日常整理日誌 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2018-08-20

[][][]大江戸五人男

昭和26年伊藤大輔監督。「松竹三十周年記念映画とのことで、阪東妻三郎市川右太衛門高峰三枝子山田五十鈴をはじめとして、映画、演劇、歌劇各界のスターを総動員」とビデオジャケットにあるが、豪華な面々。話も、「播州皿屋敷」と「幡随院長兵衛」「魚屋宗五郎」の話がからめてありふくらませてある感じがする。

播州皿屋敷」は劇中劇として出てくる。また「娘道成寺」のようなシーンもあった。

水木あやめという女形役者を演じた河原崎権三郎(のちの三代目権十郎とのこと)という人にほれぼれ。女形の話し方、動作本当に美しい。権三郎のことを調べていて、お父さんの二代目権十郎溝口健二の「残菊物語」の五代目菊五郎を演じ*1、この映画でも劇中劇で青山鉄山役を演じていた*2らしいと知る。

大江戸五人男 [VHS]

大江戸五人男 [VHS]

*1https://www.kabuki.ne.jp/meikandb/sp/omoide/actor/385

*2:お菊」を演じたとなっているものもあるけれど、お菊はこちらの「大江戸五人男」のwikipediaに載っているように権三郎だ。映画クレジットにそう出ている。

2018-08-18

[][][][]ごろつき犬

1965年作品。

天知茂さんの追悼だったかで天知さんの思い出としてこの犬シリーズの「ショボクレ刑事」を挙げる人がいたが、ほんと素晴らしい!今でたとえたら松田龍平のような、クールな美男がオーラを消してしょぼくれている感じが最高!彼なくしてこの作品のコクは出ない。時代が転倒した言い方を続ければ、ルパン三世に出てくる銭形警部*1のようななりをしているけれど、うまく田宮二郎演じる、銃の手さばきに自信のある、軽くて陽性の男鴨井を転がして、自分は影の立役者みたいな渋い役回り。表面上鴨井にしてやられても、なにか鴨井を信頼したような笑顔がとても魅力的。

twitterで感想を書いたら、田宮、天知の掛け合いを生かした藤本義一の脚本のすばらしさもコメントしてもらったが、たとえば大阪の町の人がぽそっというセリフとかもありそうでツボで笑わされた。

江波杏子はクールでモダン水谷良重はちょっと重たみもある女、少々のどろくさいエッセンスに逆に惹かれる部分あり。坂本スミ子はコミカルリリーフ。←良い味。

ダイマルラケットのお二人の登場も嬉しい。昭和40年代くらい平日お昼に朝日放送で流れていたラジオ番組楽しんでいたなあ。(調べたら「ダイマル・ラケットのみんなの歌謡曲」らしい。wikipediaをみていると、ミヤコ蝶々の話で出てくる南都雄二氏も出ていたんだなあ。)

宮口精二さんも掘れば痛いところのある大企業の社長役で登場。贅沢な気がした。

ごろつき犬 [VHS]

ごろつき犬 [VHS]

*1銭形警部wikipedekiaでみていると、原作ではアニメみたいにコケにされるばかりの感じでなくこの作品のショボクレっぽい感じであったようだ。

2018-08-15

[][][][][]小判鮫

映画com

wikipedia衣笠監督のところにはこの作品についてこのように載っているが、*1

1946年昭和21年)、明治開化期の鉄道建設を巡る利権争いを、東宝オールスターで描いた喜劇映画『或る夜の殿様』が戦後第1作となり、翌1947年昭和22年)に島村抱月松井須磨子の恋愛事件を描いた『女優』、オムニバス映画の『四つの恋の物語』第4話を監督後、東宝を退社してフリーとなる。同年、長谷川と山田五十鈴設立した新演伎座の顧問となり、同座製作で『小判鮫』を製作するも、東宝争議もからんで不評となり

自分にはなかなかよく出来た作品に思われた。

長谷川一夫が、歌舞伎役者 中村紅雀と離れ島の役人の息子百太郎の二役をこなす。そして、紅雀の方が、演じる舞台がいくつもあり楽しめる。(多分、揚巻児雷也(衣装がそれ風)、娘道成寺、あと三人で刀のうちあわせをしているようなのは何だろうか。。)中村紅雀は上方芝居とあるけれど、中村座と称していて、紋の図柄銀杏。自分には今の中村座と関連があるようにみえた。

山田五十鈴が軽業師。身のこなし、ちょっとすれた感じなどなかなか良かった。

*1:原典 衣笠貞之助 『わが映画の青春 日本映画史の一側面』 、中央公論社中公新書〉、1977年。とのこと

2018-08-14

[][][][]博多どんたく

博多八丁兵衛という九州博多奇人阪東妻三郎が演じている。昭和23年丸根賛太郎監督作品。

総じて笑いのテンポなどは今と少し違っていたけれど、それがのんびりした空気を出してはいる。

八丁兵衛については八丁兵衛の営んでいた西濱屋のサイトに詳しく載っている。(こちら

この映画の中では、ヨーロッパ専制君主ものので権力者をその目の前で風刺して権力者の広さを試す命がけの道化のような振る舞いをしていた。

福岡が武士の街、博多は町人の街で那珂川によって二分されているということは「ブラタモリ」できいたことがあり、タモリはお堅い福岡側の人間であることをどこか恥じながら語っているニュアンスがあったけれど、この映画での分断ぶりをみて、なるほど、タモリ福岡から出てきたということが芸風の持ち味でもあるなあと思った。

那珂川にかかる橋は一本、町人が福岡にこの橋を渡って入れるのは唯一どんたくの日のみだということで、この映画のクライマックスが博多どんたくに据えられる。ここは大勢の人を使ったダイナミックで迫力のある表現。

浦辺粂子さんが、武家に預けられている薄幸の娘の味方をする役回りで、役柄の演じ方はとてもいいのだけど、博多の言葉が少し違っているように感じた。

2018-08-13

[][][]柳川掘割物語

北原白秋や旅の特集にあるような柳川の美しさを謳った作品かと思いきや、柳川の美しさも伝えつつ、もっともっと見るものの生き方に迫る骨太な物語であった。柳川の掘割が一時汚れてしまっている話はきいたことがある。そして、それをコンクリートで埋め下水道整備という形にしようとほぼ話が決まっていたところ、市の担当者の努力で市民を動かし、自分たちで美しい水を取り戻すという事を一緒に汗を流し一つの水路で実現することによって広めていくことができた物語である。なかなかにできることではない。自分の住んでいるエリアも簡素化簡素化、個個が進み、面倒くさいことから遠ざかる傾向にある。旧来の方法は合理的でないとわかっていながら変える方が大変だからという処理のことも多く、ますます従来の町内会組織などから気持ちが離れる人が増えたり・・結局それを改革する時間が惜しいというところで終わってしまう日々だが、それでいいのかと問われているような、次はみている君たちだよといわれているような気持ちになった。また黒澤映画「生きる」のことなども思い出す。

この映画の精神は高畑監督の「平成狸合戦ぽんぽこ」などにも流れているらしい。かねがね「ぽんぽこ〜」は評判をきいているだけで未見だが、近いうちにみてみたい。