日常整理日誌 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2016-04-27

[][][]花とアリス殺人事件

花とアリス*1のストーリーの前日譚。

岩井監督初めての長編アニメ―ション作品、そして「殺人事件」とはどんな感じ?とあまり期待しないでみはじめ、最初はちょっと戸惑いがあったが、アニメ―ションでしか表現できない透明感、生身の人間では絵空事になりかねない甘酸っぱい感じがとてもよく出ていてとても好きな作品になってしまった。「花とアリス」の時もクラシックをベースにしたような音楽がとっちらかった少女たちの日常のバックで流れていてそれがとてもよかったのだけど、今回もあの音楽が使われ、あのテーマをきくと、もう岩井ワールドに持っていかれる。

蒼井優が今回は声優として演じるアリス、わたしが持っていたイメージより最初は活発で、こんな感じだっけ?と思ったのだけど、ぶっきらぼうで何も考えてない魅力っていうのがある女の子、それに対して鈴木杏の花の方は、頭でっかち気味で行動する前に考えすぎて策士策に溺れるみたいなタイプの女の子だったのねと感じられた。そして「花とアリス」の中での花のわけわからない作戦もこういう流れで生まれてきたものかと腑に落ちたりした。

人物の姿がさらっと描かれているのに対比して、町の風景はとてもリアルに描かれていて、はじめはその差異はどういうことかと思ったのだけど、そのタッチの違いで登場人物たちの漂っている感じが出ていてその辺もよかった。

しっかりしているかのようにみえて実は深く考えず目の前のことを対処してやっていってるアリスが花に踊らされ、初老の紳士と出会うくだりは岩井俊二流の「生きる」で、気持ちが持っていかれるなかなか好きなシーンだった。

花とアリス殺人事件 [Blu-ray]

花とアリス殺人事件 [Blu-ray]

2016-03-22

[][][]アダムス・ファミリー

本当にいまさら・・なんだけど、ちゃんとみたことがなかったし、ふや町映画タウンのおすすめリストにもあがっており、真魚八重子さんの映画の本*1でも、ゴス魂の映画として紹介されていたし、みるしかないという感じでみた。

クリスティーナ・リッチの演じた少女がかわいくってたまらない・・少女もの好きな分野かも。。少女のまっすぐなおそろしさのようなものに惹かれる。

コンサバには決してなじまない、パンクで堂々とした一家・・愛すべき感じでとてもよかった。この潮流はウェス・アンダーソンに受け継がれている感じがするなあ。

M.C.ハマー『Addams Groove』が懐かしい・・この映画の主題歌だったんだ・・

みたのはVHS

2015-12-06

[][][][]カラスの飼育

「ミツバチのささやき」の黒目がちのかわいい女の子アナ・トレント主演。まっすぐな姿勢でみつめてくるあの目が孤独な魂を静かに雄弁に演じていた。

服装やたたずまいがとてもすばらしく、どのシーンも絵になる美しさ。(この映画、杉浦さやかさんも「おしゃれの教科書」p94でとりあげておられるが、とりあげられた場面以外も全部絵になる感じ。)

あぶなっかしいほどに思い詰めている少女の物語だけど、それが、柔らかい心ゆえというのがちゃんと伝わり、なにか悲しみと幸せを同時に感じるような瞬間を味わう。アナが生と死の際にたたずむ天使のようにも見える。また周りの大人も必死で弱き存在なんだよというのがきちんと描かれていて、みていて、とても動かされ、物語に入り込む豊かなひとときを過ごせた。

カラスの飼育【字幕版】 [VHS]

カラスの飼育【字幕版】 [VHS]

おしゃれの教科書―女の子のための映画スタイルブック

おしゃれの教科書―女の子のための映画スタイルブック

2015-07-15

[][]ゴーストワールド

公開された翌年くらいに観てとても好きになった作品。wowowで放映していていたのでDVDで保存版作ろうと予約し、もう一度みていた。手持無沙汰な一人の夕ご飯の時に見始めたら入り込んでしまい、画面から離れられなくなる。

ファッションといい、主人公が毒づく対象といい、一々みとれたり、共感したりしながら時を過ごした。前回みたときはなんだか切なさやらもったいなさやらが心に残ったように思うのだけど、今回は、主人公イーニドのああしか振る舞えないところや自己嫌悪、イーニドの周りの人たちの思いがよく見えて、ラストもこうするしかないという気持ちになっていた。

前回観たとき、出てくるブルースのことが知りたくて、プチグラパブリッシングから出ていた本

を買ったので、阿部広野という方の協力のもと小柳帝という方が書かれた音楽のところを再読。

イーニドがはじめはさえないと思っていたブシェミ演じるシーモアのガレージセールで紹介され、とりあえずうちできいてみてぐっときてしまう曲、Skip Jamesの「Devil Got My Woman」。

彼女のためだったら悪魔に魂を売ってもいい、というような訳がついていたけれど、「ホンジークとマージェンカ」*1じゃないか!

落ち込んだイーニドが小さい時からかわいがってきたぬいぐるみを片付け?ながらきいている曲 Patiens and Prudenceの「A smile and A

Ribbon」

砂糖菓子のような感じが「Mr.Sandman」

とかの50年代ソングを思い出すし、「17歳のカルテ」でかかっていた「Downtown」(これは60年代らしい)

とかも思い出す。そのもろさみたいなのも含めて胸に来る。

そして、私が思い出したメジャーな曲群ではないところが、「ゴーストワールド」らしさだなあ。なんとセンスの良い選曲!オールディーズの使い方の意図は似ているかもしれないけれど、「17歳のカルテ」と向かう方向は全然違う感じで。

イーニドの部屋のターンテーブルもかわいらしい。スカーレット・ヨハンソン演じる友人レベッカが張り切って作る部屋との対比、二人に巻き込まれる男の子の友人のジョシュ、ジョシュのバイト先の描写もとてもよい。シーモア宅のレコードコレクター同士の集いでの会話など、様子のわからないものにも楽しめるようにしてありながらも、シーモアの部屋の、コレクターをうならすような作りこみ。ひとつひとつの描写で登場人物を表現し、気持ちが行き届いているおもしろさがある。

※2002年にボードで教えてもらって、みたときの記事はこちら。今回少しは踏み込んでみた気がしていたのだけど、読み返すと、実はあのときとほぼ同じ感想だったのかな?同じところにぐっときているのに驚き。

今回、周りの人物表現に多少は目がいってる気はする。「誘う女」*2あたりでかなんだか好きになってしまって少しだけおっかけて、「グレイス・オブ・マイ・ハート」という映画などもみてみた*3イリーナ・ダグラスも美術教師で出ている。

ゴーストワールド [DVD]

ゴーストワールド [DVD]

*1http://d.hatena.ne.jp/ponyman/20150512/1431440340

*2http://d.hatena.ne.jp/ponyman/20030604/1373122776

*3:どうやらキャロル・キングがモデルになっている映画だったらしい。

2015-07-14

[][][][]舞妓はレディ

京都に住んでいる人間が部屋でみているとちょっとこそばいような、照れるような部分もあるのだけど、うまく「マイ・フェア・レディ」のパロディーの感じで京都のことを紹介している。(「京都の雨はおもに盆地に降る」って!)

一番感心したのは高嶋政宏。まじめなイメージがあったけれど、祇園で遊んでそうな人の感じがとてもよく出ていた。

周防監督は竹中直人が好きなのかな?男衆はもっと地味な人で、一転、あの歌を歌わせたらもっとおもしろかっただろうなあ。たとえば、「鴛鴦歌合戦」の志村喬みたいなテイスト?(戦前の志村さんは後年より軽いイメージという話も耳にするけれど)

「マイ・フェア・レディ」の方で、わたしは最後の恋愛っぽい話があんまり好きではなかったのだけど、その件に関してはこちらの扱い方の方が良かった。

主人公が祖母が鹿児島、祖父が津軽出身で、鹿児島から津軽に引っ越したというような設定だったので東北タグもつけておく。