日常整理日誌 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2017-07-30

[]国立文楽劇場 第147回文楽公演

国立文楽劇場のページ

夏休み文楽特別公演

第1部 【親子劇場】

金太郎の大ぐも退治(きんたろうのおおぐもたいじ)

赤い陣羽織(あかいじんばおり)

第2部 【名作劇場

源平布引滝(げんぺいぬのびきのたき)

 義賢館の段/矢橋の段/竹生島遊覧の段/九郎助住家の段

第3部 【サマーレイトショー】

夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)

 住吉鳥居前の段/釣船三婦内の段/長町裏の段

夏休みの公演のたのしさは子どもたちが大人に連れられてたくさん劇場に来ていること。金太郎の話では鬼の登場に泣き出す子もいたけれど、それほどこどもの目にはリアルだったんだな。大ぐも、蜘蛛のいやなところ(こどもが出てきてわらわらとなるところ、目のようなものの不気味さ、脚がとれてもなお健在みたいな感じ)が、うまく表現されていた。「金太郎の大ぐも退治」は宙のりもあり、歌舞伎的な見世物的な魅力があったと思う。

「源平布引滝」、今まで、「九郎助住家の段」しかみたことがなく、やはり通しでの上演の方がいい。「九郎助〜」からでは、小まんの活躍っぷり、実盛のしたことが味わいきれない。「矢橋の段」での女性のアクション劇、文楽 ではじめてみて新鮮。

「夏祭浪花鑑」、華のある舞台。主人公団七が舞台に出てきただけで沸き立つ。勘十郎さんあやつる団七の所作のキマっていること。太夫や三味線の夏の装いも楽しい。(長町裏の段で、咲甫太夫と寛治さんは茶色の団七格子だったと記憶。)今回はことを終えた後登場するおみこしに、団七の、越えてはいけない一線を越えてしまった、もうお神輿をのんきに担いでる世界にはなじめなくなっているつらさがとても染みた。文楽ではじめて涙がにじんだかも・・

徳兵衛の女房お辰を遣ったのは蓑助さん。今までお辰は、義を重んじる見上げた女というイメージだったけれど、蓑助さんが遣うと、徳兵衛の大切な人のためならこういうこともしますよという一途な女、可憐さもみえた。

今回も「赤い陣羽織」の女房や、「住吉鳥居前の段」で出てこられた咲寿太夫の女形の声、いいなと思う。

2017-05-29

[][]続 数寄です!弐

山下さんの家を設計した蔵田さんが六本木での文楽の組立式檜舞台を担当された話、興味深かった。桐竹勘十郎さんとの打ち合わせ現場の、勘十郎さんのお顔がリアル。こういう顔して打ち合わせされそうだ〜。。山下さん、文楽お好きなそうで、住太夫さんの講義にも行かれたり、橋下市政のもとでの補助金削減の話などもさらりととりあげておられたり(その取り上げ方が山下さんらしく慎み深くよかった)うれしい気持ちになる。

自分の理想の家を追い求め続けた山下さんのお父さんの話も映画「人生フルーツ」*1のよう。どのように住むかって確かに人生そのものになっても良いものだなあ。

そして友人が体験された茶の湯でのおそろしげな体験。(ひょんなことでやんわり、だけど厳しくおとしめられる)伝統の世界にはそういう側面が出てくることもあるなあ・・古きよきものを礼賛するだけでなくこういう側面も描きつつ・・みたいなところも親しみやすくっていい。

2017-04-18

[][]第百四十六回文楽公演

第一

寿柱立万歳

菅原伝授手習鑑

 茶筅酒の段

 喧嘩の段

 訴訟の段

 桜丸切腹の段

豊竹英太夫改め六代目豊竹呂太夫襲名披露口上

 寺入りの段

 寺子屋の段(襲名披露狂言)

第二部

 祖父は山へ柴刈りに

 祖母は川へ洗濯に

  楠昔噺

   碪拍子の段

   徳太雄住家の段

 曽根崎心中

   生玉社前の段

   天満屋の段

   天神森の段

4/16日曜日に鑑賞。

私が一番よかったと思ったのは「曽根崎心中」。本当に美しい舞台で見惚れた。勘十郎さんのお初、姿かたちもとても良い。ファーストシーンの桃色の地に線やシンプルな花が散らされたような、春らしい着物と銀と黒の市松模様の帯、着物とぴったりの派手ではないのだけど魅力のある、ボタンでいえばくるみボタンを思わすようなかわいらしいかんざし。

次々変わる着物、打掛が美しく、天満屋の段での背景の梅の暖簾との色の配置もきれい。

f:id:ponyman:20170421192737j:imageこの紫の打掛がよかった

天神森の段では大好きな鶴澤寛治さんのお姿もおがめてうれしい。あのたたずまいが好きで好きで。

太夫さんの方では「菅原伝授〜」の喧嘩の段の咲寿太夫の、登場人物の声の使い分け、特に女性の声が印象に残った。

「楠昔噺」は、老夫婦ののんびりしたスタートから例によってたまげるような話の展開だけど、見せ場も多く退屈しない。

2017-03-07

[][][][][]恋や恋なすな恋

内田吐夢監督が歌舞伎のストーリーをもとに作った「花の吉原百人斬り」がよかったので、引き続き人形浄瑠璃の「芦屋道満大内鑑」及び清元の古典「保名狂乱」を素材に作ったこの作品をみてみた。(脚本も「花の吉原〜」と同じく依田義賢。)

かねてからちゃんと知りたいと思っていた安倍晴明のお母さんの葛の葉伝説の話。一部アニメーションも使い、また、冒頭の、天変地異が起こるあたりなども幻想的な画面作りになっている。大川橋蔵さんが恋人喪失の悲しみのあまり精神に異常をきたしてしまう安部保名を演じるのだけど、お若い姿を拝見するのははじめてかも。ぷっくりしていて愛らしいし、自分の想いに突き進む姿に説得力がある。清元にあわせて踊るシーンもとてもすばらしい。

恋や恋なすな恋 [VHS]

恋や恋なすな恋 [VHS]

2017-01-22

[][]人形浄瑠璃文楽 平成29年新春文楽公演

第1部

寿式三番叟

奥州安達原

 環の宮明御殿の段

本朝廿四孝

 十種香の段/奥庭狐火の段


第2部 

お染/久松 染模様妹背門松

 油店の段/生玉の段/質店の段/蔵前の段

よちよち歩きの文楽鑑賞ではあるけれど、いつも楽しみにしているのが鶴澤寛治さんの三味線をひいておられる鶴のようなお姿なので、今回御病気での休演はとても寂しかった。昨秋米寿になられたとのことで、番付の「技芸員にきく」でも特集が組まれているのに・・でも、無理のないように長く続けて下さいと心から思う。

お染/久松のお話は、いろいろな形で作られているようで、今まで野崎村に行くのをみていたが、これは、野崎村に行く前で話が終わっている。また、最後の演出は同じ「染模様妹背門松」でも違うパターンもあるようだ。「染模様妹背門松」は大阪での話で、シビアさとコミカルさがまざったようなところがある。番頭の善六というのがトリックスターみたいなところもあり、勘十郎さんが遣っておられた。自分たちの話が演じられているところをみる、という入れ子構造や全体のリアリティ寄りの風合い、割合好きだった。

「奥州安達原」、もともと世話物の方がみるのが楽、という気持ちが今までの自分にはあったけれど、時代物もいいなと思った。ちょうど良質の大河ドラマをみたあとだと、現代の恋愛ものに物足りなさを感じるようなあの心情。重厚もいいなという感じ。御殿の様子をみながら、きちっとした雛飾りなども思い出した。吉田勘壽さんの妻浜夕が心に残る。玉男さんと玉也さんの安部貞任、安部宗任兄弟の変容ダイナミック。

「本朝廿四孝」文楽の動物ってなんか魅力あるんだよな・・勘十郎さんの遣われるきつねの仕草、たのしんでされているのもわかるし、また動物のリアリティーのだしかたがよかった。