日常整理日誌 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2017-06-15

[][][][]激動の記録、幻の響写真館

「激動の記録」は昭和15年から26年までの日本ニュース。同封の元NHKエグゼクティブ・ディレクター山崎俊一氏の解説によると、日米交渉破局のあとの開戦の時代の日本と戦争を記録した映像は世界でこの日本ニュースだけだそう。国策に協力したとか、好戦的なニュースばかりと戦後評価されたらしいが、ほんとにその実態の映像がみられることも尊い山崎氏が書かれている、一人一人の兵士の表情や、緊張し笑顔の乏しい銃後の人々、その背後に散見するゆとりのない時間・・意図か無意識か、その時代のリアルが映っていて力強く胸に迫る。また、庶民だけでなく、政治の中枢にいた人々の姿もいろいろ考えさせられる。劇映画ではみていても、それとはまた全く違う迫力。

ちょうど、最近昭和2年生まれの母の伯父が経営していた長崎の響写真館というところの記録に恵文社で開催されている展覧会でふれたところ。偶然知った展覧会で母や仲の良かった従妹の戦時中の青春に触れ、成長途上母にかなり反抗的だった自分も、とても素直に心が動かされた。「この世界の片隅に*1のすずさんとも年齢の近い世代。母は現在言語障害があり、彼女側からはうまく意思の疎通はできないけれど、ぐっと胸に来たそのことをとりあえず伝えられた、その状況に自分がなれたこと、これらの作品にすごく感謝。

そして、恵文社講演会でも話の出ていた、二つの世界大戦の間に文化的に豊かな時代があり、その国が最終的にあのような方向に進んでいったことも、本当に今と重ね合わせてしまうし、悪い方向にならないためにできることはしていきたいと強く思う。

NHK特集 激動の記録 DVD BOX

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『長崎 幻の響写真館 井手傳次郎と八人兄妹物語』

『長崎 幻の響写真館 井手傳次郎と八人兄妹物語』

2017-05-21

[][][]1970年代NIPPON

あとがきより

1970年代の日本は、工業化と高度経済成長の時代で、日本人の生活が豊かで便利になったとよく言われた時期だった。

(中略)

この写真を撮影している間も、農村の人口は労働力として大都市に吸収されつづけ、農村の過疎化が進行していた。

70年代は自分が小学生〜高校生の年代。なんとかDKとか表現する住まいにあこがれたり、近所の店の宣伝の入ったカレンダーやらペナント的なものから必死で逃げたくなっていた時期。(後年のみうらじゅん氏のようにその感じをひっくり返して、いやげものとして愉しむまでの成熟はまだなかった。)

今、当たり前みたいにそんなものがはってある当時の農村の居間の写真が懐かしい。最近の、たとえば海外の方が古民家を買って暮らしておられるようなかっこよさでなく、ただ生活の場を写したその写真が、浮ついたものにあこがれ、切り捨ててきたもののようで、なんともいえない感慨。今村昌平の「人間蒸発」*1でいきなり訪れて映っている、蒸発者の農村の実家の姿みたいなのがあんなエグい形でなく写っている。

当たり前のように地域の行事をこなしてきたような風情。スマートになり過ぎて、以前の当たり前が面倒でたまらなくなるところまできている今を思ったりした。

81年の新潟で撮られた「地蔵年始」という写真、こどもたちがスタジャンを着てイヤーマッフルをしていて、70年代の写真とは一線を画している。「うる星やつら」のワンシーンなども思い出したり・・だんだんに地方と都会の区別がなくなってきている時代なのかなとも思った。

高知の「絵金」の絵をみるはなし、絵金で卒論を書くという京都女子大生との話おもしろい。知らなかったが、夏の祭礼の夜の芝居屏風をかいていた画家なのだな。(こちら参照)


1970年代NIPPON

1970年代NIPPON

2017-05-05

[]いつか見た風景

1964年〜2011年に北井一夫さんが撮ってこられた写真を年代順、テーマ別に紹介したもの。

「過激派・バリケード」という写真群で、過激派がたてこもっている場所の生活用品で表現しているところ、ゲバラの写真で、胸にさしてある歯ブラシをみて感動したことからだという。(偶像化された革命家闘士にも日常生活があったんだという発見)

「港湾労働者」にしろ、「過激派〜」にしろ、「三里塚」にしろ、その向こうにストーリーが感じられるような、映画のショットのようにも見える写真。

73年〜81年の「村へ」、消えゆく浦安の漁村風景を撮った「境川の人々」が私は好き。

「1990年代北京」もちょうど自分が映画でみていいなと思っている胡同のあるような北京の姿が多々。(その後かなり変化したとのこと)

いつか見た風景

いつか見た風景

2017-04-16

[][][]流れ雲旅

NHK「美の壺」の東北の温泉特集の時北井一夫さんの湯治場を撮った写真が紹介されていて、北井さんのことを調べてみたら70年代につげ義春さんと一緒に温泉を巡られたそうで、この写真集にたどり着いた。この本が発行されたのは2016年5月で70年代に撮られた写真を再構成されている感じがする。つげさんの作品を読むたび、この絵はどこの温泉のことだろう?と思っていたのでこの写真集に出会えてうれしい。つげさんの奥さんの藤原マキさんのことは違う読み物で接したりしていたのだけど、状況劇場にいらしたんだ・・マキさんのムードのある写真も載っている。

下北半島や秋田(泥湯温泉、黒湯温泉)、会津、山形、この間の夏に行った岩手国見温泉の写真などあり。

写真集 流れ雲旅

写真集 流れ雲旅

☆自分のためのメモー違う回の「美の壺」で気になった音楽

Dave Brubeck Quartet - ”Blue Rondo à la Turk,”

美の壺ってよい番組だな・・時々お芝居仕立てに照れることあるけれどあの抜けた感じがまたいいのかも・・

2016-07-11

[]公僕 The Japanese Civil Servant

宮沢章夫さんの「ニッポン戦後サブカルチャー史」の中でこの本が取り上げられていたのでみてみた。

様々な仕事に携わっている国家公務員の仕事を、多分に演劇的に撮った写真集。もともと1997年4月から1999年3月にかけて時事画報社「フォト」誌で連載された「ヒューマンレポート」の誌面がもとになっている。2001年1月この本が出版された時点でまた省庁の体制がかわったりもしているし、そこからまた変わっている部分もあるかと思うけれど、なにか「ドキュメント72時間」の番組をみているように、世の中にはこういう仕事に携わっている人がいて、こういうことを専門的に管理しているんだとおもしろい。