日常整理日誌 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2018-07-09

[][]在宅死 "死に際の医療"200日の記録

オフィシャルサイト

この特集の小堀医師は、面倒をみる家族の健康を含めての在宅医療という考え方でそこはとてもよいと思った。人が何人か一緒にいる場合、それぞれの都合の折り合いって本当に難しい。いくら立派な理念であっても笑顔で対応できなければしょうがない。

盲人のお嬢さんと病に倒れたお父さんの暮らしが紹介されていたけれど、そばに住んでいるおばさんのあたたかい人柄とサポートは本当に欠かせないものだったろうと思う。お嬢さんの天使のような声には特別のものを感じた。特別のものが、特別でありつづけるための支え。

このお父さんの最期をみていると、ついこのあいだ亡くなった母の臨終の時を思い出した。わたしの場合は、要介護5の母が病院で最期を過ごさせてもらって、こちらはゆとりのあるつきあいをさせてもらって本当にありがたく思っているのだけど・・

小堀医師のもとに働く少し若い医師の紹介もあった。マザーテレサの「死を待つ人のホーム」の説明も。はじめ、なにもしないで見守るということに反発を感じもしていたらしいけれど、今ではそれでよい、よりそうだけでよいという考えでおられるそう。わたしも、若い時この「死を待つ人の〜」という言葉に衝撃を受けたけれど、それこそ、柳美里さんの「春の消息 魂の秘境から」*1に出てきた、死と生をわけてしまう考えだったのかもしれない。母の見舞い、最後に近いときには、医療的なことより、今を安らかな気持ちで過ごしてほしいという気持ちが強く、またマザーテレサのホームのことも思い出したりしていた。

在宅医療についてはクローズアップ現代のまとめ(こちらはおもに問題点)もとても参考になる。

2018-07-03

[][][]祝祭

1996年 イム・グォンテク監督作品

すごいひろいもの。韓国版「お葬式」ともいえるような、ソウルで作家として成功している主人公が母の死に際して故郷に帰り・・という話だが、作家がいつも家族の物語を書いていた設定にしてあり、また亡くなった母を主人公にした絵本もぎりぎり母の葬儀のあたりで刷り上がったことにしてあるので、「お葬式」のように儀式を追い、さらっと故人を偲ぶというよりは、老いや死を落ち着いて考えられるようになっている。もちろん「お葬式」と同じような儀式の説明や、お葬式当日のごたごたもあり、メリハリをつけながらも絵本の再現という形式で魂の部分を表現していて、騒乱のかたわらで静かな水の湧いているところのような切り替えを感じ、みていて落ち着く。

その絵本で描かれていた考え方というのが先日読んだ柳美里さんの「春の消息、魂の秘境から」*1ともつながるような、老いていくものや死者と残されたものをつなぐものでわたしは本当に心が洗われる思いがした。

同じ監督の「風の丘を越えて 西便制*2パンソリの名人を静かに演じていたオ・ジョンヘが、場をかき回す派手な美人役で、かわればかわるものだなあと。少し沢尻エリカを思い出したり。。ほかにも日本の俳優と似ている俳優さんもでてきたり、また葬儀のありかたも日本と似ているところもあり違いもありそこも楽しめた。

祝祭[VHS]

祝祭[VHS]

2018-06-11

[][]彼らが本気で編むときは、

荻上直子監督、「かもめ食堂」の時より具体的に表現している感じ。生田斗真演じるトランスジェンダーのリンコさんの仕事は介護士。介護の現場で、その美しさをみているひとがいるという表現が形をかえて出てくるけれどそこもよかった。

この映画で一番強烈に描かれているのはいろいろな母の姿だなあ。母のこどもに及ぼす影響というのを描いている映画でもあるなあ。

りりィが演じる、認知症の祖母、リアルでかつ妙に神々しくもありよい表現だったと思う。

2018-04-24

[][]海辺のリア

仲代さんの芝居はすばらしいし、このときの仲代さんをカメラに収めたという意味では価値あると思う。

脚本はもう少し練り込んでほしい。「リア王」の話をなぞっている、それだけになっていて、上の娘原田美枝子の心情やそこからの仲代さんの境遇もざっくりしすぎている。まず気になったのはfilmarksでも書いておられる方がいらしたが、「施設」=親捨てのような表現。この作品の長女は厄介払いの雰囲気だったかもしれないが、なにか簡単に割り切ったそのセリフは現実離れしたもののようにも思えた。

さらに日本映画専門チャンネルで、監督と軽部真一氏の会話の中にあった、これは老俳優のみていた夢とするかどうかという話、老いたる世界というのは、そんなここから認知症とかはっきりしたものでなく、あっちの世界とこっちの世界が混ざり合ったりしていく、グラデーションがあるのではないかと思うのだが。。

また、もう一人の娘黒木華がいわされているセリフもこういうことありそうだなという訴える力に欠け舞台劇ぽくて映画の世界になじんでいない気がした。(演技ではなくそのセリフの設定に問題を感じた。)

海辺のリア [DVD]

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2016-08-02

[][]0.5ミリ

「ゆとりですがなにか」以来安藤サクラが大好きになってしまい、「百円の恋」*1に引き続き安藤サクラ祭。安藤さんの個性が生かせた作品だと思う。

3時間越えと少し長い作品、しょっぱな介護の中で辛い部分から始まり最後まで見終わらせることができるのだろうかと少し不安になったが、円環になっていて、落し前つけるための時間だったかな・・

タイトルの0.5ミリは静電気が起きるくらい近い人と人との距離感ということだけど、映画の中で津川雅彦がいっていた、上から押し付けられた考えでなくて、一人一人の考えが0.5ミリずつでも動いてそれがうねりになることの尊さという話の時もタイトルを意識した。

安藤サクラ演じるサワさんはヘルパーというある種母親業的な仕事をしていて、母性を感じるけれど、そのこととサワさんが母親になるかどうかは関係なく・・その辺の設定もナイス。(と、最初観たときは思ったが、わざわざそのことを表現しなくてもよかったかなという気に後からなっている。)

wowowの「w座からの招待状」を録画しての視聴だったが、小山薫堂、長友啓典のお二人が、それぞれ介護を受ける人たちのリアルさについて語っておられたのが救い。わたしも出てくる人たちを身近に感じすぎてこわいほどの気持ちを味わったので。

0.5ミリ [DVD]

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