日常整理日誌 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2018-08-30

[][][][]エンタツアチャコの新婚お化け屋敷

宮沢章夫さんのカルチャー論を録画していたものをみていたら、「書を捨てよ、町に出よう」から糸井重里の「本読む馬鹿が、私は好きよ」へ移行する、肉体中心から頭脳への時代の流れという中で、チャップリンなどが源流のからだの動きによる笑いとは違うタモリやいとうせいこうのコンセプチュアルな笑いという話があったのだけど、この映画はまさに体を使った笑いの最たるもの。エンタツの体の動きの軽妙さに終始なごまされる。

エンタツの女房役を演じたのは霧立のぼるさん。名前だけはきいていたけれど可憐なひと。

高勢実乗氏、泥棒役で登場。よい味だ。楽しめた。いつもよく拝見している立派なひげはなかった感じ。

2018-08-25

[]サウダーヂ

オフィシャルページ

2011年 冨田克也監督作品。シャッター商店街が増えた甲府で生きる人々をリアリティあふれる空気で描く。高い評価を受けているのがよくわかる、見せかたのうまさ、描き方の腑に落ちる感じ。ブラジル移民であふれる街で、映画「シティ・オブ・ゴッド」が言及されるが、泥にまみれた世界をひきつける感じで描くのはこの映画も同じ。「サイタマノラッパー」の空気も思い出すが、あちらにある微笑ましさというのは一切排除しているのがこの映画の魅力だ。ケン・ローチみたいに世の中で起こっている問題を描きつつも、答えを簡単に出さない、ストイックに提示だけする雰囲気も安易でなくて良い。

2018-08-23

[][][]水無瀬大山崎〜映画「家路」

先日大阪で若い知人に会った時、水無瀬長谷川書店というところに行きたがっていた。時間の都合で回れなかったのだけど、中村佳穂さんという方のCDが欲しかったからだったそうだった。

教えてもらったyou tubeが力強くて透き通っていてとても良く、また偶然同じタイミングで長谷川書店さんの評判を信頼している方のtwitterで知り、CDを買いに行く事に決めた。

知人が求めていたCDは「GATAGOTO SONG NIGHT SONG」というアルバムで長谷川書店さんで収録されたもの。鉄道の高架下で、常にガタゴトという音がしているそこからつけられた名前だそう。長谷川書店におかれたピアノを使われたという。上のCDの説明のところには以前から気になっていたバンド「ザッハトルテ」のヨース毛さんという方のチェロも一緒に入っているそうで、そのつながりも嬉しくなった。

f:id:ponyman:20180823110946j:imageこのピアノで収録

佳穂さんはCDを一期一会として作られるそうで、基本は再版をされないようで、以前のCDなどが手に入りにくいらしい。長谷川書店さんで、佳穂さんがサントラを担当した「家路」という映画のDVDも購入した。

映画「家路」 オフィシャルページ

この映画は「oYamazaki まちのこし プロジェクト」という大山崎エリアの良いところを残していきたい、町おこしでなく、まちのこし、という考え方のもとで作られたそうで、出てくる人もほとんどが演技の経験のない大山崎に住んでいる人々。最近「ハッピーアワー」*1や「さよならも出来ない*2など、俳優でない人で作られた映画を時々みるが、演技のうまい下手を超えた人間性がにじみ出ていて俳優による映画とは違った風合いが出ている。この映画もそうであり、でも、中村佳穂さんのサントラがそのあてどない飛行のような映画をよい方向に導いている。すばらしい才能だ。主人公を演じた中村佳太さんは、経歴をみていると、住みたい町で住もうと決意して東京から移住され、珈琲焙煎所を作られたそうだが、本当にこの映画、大山崎の自然も豊かに感じられ、住みたい気持ちになる。そして、自分の一日一日を考えるきっかけになるような映画だった。

この日は、「家路」のサントラCDも求めて、中村佳太さんのされている「大山崎 COFFEE ROASTERS」も訪れる。こちらもあたたかい空気で、このプロジェクトがとても気になるものとなった。

f:id:ponyman:20180828054345j:image

「家路」のDVDには佳穂さんの上映会時のミニライブも収録されこれがまた力強く楽しかった。「千年たったらみんな死んでいる」といううたがあったのだけど、これ、個性の強い母の介護中に母より浴びせかけられた強い言葉に傷ついた自分に父がかけてくれた言葉と似ていて、はっとした。

話がどんどん広がってしまったが、水無瀬の長谷川書店さん、本当に普通の、気取ったところのないまちの本屋さんでありながら、魂に響く選書を織り交ぜておられ、そのバランスがとても素晴らしいと思った。

佳穂さん関連のものとして求めていたので、佳穂さんの地元の美容師さんが世界中を旅しながら髪を切っているところをナショナルグラフィックスのカメラマンが撮影した写真集なども紹介してもらい、これも散髪されている人の人間性が引き出されているおもしろい写真集だった。(タイトル「TOUCH」

f:id:ponyman:20180827091139j:image佳穂さんの作られたポップ付「TOUCH」

また、佳穂さんの曲「口うつしロマンス」の元になった「さよならのあとで」という詩集もメモしておきたい。

さよならのあとで

さよならのあとで

夏葉社から出ているこれだろうか・・検索していたら長谷川書店さんのtwitterで、姫路おひさまゆうびん舎といって、杉浦さやかさんの姫路の展覧会の時にみた名前もあがっていて興奮がつきない。

後日談として、もともと佳穂さんのCDを求めていた方(つい先日まで岐阜在住)から、長谷川書店さんともおつきあいのある岐阜徒然舎という古本屋さん、そこから話が広がっての、ヨジハン文庫伊東豊雄という方の建築岐阜市立図書館メディアコスモスなども教えて頂き、メモが増えている。

2018-08-21

[][][]殴られたお殿様

Movie Walker

丸根賛太郎監督ほんとにいい!好きだ。

食い詰めた旅役者の二人が、給料代わりに渡された金持ちの爺様風の衣装(水戸黄門風)を着用して宿屋に泊まっては夜中に逃げ出すという旅を続けていたが、ある城下で夕立金左衛門という男と出会う。ひょんなことからこの三人がお忍びの巡察視と間違えられ・・・というストーリーだが、飄々とした味わいのある笑いあり*1、かといって甘すぎる展開でもなく、監督デビュー作「春秋一刀流*2もそうであったと、もっともっと監督の作品をみたくなった。

市川右太衛門が演じる夕立金左衛門という男が、城内の悪事をみて義憤にかられ、勘違いされているのを利用してそれを糾していくくだり、これは、名前からしても遠山の金さんということ?と期待させておきながら、最終的に遠山の金さんのように権力を使って糺すのではなく、という展開もえらく気に入った。そのあとのシークエンスも楽しめたし、現代でも通用するおもしろさだと思う。

だいたいこの城の腐敗というのが、農民のただ働きだとか、悪事を訴えてもしらばっくれるだとかちょっと今に通じるところもあって・・流れとしてはビデオの山根貞男さんの解説によるとちょうどこの映画の封切の1946年頃、農地改革が始まっていてそういう時代の空気も反映させているらしい。下のものが責任を上にさっさと回す感じも好ましかった。

山根さんはニセ巡察視の話を中心としたドラマ展開はゴーゴリ―の「検察官」にヒントを得たものであろうと書かれている。「春秋一刀流」もフランス映画「我等の仲間」からと書かれつつ、一見そうと思えないところに、つくり手の才能が光っていると書かれている。*3

丸根監督のものをもっとみたくて調べていたら、以前よく拝見していたサダナリデラックスというHPの定成寛さんの書かれた丸根監督に関するブログ記事が出てきて嬉しくなった。定成さんも丸根監督大好きだとのこと。天の巻はこちら。地の巻はこちら

[][]弥次喜多道中

雷蔵の弥次さん、なかなかいい。雷蔵、軽いお芝居の時、いいなと思う事多いように思う。

太陽族」「処刑の部屋」「アプレ」「ラジウム」など制作当時の言葉がたくさん入る軽妙な時代劇コメディー。すごくテンポがよかった。アチャコの「軍隊でたとえれば」と人の地位をいちいちたとえていう繰り返し芸や、あの口調もおもしろい。ローテクな特殊効果みたいなのも愛らしい。山茶花究の医者役(その名も久庵)もいつもほどイケズな感じでなく飄々としていてよかった。

ラジウムを盗もうとするなまりのある悪者二人組が気になったが誰だろう・・

弥次喜多道中 [VHS]

弥次喜多道中 [VHS]

*1:今だとひょっとすると問題になるのかなという吃音がらみのギャグもあるけれどこれもそんなにいやな感じがしなくて。

*2http://d.hatena.ne.jp/ponyman/20160226/1456443095

*3:後述する定成さんによると、丸根監督の作品は「髷を結った欧風喜劇」とのこと

2018-08-20

[][]セトウツミ

コミックの雰囲気を壊していない。菅田将暉の演じるセトの自然で面白いこと。きれいにまとまっていて楽しめたけれど原作*1を読んでからなのであっという間に終わったイメージビデオかなんかみたいにみえなくもなかった。

セトウツミ [DVD]

セトウツミ [DVD]

[][][]大江戸五人男

昭和26年伊藤大輔監督。「松竹三十周年記念映画とのことで、阪東妻三郎市川右太衛門高峰三枝子山田五十鈴をはじめとして、映画、演劇、歌劇各界のスターを総動員」とビデオジャケットにあるが、豪華な面々。話も、「播州皿屋敷」と「幡随院長兵衛」「魚屋宗五郎」の話がからめてありふくらませてある感じがする。

播州皿屋敷」は劇中劇として出てくる。また「娘道成寺」のようなシーンもあった。

水木あやめという女形役者を演じた河原崎権三郎(のちの三代目権十郎とのこと)という人にほれぼれ。女形の話し方、動作本当に美しい。権三郎のことを調べていて、お父さんの二代目権十郎溝口健二の「残菊物語」の五代目菊五郎を演じ*2、この映画でも劇中劇で青山鉄山役を演じていた*3らしいと知る。

大江戸五人男 [VHS]

大江戸五人男 [VHS]


[]サイレン

紹介ページ

津川雅彦氏最後の短編主演作とのこと。津川さん、近年のイメージ的にもこの作品にぴったり。そしてここで描かれていること、移民問題とか超えて実は日常たくさん起こっているなと痛感する。

*1http://d.hatena.ne.jp/ponyman/20180728/1532733649

*2https://www.kabuki.ne.jp/meikandb/sp/omoide/actor/385

*3:お菊」を演じたとなっているものもあるけれど、お菊はこちらの「大江戸五人男」のwikipediaに載っているように権三郎だ。映画クレジットにそう出ている。