日常整理日誌 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2018-04-08

[][][]エバースマイル、ニュージャージ

1990 カルロス・ソリン監督作品

ダニエル・ディ・ルイスが信念の凄い旅の歯科医を好演。(ぴったり)。

ソリン監督、「王様の映画」*1でもだったけれど、なにかにとりつかれたようになる人をあたたかく描くなあ・・アルゼンチンの風景も良いし「王様の映画」でも感じたけれど、画面作りが美しい。(同伴する女性の天使のような様!)アルゼンチンの風景をみていると、「ラテンアメリカ/光と影の詩」*2の情景も思い出した。

エバースマイル.ニュージャージ [VHS]

エバースマイル.ニュージャージ [VHS]


[][][]修羅城秘聞(双龍の巻)、続・修羅城秘聞

1952 衣笠貞之助監督。「桃太郎侍」の源流。大河内伝次郎氏演じる敵役のみどころのある存在感が作品を引き締め盛り立てている・・桃太郎巡る女性二人の描き分けもgood! 仇っぽい轟夕起子さん、私には珍しく、そしていい感じ。

双龍の巻Movie Walker

続編 Movie Walker

2018-03-30

[][][][]ともだち

1961年 時枝俊江監督。

東京のある幼稚園のこどもたちを入園の日からずっとカメラで追いまとめたもの。想田監督の観察映画のような、一応注釈なしでみせて判断をこちらに投げるような形式に慣れていると、起きている事件に対する解説に決めつけを感じる瞬間もあるけれど、わかりやすく導いてもらってよいともいえる。

基本的には松田道夫の「育児の百科」のような口調。

子どもの表情や声をよくとらえていて、おもしろい。入園すぐのこどもたちの所在なげな体の動きなどくっきりとわかる。(山形国際ドキュメンタリー映画祭のサイトのインタビューの2ページ目にもこの作品の撮り方の話が出てくる。)

「町の政治 べんきょうするお母さん」*1の監督さんでもあるんだな・・

こちらのブログでは今みられる(DVDに収録されている)時枝監督の作品を紹介しておられる。

2018-03-24

[][][]朴さん

1960年 カン・デジン監督作品。

ビデオジャケットによると、主人公の朴さんを演じたキム・スンホは、「シュリ」や「八月のクリスマス」のハン・ソッキュッシュが最も尊敬する俳優にあげているそうだ。

韓国の松竹映画ともいえるようなホームドラマ作品だけど、娘が結婚したい相手の親族に横やりを入れられるシーンの悔しさなどは階層社会のいやさがもっとはっきりくっきり描かれている。

小津安二郎監督の、こどもが育っていく時の感慨を描いたようなもの、今まではこどもの立場でみたりもして、妙に責められてる感を勝手に味わったりすることもあったのだけど、この映画では完全に親側、主人公朴さんと同じような心持ちでみていた。自分の年齢ゆえもあり、また朴さんの感情表現は、思っていることを押し隠すオトナな感じでなく、割合照れ隠しをしながらも結局はストレートみたいな、幼な子のようなところもあって向こうのオープンマインドにこっちも呼応しているような気もする。139分間ずっと楽しめた。

輝国山人の韓国映画というサイトにおまけとして書かれている

この映画の制作者であるイ・ファリョン(李華龍)は,暴力団から映画制作者に転向した人で,1961年の5.16軍事クーデター後の軍による全国一斉暴力団狩りにより摘発され,革命裁判所で死刑を宣告されたそうだ。

という言葉に驚きつつも、韓国の歴史を知るきっかけをもらったという思いにもなる。

朴さん【字幕版】 [VHS]

朴さん【字幕版】 [VHS]

2018-03-22

[][][][][]獅子の座

昭和28年伊藤大輔監督作品。

ビデオパッケージより

宝生流十五代宗家宝生弥五郎に江戸開府以来第六回目という勧進能が聴許され、その日は将軍家慶も上覧することとなった。演目の“石橋”では太夫の弥五郎が長男石之助と一緒に親子連獅子を舞わねばならず、そのため幼い石之助に対する稽古は厳格を極めた。〜以下略

伊藤大輔監督はビデオに同梱された山根貞夫氏の解説によると、幼いころから能が好きだったそうで、ただ、ご本人の弁として「能のことを知りすぎていたので、題材に溺れてしまった」とのちに語っているそうだ。

yahoo movieのbakenekkoさんという方のコメント欄を拝見していると、“石橋”以外にも能の“羽衣”、“高砂”などが出てきていたらしい。(”熊野”というのも確認できた。)

田中絹代演じるところの石之助の母親 久の教育がキツくてしんどいものがあるのだけど、しごきに耐える息子役の津川雅彦*1は、けなげでなかなかよかった。今だったらカウンセリングが必要と感じられるほど追いつめられている姿がリアルだった。また、帝王教育とは無縁で、放任っぽく対照的に描かれる弟 重次郎も、いざとなったらなかなかの舞台度胸(“忠信”という演目)。長男と次男の違いは、中村屋の小さい兄弟のドキュメンタリーなどでも感じることある。重次郎を演じたのは木村国臣という役者さんのよう・・

こちらのブログを拝見していると、この映画でも出てきた津川さんの演じた宝生九郎の雷嫌いは有名な話だったらしい・・

[][][]王様の映画

DVDの良作という評判をどこかでみて、借りてみたが、ビデオジャケットの説明によると1986年ベネチア映画祭銀獅子賞、同年バリアドリー映画サインフランソワ・トリュフォーグランプリほか数々の賞を受賞しているとのこと。

アルゼンチン カルロス・ソリン監督。

映画を作ろうとして頓挫するさまは、「ロスト・イン・ラマンチャ」の面白さを先取りしているよう。トラブル続きの挙句にやけっぱちで作った映像がとても美しかったりする。大女などフェリーニ的画も・・。

アルゼンチンって「ボンボン」*2という映画もかわいらしく面白かったなあと思って調べたら、同じ監督だった!

王様の映画 [VHS]

王様の映画 [VHS]

[][][][]犬と女と刑(シン)老人

映画com

1993年 シェ・チン監督

1972年寧夏という田舎の村はずれで犬を飼っている老人が主人公。

気のいい連中で暮らしているような村にも訪れる文化大革命の影響。

その村をまとめるような班長の、中間管理者としての苦衷を描くことにより、作品に深みが出ている。

「わたしの犬は世界一」*3、「スケッチ・オブ・Peking」*4でも中国での犬の飼育禁止がでてきたが、こちらは描かれいる年代も古く理不尽なものとして直球で描かれている。

こちらのブログに書いてあるけれどシン老人の、シンは機種依存文字ため「刑」となっているけれど、本当は漢字の右側(つくり)は「阝」。

[][][]帰らざる海兵

「森浦への道」*5がとても良かったので、引き続きイ・マニ監督の作品を。

朝鮮戦争が舞台で、普段戦争ものの題材のものに対してまず、重くてあまり関わりたくな事柄という気持ちをちらっと持ってしまうのだけど、この映画をみていると、戦争はうれしくもないが、大切なものを守るためにこうしているのだろうなという気持ちになった。接近戦が多く、マクロに描くがゆえに壮大すぎてわからなくなる戦争ものという感じでなく、ごくそばにいる人が体験している事柄としてとらえることができる。

岡本喜八監督の「独立愚連隊」*6やアルトマンの「コンバット」*7のような映画をみているような感触もあり。戦争という場での人間を描くところが。

戦争遺児の女の子(チョン・ヨンソン)が出てくることで、男と戦一色感が薄まり見やすくなっている。

シネマコリア

帰らざる海兵【字幕版】 [VHS]

帰らざる海兵【字幕版】 [VHS]

2018-03-20

[][][][][]檜舞台

昭和21年作品。戦争が終わって間もない頃の劇団。その描写がリアル。

「瞼の母」を父親に置き換えたような・・と思ってみていたら、「瞼の父」と書いておられる方がいらっしゃった。(こちら

長谷川一夫の鏡獅子が見事。日ごろ、ふや町映画タウンの大森さんが長谷川一夫の所作をほめておられるけれど、なるほどくっきり感じた。

「連獅子」を以前シネマ歌舞伎でみていたので*1今、どこを演じているというのがわかったのもありがたかった。シネマ歌舞伎、良い企画だなあ。