日常整理日誌 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2018-04-15

[]4月文楽公演

第1部 午前11時開演

本朝廿四孝 (ほんちょうにじゅうしこう)

  桔梗原の段

吉田幸助改め

五代目吉田玉助 襲名披露 口上

  景勝下駄の段

  襲名披露狂言

  勘助住家の段

義経千本桜 (よしつねせんぼんざくら)

  道行初音旅

第2部 午後4時開演

彦山権現誓助剣 (ひこさんごんげんちかいのすけだち

  須磨浦の段

  瓢箪棚の段

  杉坂墓所の段

  毛谷村六助住家の段

春らしいかみしもを皆がつけ華やかな襲名口上。文楽でいつも思うのは季節感の表現のデリケートさ。

今回は第二部の「彦山権現誓助剣」がとても楽しめた。

映画「キル・ビル」のような楽しめる、起伏のある復讐劇。

武者六助が子守りをしながら次につなげてあるシーンでは三味線の子守り唄が響きながら場面は移りつつのような感じで、これまた「キル・ビル」風を勝手に感じた。

そしてヒロインの様子!まるでキャサリン・ヘップバーンラブコメ

また「義経千本桜」。当代猿之助亀治郎時代に狐忠信に取り組むドキュメンタリー[KABUKU」をみたことがあるが、歌舞伎での「出があるよ!」って言葉によるひっかけみたいなおもしろさが、文楽の道行初音旅にもあった。(早がわりと登場の仕方。)かねがね狐が大好きとおうかがいしている勘十郎さん、生き生きと演じておられた。

2018-02-28

[][][][][][]お国と五平

yahoo 映画

昭和27年成瀬巳喜男監督作品。成瀬巳喜男監督の全作品が載っている「映畫読本 成瀬巳喜男」での扱いはあまりよくないが、わたしにはみるなり、さすが成瀬監督、端々まで神経の通ったなんと素晴らしい作品、という気持ちになった。

森雅之が、尺八はうまいが、武芸が達者でなく、武士道というものとは無縁の武士という役どころも新鮮。しかも敵役。

夫の仇を追う(といっても原因を作ってもいる)木暮美千代演じるお国と大谷友右衛門演じるおつきの五平。二人の心の揺れの表現がデリケートで見応えあり。仇を追い続ける旅の記録が単調にならないようにか途中で遭遇する旅芸人の結婚式や文楽(二代目紋十郎さん、二代目勘十郎さんなど昭和の名人が出演)のアクセントも良い。成瀬監督の映画、現代ものでもチンドン屋などのアクセントがよくきいているように思う。


2018-01-14

[]国立文楽劇場 初春文楽公演

第1部 午前11時開演

花競四季寿(はなくらべしきのことぶき)

 万才・鷺娘

平家女護島(へいけにょごのしま)

 鬼界が島の段

八代目竹本綱太夫 五十回忌追善

豊竹咲甫太夫改め 六代目竹本織太夫 襲名披露

口上


追善/襲名披露 狂言

摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ)

 合邦住家の段


第2部 

南都二月堂

良弁杉由来(ろうべんすぎのゆらい)

 志賀の里の段/桜の宮物狂いの段/東大寺の段/二月堂の段


傾城恋飛脚(けいせいこいびきゃく)

 新口村の段

「平家女護島」は、俊寛と一緒に流された成経という少将が千鳥という鬼界ヶ島の女性と恋に落ち、赦免の船がやってきたとき、千鳥を連れて帰れるかどうかということが問題になる筋。以前故勘三郎さんの歌舞伎でみていたので、ストーリーが頭に入っており、もうはじめの、千鳥が出てきて俊寛が喜ぶ芝居の段階からその後のことを思い既にいたたまれない気分になる。でも大いにこっちは盛り上がる。古典はきっと、こういう、あらかじめ知っているからこそさらに楽しめるっていうの多分にあるだろうな。

勘三郎さんの舞台を初めてみたときは、古典で習った平家物語との差に驚いたが、あちらは悲劇仕立て、こちらは、俊寛が運命を自分で選んだもの、とはいうものの凡人ゆえの寂しさよ、という設定が入り込みやすい。

父が悪役として出てくる妹尾太郎兼康が、史実とえらい違う役回りにさせられているとかで憤慨していたのが面白かった。毎回これを観る度気の毒でならなくなるらしい。また調べよう・・

どうかすると、たとえば昔の冒険ものなんかで、足手まといになる女、っていうようなストーリがあるけれど、蓑助さんの千鳥は可憐でそんな感じにちっともならないのがとても良い。

「傾城恋飛脚」は近松門左衛門の「冥途の飛脚」と同じ題材ながら、かえてあって、近松版のクールさが目立つ。「平家女護島」も近松作だけど、近松作品の雰囲気、こうして同じ題材の他の作家のものとくらべると際立つな。「傾城恋飛脚」では、大坂からの追手が色々姿を変えて登場し、その探索シーンがちょっと導入部として笑いをとったり、入り込みやすくはしてある。

追善/襲名披露 狂言の摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ) 合邦住家の段は、切が咲太夫、後を襲名された新織太夫だったが、咲太夫はもちろんだけど、織太夫の落ち着いて堂々としていて聞きやすい様子、立派な襲名披露興行だったと思う。

今公演は満席も多いらしく、よい感じで落ち着いた掛け声が要所要所でかかり、とてもよい空気が流れていた。

2017-11-12

[]国立文楽劇場 11月文楽公演

第1部 午前11時開演

八陣守護城 (はちじんしゅごのほんじょう)

  浪花入江の段

  主計之介早討の段

  正清本城の段


近松門左衛門=作 野澤松之輔=脚色・作曲

鑓の権三重帷子 (やりのごんざかさねかたびら)

  浜の宮馬場の段

  浅香市之進留守宅の段

  数寄屋の段

  伏見京橋妻敵討の段

  

  

第2部 午後4時開演

近松門左衛門=作  

心中宵庚申 (しんじゅうよいごうしん)

  上田村の段

  八百屋の段

  道行思ひの短夜


四世鶴澤重造=作曲

紅葉狩 (もみじがり)


今回は近松門左衛門の作品が第一部第二部ともにはいっていてこれがとても味わいやすく楽しめた。近松門左衛門の言葉遣いの妙を味わう。「鑓の権左」は映画でみたことがあったけれど、その時は、篠田監督で女優は岩下志麻ということもあってか、おさゑ権左二人とも被害者のようにみえたこのお話が、文楽では権左が無念であろうなという風にみえる。今回のおさゑは、朝ドラ「わろてんか」で、一人(は大げさか?しかし、どうも脚本にきれがないように感じて・・)よい演技をされている鈴木京香さん演じる御寮さん風。

「八陣守護城」は加藤清正の話。後藤又兵衛が児嶋元兵衛と名前を変えて登場するが、「真田丸」の哀川又兵衛の姿と重なり楽しめる。

時々お休みになる高齢の寛治さんのお姿をみられたのはとてもうれしい。あの鶴のように淡々と三味線をつま弾かれるお姿が本当に好きで。咲太夫さんがお痩せになっていて心配。今まで切場語りの咲太夫さんの出番となると、大事な場面というプレッシャーからなぜだかこっちが緊張してしまったりがあったのだが、今回、鑓の権左の数寄屋の段の表現力の豊かさをちゃんと味わうことができ、それが個人的に嬉しかった。

2017-07-30

[]国立文楽劇場 第147回文楽公演

国立文楽劇場のページ

夏休み文楽特別公演

第1部 【親子劇場】

金太郎の大ぐも退治(きんたろうのおおぐもたいじ)

赤い陣羽織(あかいじんばおり)

第2部 【名作劇場】

源平布引滝(げんぺいぬのびきのたき)

 義賢館の段/矢橋の段/竹生島遊覧の段/九郎助住家の段

第3部 【サマーレイトショー】

夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)

 住吉鳥居前の段/釣船三婦内の段/長町裏の段

夏休みの公演のたのしさは子どもたちが大人に連れられてたくさん劇場に来ていること。金太郎の話では鬼の登場に泣き出す子もいたけれど、それほどこどもの目にはリアルだったんだな。大ぐも、蜘蛛のいやなところ(こどもが出てきてわらわらとなるところ、目のようなものの不気味さ、脚がとれてもなお健在みたいな感じ)が、うまく表現されていた。「金太郎の大ぐも退治」は宙のりもあり、歌舞伎的な見世物的な魅力があったと思う。

「源平布引滝」、今まで、「九郎助住家の段」しかみたことがなく、やはり通しでの上演の方がいい。「九郎助〜」からでは、小まんの活躍っぷり、実盛のしたことが味わいきれない。「矢橋の段」での女性のアクション劇、文楽 ではじめてみて新鮮。

「夏祭浪花鑑」、華のある舞台。主人公団七が舞台に出てきただけで沸き立つ。勘十郎さんあやつる団七の所作のキマっていること。太夫や三味線の夏の装いも楽しい。(長町裏の段で、咲甫太夫と寛治さんは茶色の団七格子だったと記憶。)今回はことを終えた後登場するおみこしに、団七の、越えてはいけない一線を越えてしまった、もうお神輿をのんきに担いでる世界にはなじめなくなっているつらさがとても染みた。文楽ではじめて涙がにじんだかも・・

徳兵衛の女房お辰を遣ったのは蓑助さん。今までお辰は、義を重んじる見上げた女というイメージだったけれど、蓑助さんが遣うと、徳兵衛の大切な人のためならこういうこともしますよという一途な女、可憐さもみえた。

今回も「赤い陣羽織」の女房や、「住吉鳥居前の段」で出てこられた咲寿太夫の女形の声、いいなと思う。