日常整理日誌 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2017-11-23

[]持永只仁展〜人形アニメを通した日中友好の足跡を追う

おもちゃ映画ミュージアムにて(こちら参照)

今年東京フィルムセンター持永只仁展が催され、とても興味を持っていたのだけど、行けなかった自分にとって京都で持永さんの「少年と子だぬき」、そして、岡本忠成の「おこんじょうるり」や、川本喜八郎の作品展示がみられるというのはとてもうれしくでかけてみた。

この日は向陽監督が、満映東北電影に引き継がれていく時代を描いた「大地のキネマ」も上映。監督の大学での指導教官でもあった中島貞夫監督や、持永只仁氏の娘さん伯子さんもいらして、伯子さんのお持ちになった「新中国電影的揺藍」という当時の記録映画も特別に上映された。実際に満州時代をよくおぼえておられる伯子さんの話は貴重だった。

2017-09-17

[][][][]アントニー・ガウディ、BABEL

勅使河原宏監督の「アントニー・ガウディ―」。武満徹の音楽が美しく、ビデオジャケットに記されているようにまさに映像詩的作品。宮口精二氏のナレーション(ごく最小限)。時代の潤沢さも感じる。サクラダ・ファミリア以外にもグエル氏のための仕事*1など紹介されており、興味深くおもしろかった。自然に沿ったようなまっすぐでない柱、そして凝った装飾・・よくこんなものを作るな・・という感想。でもあたたかみがあり、縄文文化に感じるようなものを同時に感じる。映像で未だ建設途中のサクラダ・ファミリアをみていたら、大阪に来ているブリューゲルの「BABEL」展のポスターを思い出してしまい、前からすすめれられてもいたので行ってみる。

公式サイト

聖書の中のバベルの塔の物語から、サクラダ・ファミリアを想像したら失礼な感じなんだけど、(教会だし)、ブリューゲルの展覧会では、BABELは人間の協力の姿がみられますというような解説もされていた。窓の形式が違うところに何年もの時代が流れたということを表現しているらしい。まさにサクラダ・ファミリアな・・

ネーデルランドの画家たちの活躍という事で祭壇彫刻の展示もあったが、これまたガウディ―の映画を思い出すようなところもあり・・

展覧会では、奇想ということでの先人ヒエロムニス・ボスの油彩も2点紹介されており、ボスの系列の方がボス風に描いた作品も紹介されていたがなかなかおもしろかった。ブリューゲルも、奇妙なクリーチャー的なものが出てくる作品群が楽しめる。

夏にヒグチユウコさんがブリューゲルの「BABEL」からインスパイアされた「BABEL」という画集の原画展にいったのだけど、改めてこの展覧会をみてから、ヒグチさんの「BABEL]をみると、オリジナルがわかってさらに楽しい。


2017-07-23

[]奈良美智 for better or worse

豊田市立美術館のページ

はじめの部屋では奈良さんが10代の頃から集められたレコードや人形(ぬいぐるみやこけし)、書籍があたたかく並べられ、奈良さんのお宅に招き入れられたかのよう。次の部屋では奈良さん手書きの年譜、段ボールの作品、ノートのような紙にかいたものなど。奈良さんの仕事を丁寧に説明して頂いているような心持ちに。

わたしがすごく感動したのは「foudation of Life」という作品。検索すればpinterestなどに画像はあがっているが、昨日あの作品に出会った時の急にはっとして目の奥に潤いを与えらえたあの感じは、作品に対峙しないと得られない感情だったと思う。

ほかの作品も、右目と左目違うところをみているような、こたえは私の中で出ないまま、でも、これを描いた奈良さんがこの絵の向こう側にいらっしゃる感じが強くして、あんなに心に響いていく展覧会、なかなかない経験をしたと思う。

2016-09-10

[]JR京都伊勢丹 世界の巨匠たちが子どもだったころ

オフィシャルページ

子どものための本格的美術博物館として開館した、おかざき世界子ども美術博物館が所蔵するコレクションより、世界の有名美術家73人が10代に描いた作品118点を紹介。

私の好きな映画監督やイラストレーター、小さい時のノート*1や小さい時にしていたマニアックなお話しづくり*2に驚くことが多くてとても興味のある展覧会。(出展リストpdfはこちら

心惹かれた物

横尾忠則 西脇市ポスター展での作品 

 「コケシテープ」を題材にした作品がいくつか出ていて、後の横尾さんタッチとはまた違うかわいらしさ。1956年のコケシテープは国立美術館のページでみられる。

田中一光 「ヨーロッパの風景」 という屏風

 なんともおしゃれ。後年の田中さん流ではなく北欧風でガーリーな風味も。

田名網敬一 「花嫁と狼 2」

 油彩だけど七宝のようにみえる 

他にも宮城まり子さんが10歳の時に描かれた油彩の静物がとてもしっかりしたものだったり、柳原良平氏の、イラストタッチではない港の絵など、その後の活躍を思うととても楽しい展覧会。11日まで。

 

 

 

 

*1:たとえばみうらじゅん、安西水丸

*2:ベルイマンの「ファニーとアレクサンデル」や「ジャック・ドゥミの少年期」に出てくるドゥミの姿、三谷幸喜、これまたみうらじゅん

2016-07-03

[]イラストレーター安西水丸展

美術館「えき」KYOTOにて (紹介はこちら

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一番驚いたのは安西さんの大学の卒業制作。映画「オーシャンと11人の仲間たち」を何枚かの絵で表現したもの。一コマ一コマがジャズのレコードジャケットのよう。仕事されてからの安西さんの絵とは全く違って洒落てクールなアメリカ映画のタイトルのような筆致。雑誌「アイデア」の卒制特集にもとりあげられたとのこと。あと小学生の時のノートの精緻さ。かねがねみうらじゅん氏の小学生の時の仏像ノートに尊敬と驚きの念を持っているのだけど、へたうま的な流れから世間的に有名になった人たちも実は基礎がしっかりしていて、そこからのくずしなんだな。千葉の千倉で育った安西さんの「パリに育ったらパリの美術館でいつでも一流の絵に触れられたかもしれないけれど、自分は一流の海をみて育った」という意味の言葉もよかったな。せちがらくない絵をかかれる感じなど育った環境というのは作品に大きな影響を与えるだろうな。

ふむと思ったメモ

  • 雑誌ガロについて「胸に差し込んでくる情感」との言葉。
  • 幼い安西さんが色鉛筆が大好きだったこと。歌舞伎や雛人形で整理のつかなくなっていた色感の整理がついたとのこと。ミニマリズム的な考えって参考になる。二色で表現している「二色展」の作品も好きだ。
  • 村上春樹氏の安西さん評 「安西水丸という一人の人間を絵という形で表し続けていた」。映画スターの似顔絵が似ていないことを嘆く安西さんに村上さんがおっしゃった「安西さんは矢印って武器があるから」という意味の言葉がおかしい。ほんとに矢印で誰とかいておられてりしていて・・
  • 水丸さんが「ホリゾン=水平線」と呼んでいた画面を横切る一本の線。これでそのものが机の上にあるものとか場所まで表現できる。記号的に表現するところ、小津安二郎の映画にも相通じる気がした。
  • 二人の絵でひとつの作品をつくる和田誠さんとの二人展。二人の信頼関係がうかがえる。和田さんは三谷幸喜氏とも映画本「それはまた別の話」の表紙をふたりでかかれたりして、そういう仕事お好きなんだなあ・・