日常整理日誌 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2018-01-08

[][][][]ある機関助士

ドキュメンタリーマガジンneoneo07号土本監督特集の森田典子さんという方の記事によると、国鉄が前年の常磐線三河島事故をうけて、安全対策をテーマにした映画のコンペが行われ、岩波映画から土本監督が参加したのがこの映画だという。それまで実験的な映像を作ったりしてオクラ入りやカットの経験もした土本監督や黒木和雄監督は、スポンサー企業の求めるイメージから逸脱しない、自分の主張をいれながらも容易にカットされない強靭な映像表現を目指しはじめていたという。

コンペに参加した他社が最新型安全装置などをとりあげているかたわら、土本監督はひたすら人間に密着して、ぬくもりと説得力のあるものを作り上げている。それでいてタイトで強靭。みる人にちゃんと伝えるという基本姿勢の成熟していること。うまい編集ですっかり入り込みながらみる。

neoneo no.7

neoneo no.7

2017-10-05

[][][][]甦る蒸気機関車

岩波鉄道名作集の紹介ページより

最盛期には1115両もの車両が日本国中を駆け巡ったD51。惜しまれつつも、昭和50年頃を境に国鉄(現JR路線)からその姿を消していった、その幻の勇士が復活した歴史的な一日を記録した貴重な記録です。

1991年製作。高林陽一総監督

この夏、喜多方駅で、「SLばんえつ物語号」をみかけ、三國連太郎機関士を演じた「大いなる旅路*1なども思い出し、汽笛に胸が熱くなっていたのだけど、機関車というのは何か人の心をつかむものがあるなあ。「機関車トーマス」ばりに、動かしている人々は点景。(一応細かい仕事の流れの説明はあるが)。

最後の解説文のところで、D51の最後の所属が新津機関区となっていたけれど、その所属といういい方にまた擬人化みたいなものも感じる。また新津もこの夏寄って、機関車全盛時代にどれだけ栄えていたかということを家人からきかされ、鉄道博物館にもでかけたもので、気持ちも一入だった。

2016-09-03

[][][][][]指導物語

昭和16年作品。冒頭「往かぬ身はいくぞ援護へまっしぐら」だとか「陸軍省鉄道省検閲済」という文字がものものしく、時代の空気をいきなり浴びる。原節子の義理の兄でもある熊谷久虎監督はビデオに封入された解説にもこの映画を撮ったあと国粋主義思想団体の指導者になってしまったことなども書かれ、またこの映画も国策映画という風にとらえられる向きもあるようだけど(アテネ・フランセのこちらの解説参照)私にはこの映画がこの時代の精一杯の表現のように思われ、ただの国策映画には見えなかった。

丸山定夫演じる鉄道員がもう必死の情熱で戦線で軍用列車を運転する機関員特業と呼ばれる兵をまともに機関車を運転できるよう要員に鍛え上げる物語で、その部分はもうほほえましいばかりなのだけど、青春時代には思想上の歴史もあったと友人からの手紙で紹介される学士が、思いを振り払うように軍での生活をし、そこに送られてきたドイツ語の原書(「戦没学生の書簡集」「ルーマニア日記」「アルト・ハイデルベルヒ」と読み上げられる)が、中隊長の許可をとらなきゃいけないし、他に勉強しなきゃいけないことがあるだろうからと班長にとりあげられる本当に切ないシーンや、いよいよ軍地に赴く戦士たちを見送る母親や原節子演じる丸山定夫の娘たちのシーンは、お国のためと喜んで送らなければならないけれど表面上そうしているけれど本当はつらいという感じがとてもにじみ出ていて、時代の空気がものすごく伝わって涙がこぼれて仕方がなかった。

ただしんどいだけの映画でなく、鉄道員同士が自分の育てている兵士をとてもかわいがり、競い合う気持ちをもっている表現などがユーモラスでもあり好ましく、そんな一コマがあるから余計に心に響くのだと思う。

all cinema

2016-08-16

[][][][][]大いなる旅路

三國連太郎が一鉄道員の19才から55歳までを演じ切るが、まずはじめのやる気のない時代の色気のあること。前をはだけたような制服の着こなしが魅力的。結婚して家族を持って。。という変遷もとても自然でまた主人公の年齢が近いものでもう他人事ではない感じで入り込める。名演。ブルーリボン賞主演男優賞を受賞したとのことだが、頷ける。同じ渋民の小学校の同級生で出世コースを歩む加藤嘉との対比もいい。機関車の転覆シーンの迫力がすごいが、実際に国鉄の協力のもとに撮影されたとのこと。

骨太な大河もの。胸にぐんとくる。

大いなる旅路 [VHS]

大いなる旅路 [VHS]

all cinema参照

2016-08-07

[][][][]喜劇 団体列車

「喜劇 急行列車」に続く第二弾。昭和42年 瀬川昌治監督作品。渥美清が国鉄職員というところは同じだが、今度は独身。四国が舞台。松山、宇和島、高知、徳島が出てくる。大まかな構造は寅さんのような映画。軽い恋心がからまって・・ラクに楽しめる。渥美さんと母親役のミアコ蝶々、テンポがいい。「やまのあなあなあな」の三遊亭歌奴(現 三代目三遊亭圓歌)が懐かしい。

出てくる鉄道、やはり鉄道の好きな方にはとても貴重な映像らしい。こちら参照。

喜劇・団体列車 [VHS]

喜劇・団体列車 [VHS]