日常整理日誌 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2017-11-20

[][]この世界の片隅に 前編・後編

映画*1の方がわかりやすく作ってあるような気もした。

原作の方が色々な方向からその時代を描いているのだけど・・特におもしろかったのは前編の悩み相談の形式を使って描いているところ。後編の愛国かるた、衣料切符を女の子の入学にいる一式として描いているところ。ぐっときたのは、キツい義姉さんが、離れて暮らす息子の教科書の落書き(当時は教科書は神聖なものだったので許されるものではなかった)をみたときの雰囲気。(愛国行進曲の昭和18年から19年に替え歌←もともとは「ミヨ トージョーのハゲアタマ」の「トージョー」の部分を「センセー」にしてあったが、そんな歌が流行っていたとは・・)

あと木村恵吾監督の「歌ふ狸御殿」の主題歌(サトー・ハチロー作詞)「どうじゃねげんきじゃね」が東條英機の口癖からというのも驚いた。当時の人は東條のことをどうとらえていたのかな・・とも。


この世界の片隅に(前編) (アクションコミックス)

この世界の片隅に(前編) (アクションコミックス)

この世界の片隅に(後編) (アクションコミックス)

この世界の片隅に(後編) (アクションコミックス)

2017-11-18

[][][][]おんなの細道 濡れた海峡

twitterで、石橋蓮司さんのベスト5作品という感じでこの映画を挙げておられる方がいらっしゃって、調べてみたら陸中海岸が舞台のようで、みてみた。すごい拾い物!みてよかった。

ストリップ劇場のある町は盛岡では?上之橋の風景におぼえあり。途中バスに乗って宮古の方に行く。「沼の浜」という地名が出てくるが、宮古の海岸らしい。(調べたら東日本大震災以来キャンプ場が閉鎖されているらしい)

うわさには聞いていた三上寛が、原作者の田中小実昌を思わすような主人公を演じる。「ポロポロ」という言葉が出てきて、ああこれは小実昌さんなんだなと気がついた。ポルノ映画ならではの表現ももちろんあるが、基本とても抒情的な作品でおもしろい味がある。

2012年5月にユーロスペース日活創立100周年記念企画として「生き続けるロマンポルノ」という特集上映があったらしいが(こちら参照)、その時、蓮實重彦氏、山田宏一氏、山根貞男氏の三人が選者となり選び出した32本(約1100本中)の中にこの作品も入ったというのが納得できる。

草薙幸二郎という俳優さんの演じる社長、とても味がある。そして、キャストをみていると田山涼成の名前も。。松夫って俳優名はチンピラ役か?まるで気が付かなかった・・

movie walker

ポロポロ (河出文庫)

ポロポロ (河出文庫)

2017-11-03

[][][][]惜春鳥

会津若松や東山温泉を舞台にした、同級生たちの「リアリティ・バイツ」のような話。津川雅彦の洗練されたかっこよさに目を瞠った。ちょっとした着こなし、身のこなしなど。そんなに好きではなかったのに、役柄もよい役だったので素直に感心した。でもライバル役のような石浜朗の方が私は好みだったかな。津川氏は、ぼんぼんっぽい役だったが、石浜氏の方がリアリストっぽくて。会津塗りの家のおやじさん、あまり顔が映らないけれどいいこといってるし、いかにも息子を心配している地に足着いた感じが真に迫っているなあ、とてもよいなあと思っていたら宮口精二氏だった。やはり!さすが!

惜春鳥 [VHS]

惜春鳥 [VHS]

[][][][]日本の悲劇

ビデオジャケットより

この作品は終戦の翌年制作されたが、公開後一週間で上映禁止、そのフィルムを占領軍に没収された。編集に当たった亀井文夫は戦時中から反戦色を漂わせる映画作家として日本軍部の批難の的であった。この作品で亀井は、支那事変から太平洋戦争に至るプロセスを日本の支配階級の海外市場支配のための「侵略」と断じて「戦争犯罪人」たちを告発している。

ずばり天皇の戦争責任にも触れていて大胆。はっきり考えを述べていくドキュメンタリー。結論を出さないでとりあえず撮っていくというスタイルのものが最近は多いので、新鮮な気持ちでみる。日本を戦争に駆り立てておきながら、戦後平和主義のようなふりをしている人物たち、顔は写ったが、当時の人ならすぐ名前がわかっただろうに、勉強不足でそこまでわかりきれないつらさ。

日本の悲劇 戦記映画復刻版シリーズ 11 [DVD]

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みたのはvhs版

2017-09-14

[][][]隣りの八重ちゃん

昭和9年作品。大正生まれの父の幼き日のアルバムでちょうどこの頃の風景をみたことがあるが、そこから漂っていたものがこの映画からも感じられ驚いた。前年には国際連盟を脱退していたりしているのだから、どんどんとそう時代になりつつあるのだろうけれど、*1映像からはまだ戦争の影はあまり感じられないゆったりした時代。

逢初夢子という女優さん演じる八重ちゃんの服装などもモダンで、溌剌とした女学生という感じ。そして描かれているのも自由恋愛の気配。八重ちゃんの好きな隣人に秋波を送る厄介な姉に岡田嘉子。

ビデオジャケットには、「1930年代は、松竹蒲田から数々の市民の日常生活を描いた秀作が登場し、『小市民映画』の黄金期ともなった。その代表選手のひとりが、島津保次郎監督で、本作はその代表的な作品。」とされているけれど、映画の楽しみの一つが時代の空気を感じる事でもあるなあと思った。帝劇でベティ・ブーブの映画をみているシーンも印象的だ。(かなり長く引用されている)

ロケ地などが気になったけれど、ひとつ川辺のことがtwitterに出ていた。葛飾区金町浄水場の第一取水塔とか。。映っている女性は高杉早苗ではなくて岡田嘉子だと思うけれど。。

途中出てくる靴下の穴かがりのグッズほしいなあ・・

*1:実際、主人公八重ちゃんのお父さんの突然の転勤先が朝鮮というところにもその一端を感じたりもした

2017-07-29

[][][]美わしき歳月

1955年小林正樹監督作品。最近やっとポツリポツリと小林正樹監督のものをみているけれど、かなり好きかも。これは戦後10年後の若者たちと、親世代、祖父母世代の物語。その葛藤やら相手を思う心やらは今でも変わらない。また中学時代の友人が社会に出てそれぞれ思うところあって・・という「リアリティ・バイツ」な感じも永遠のテーマだ。

久我美子とおばあさんが営んでいる花屋さんが、起点になって出てくるのだけど、戦後、まだまだ若い犠牲者も身近にいた人が多い中、花の命や次世代での再生、みたいな話も伴奏のように描かれていて堪能した。

佐田啓二がドラマー役で、「嵐を呼ぶ男」みたいなシーンがあるのだけど、こっちのほうが早いんだな・・普段堅実な役をみている気がして、ここでは結構表面上はスカした、ちょっと拗ねたような役で新鮮だ。そしてなかなかかっこいい。彼が働いているクラブのようなところでドラムの演奏や、ダンスの相手を黒人男性に代わってくれ、といわれるシーンがあるのだけど、なんだか、「日本の戦後」っていうものを仄かに感じた。

東京の風景がたくさん出てくるのだけど、ここだとはっきりわかるのは国会議事堂前くらいで・・まだまだ車が少なく広々した景色をみられるのも楽しい。田村秋子さん扮する久我美子の祖母が、小沢栄太郎(この時は芸名小沢栄)と雨に濡れた赤れんがが美しいという道の話をするのはどこだろう・・佐田啓二が木村功と待ち合わせする広々とした美術館前のような風景とか*1、鉄道にかかった橋の上からのシーンとか・・川本三郎さんあたりのご著書に載ってないかな・・すごく知りたい。

木村功の妹役の女優さんが可憐だなと思っていたら野添ひとみさんだったらしい。

美わしき歳月 [VHS]

美わしき歳月 [VHS]

*1twitterで拝見した記事によるとその美術館風は絵画館前だとか・・映画内で田村町といっている花屋の場所は今の内幸町とのこと