンバー11」*1というオ…

The Humbling

アル・パチーノ主演。多くの人にみてもらいたい自身の出演作に挙げている作品。 アクターとして生きてきた人間の、演じていること=人生のような姿。セラピーで会った女の打ち明け話がテネシー・ウィリアムズの戯曲の世界のように思え、若い女と愛を語らうと…

殺し屋たちの挽歌

これは拾い物だった。twitterで、ティム・ロス氏やテレンス・スタンプ氏の話をしていて、ふと追っかけたくなり・・予備知識がなかったのだけど、楽しめた。仲間を法廷で裏切ったテレンス・スタンプ。警察に守られているはずの彼が、ある日昔の仲間の手下、ジ…

バクマン。

神木隆之介氏の表情、細かい演技がすごくいい。楽しめた。20巻もあるという原作が一本の映画にまとまっているということで、端折るところは端折ってあるのだろう、はじめ信じられないほどとんとん拍子に話が進む。でもテンポの良さは気持ちいい。評判にな…

紙の月

テレビドラマでしている時みていたのだけど、角田光代原作らしく人物の描写が容赦なくて、甘ったるい考え方の主人公に近親憎悪的な気持ちも手伝い、どうなるんだ・・と面白くみていた記憶が。ドラマの方では同じ学校を出た仲間同士のそれぞれの、あってもな…

重版出来! 8

作品を世に出すための出版社側の努力・・それが、「儲け」とかいうイヤな感じでなく、「成果」を出すこと・・という風にとらえることができるのは、主人公が、元柔道の選手で、という、ソフトなスポ根設定もきいているな。その加減もうまいなあ。。でも、松…

東京タラレバ娘 6

東京タラレバ娘(6) (Kissコミックス)作者: 東村アキコ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/09/13メディア: Kindle版この商品を含むブログ (2件) を見るKEY、完全にヒーローになっている・・なんやかやいっても王子様降臨系物語だな。救いがなきゃ、…

雪花の虎 3

架空の人物かもしれない鬼小島弥太郎。「いた」方向での話の展開の方が面白い・・だからそっちの説で行く!っていうの、いい。東村さんの取捨選択の判断力、この女主人公、虎にうまく反映されている。雪花の虎 3 (ビッグコミックススペシャル)作者: 東村アキ…

付喪神

御伽草子の「付喪神」を町田康さんが思い切った文にしていてとてもわかりやすい。そして石黒亜矢子さんのコミカルだけど不気味な絵。中学生でも楽しめる感じかも・・このシリーズの他の本堀江敏幸×絵・MARUU「象の草子」 藤野可織×絵・水沢そら「木幡狐」 日…

てんまると家族絵日記 1,2

展覧会や挿絵で石黒亜矢子さんの絵が好きになって、いろいろ調べていたら伊藤潤二さんの奥様だと知り、つまり伊藤さんの描かれた家族でも一番人気の猫マンガ「よん&むー」*1に出てくる奥さんは石黒さんだったのね!と知った時の喜び! こちらの本は「よん&…