日常整理日誌 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2016-08-14

[][]草津温泉

急な家族の思い付きで草津温泉へ。「草津よいとこ」という曲のイメージよりずっと避暑地っぽい雰囲気のところがある。「知床慕情」「襟裳岬」にしても、曲のイメージがしっかりしすぎていて、勝手に「こういうところ・・」というイメージを持ってしまうが、出会ってみて、曲の固定観念ないほうがいいと思ったりしてしまう。富良野でもずっと「北の国から」の音楽が流れているのがちょっと残念だったこともあり、曲で有名になるのだろうけれど、そういうバイアスなしで出会うチャンスを奪う場合もあるなあと、これは曲によらずなんでもだなあと思ったりしている。ある人の紹介でそういうもの、と決めつけてしまうことがあって、それが作品に出会うチャンスを阻害してしまう場合だってあるだろう・・

さて、去年まで息子が信州にいて、信州との心の距離が大変近くなっているのだけど、今回草津温泉に行くときも、松代温泉に寄ったり、帰りも上田に寄ったり、ちょっとずつ信州との出会いが増えていってる。

友人が銀閣寺アンティークショップ迷子で購入して見せてもらったこの本も年々知っている地名が増えておもしろい。

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信濃毎日新聞社によるこの本は信州郷土史研究会の方々が解説を担当されていて(西洋館部門の荒川久治さん。。このお名前はどこかで覚えがあるような・・)きっちりと調べてあって、刺激が多い。

気になったメモ

信州大学医学部構内にある旧松本五十連隊の炊事場

大阪城の近くの旧・軍の施設もレンガ造りで気になるものだったなあ・・

穂高の旧有明高原寮

テレビドラマ「鐘のなる丘」の舞台となり「とんがり帽子の時計台ー」の歌で広く親しまれた建物だそう。明治の中頃長野市鶴賀に建てられた木造三階建ての大きな遊郭花柳界が衰微した大正八年に片倉の資本による有明温泉が買い取って移築。その後は終戦直後混乱期に松本少年院、昭和24年からは法務省国立少年院有明高原寮として全国でも数少ない施設だったとか。

こちらのページにも上に書いたことが「鐘の鳴る丘集会所」となったその後も含めて詳しく書かれている。

2016-01-05

[][]雑誌ケトルでめぐる旅

2014年4月号のケトル「旅に出たら本屋に行くのが大好き!」を以前誕生日にいただいて、すごく活用している。

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12月に行ったのは、鳥取定有堂書店ものごとをゆっくり考えるための本、生活をよくしたり、楽しくしたりするヒントになるような本がおもしろくカテゴリー分けされて並んでいて、落ち着いたとてもよい書店。

たくさん深い内容の本が並べてあったのだけど、そこで買ったのは、ものすごい実用書。クロワッサンの掃除特集

今までの自分の経験から買っただけで安心してしまうのでは?という危惧もあったのだけど、とっつきやすく楽しい。一人暮らししていて部屋がえらいことになっている息子も読んで実践してみようと思ってくれた記事あり。

そして、もう一冊

新版 山陰旅行 クラフト+食めぐり

新版 山陰旅行 クラフト+食めぐり

これは旧版を持っていてとても重宝していたのだけど、こどもに貸したかなんかの後どこかに行ってしまい悔やんでいたもの。新版になり新しい情報も付け加わり、ボリュームも増していたので思い切って記念に購入。買って正解だったと思う。


鳥取、チェーンでないお店がちゃんとがんばっていて、とても気持ちのよい町だった。

f:id:ponyman:20160105072411j:imageおみやげを買いに入った加藤紙店も、季節のカードを使ったさまざまな手書き文例が壁面を飾っていて、心のこもったお店。おたよりを出す心っていいなあという気持ちにさせられる。そして、「ケトル」をプレゼントしてくれた友人にあげる小さな文具を購入。普段行くお店であまり見かけないミニ便箋と封筒を探して贈ったら、あんなかわいいのはみたことがないといってもらえうれしい。

f:id:ponyman:20160105072412j:image帰りはベニ屋で、チキンカレーを。落ち着く雰囲気。なぜだか、私の好きな力士照ノ富士から謹呈されたような相撲の番付表が。。鳥取北高校にいた経緯からかな。。

年明けて、1/4、今度は

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福井空中BOOKSに。田んぼの中のセレクト本屋さん。ヴィレッジバンガード出身の店主がヴィレバンの遺伝子を受け継ぐという意味の紹介が「ケトル」にしてあったが、ヴィレバンよりずっと落ち着いていて、50代前半のわたしたち夫婦にもなじめる雰囲気。そしてもっと若い世代にも。雑貨と本の配列がよく、気取ってなく親しみやすいけれどスマートな本棚がくつろげる。

買ったのは。。

今度出かける参考になりそう。

いいビルの写真集 WEST

いいビルの写真集 WEST

表紙から漂ってくるおどけた空気もいいし、写真多数でとてもきれいで楽しい。

ウディ・アレンの映画見ていて、つかわれている音楽のこと、引用されている映画のこともっと知りたいと思っていた自分にヒント多数。

2015-09-29

[][]おんなふたり、ローカル線めぐり旅 うっかり鉄道

女性編集者と二人、自分で設定されたルールで回る鉄道の旅。ネーミングどおり、うっかりした出来事も起きるけれど、そういう時にこそその人の人柄がみえるもの。

自分で設定したルールにも、ケレン味がなくて、でも、読者も楽しめるように工夫して書かれていて、好ましい。おしゃれカフェなんかに寄られるところもうれしい。


以下、好きだった表現

ある駅の高架下に、「滅びの美」を感じられ、

本当はいい奴なのに出来心で悪事に手を染めた男がラストで殺されてしまう場所

との評。

また壁に書かれた「小便するな」との文字に

怒りに震えた相田みつをみたいな字

だって。すてき。

そのあと、その駅での展開も映画的でよかったな。


おんなふたり、ローカル線めぐり旅 うっかり鉄道

おんなふたり、ローカル線めぐり旅 うっかり鉄道

2015-08-08

[][][]山とそば

「きょうの猫村さん」*1のほしよりこさんの、イラストと文による松本、岩国〜宮島、鹿児島の旅行記。それぞれ、「山とそば」「ヘビに巻かれて」「カルデラのある町へ」というほしさんらしいタイトルがついている。自分もそこを一緒に旅行している気分になるし、またほしさんの眼の付け所が、さすがで楽しい。(猫村さん同様読んでいて気持ちがよいのに、ぽつんと、妙に人を食ったようなおもしろさがある。)

ほしさんの描く動物がかわいくて。へびも鹿も。馬に乗った後、牛倉牛という牛が主人公の話をどんどん話すところなどにも、ほしさんの才能を感じる。

安曇野で私も見かけた「学者村」という表記からほしさんが勝手に話をすすめるところもうれしかった。私もあの文字をみかけたとき、色々空想していたので。

松本民藝館のことを「想像以上に素晴らしいところでした。しかも近所がいい! 近所の家の庭もいい感じです。」と書いておられるのも同意。また民藝の大家の名前とか出さず、「お皿やら つぼやら くすぐる物たちが良い感じの建物にずらっとありまして」というような表現の仕方がいい。

多分京都の実家で、そばをゆで、おみやげに買ったきのこの大根おろし和えを食べながら、「ああでも・・・そばが違う・・・山も見えるけど ちがう・・・だけど マサムラの天守石垣サブレはすごくおいしい!」とつぶやくところも、ほんと気持ちがわかる。

松本メモ 山辺中学のそばの田舎家。ちきりやさんおすすめの女鳥羽そば。中町通りのそば野麦。伊藤まさ子さんが「ミセス」で紹介されたちょっと高級な感じのお店三城(さんじろ)

山とそば (新潮文庫)

山とそば (新潮文庫)

2015-07-16

[][][]「津軽」をたどって・・・

ココログでGWに行った青森の日記を書いていたけれど、黒石でストップ*1して、そのあと行った太宰治関連の土地について、まとめときたいなと思いながらどんどん日にちがたってしまった。そんな折も折、本日、現代の太宰治といわれている又吉直樹が太宰悲願の芥川賞を受賞したニュース。金木の太宰治の生家斜陽館に隣接した物産館マディーニでも、又吉の特集なんかもしていたし、斜陽館のすぐそばの「太宰治疎開の家」のブログでも又吉氏来訪のよい感じの記事が載っていた。きっと津軽でも喜んでいる人多いだろうなあ・・ということで、本日「津軽」巡りをした日のことをまとめておく。

まずは生家 斜陽館

f:id:ponyman:20150505125224j:image今読み始めている猪瀬直樹による太宰治の評伝「ピカレスク」でも、

六百坪の敷地にあたりを睥睨する赤い屋根の大邸宅が建造された明治四十年までに父親源右衛門は青森県高額納税者番付の第四位にまで躍進していた。金木町では殿さまである。刑務所のような背の高い四メートルの煉瓦の塀に囲まれた大邸宅には十九もの部屋があった。中心に十五畳間が四部屋ありぶち抜けばいつでも大宴会場にできた。二階の妖魔には大きなソファ、そしてシャンデリアが輝いていた。

と書かれているように、私はまず塀に驚いてしまった。猪瀬氏のように、刑務所とまではいわないけれど、日本の住宅ではない、なにか広場のようなものを連想した。きくところによると、百姓一揆をおそれて、せめてこられないためにこのような塀が設けられたとか、また警察の機関も近くに建てられたとか・・周りの小作人との格差が太宰の悩みの原点であり、そのような環境に育ったことがよりどころでもあり、ということが肌で感じられた。

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f:id:ponyman:20150505142506j:image「津軽」*2にも出てくる金屏風の間。みながここに集まっているということで、上にあがろうかどうしようか迷ったりする描写もよかった。

新潮文庫の「津軽」にとても丁寧な注釈をつけておられる渡部芳紀さんのページでも斜陽館の説明が丁寧にされている。

また上でも言及した斜陽館の隣の物産館マディーニ、ここで太宰にまつわる本なども売られていたのだけど(太宰生誕祭にちなんだブックミアというイベントだったっぽい)、これにもおもしろい寸評がつけられていたりして楽しかった。太宰の妻 美知子さんの「回想の太宰治」なども、ほかにはない客観的な視点がおもしろいだとか、10年も一緒にいた美知子さんだからこそ書けた、などということが書かれていてとても心惹かれた。

その次に行ったのが、太宰治疎開の家

f:id:ponyman:20150505145149j:imageもともと斜陽館にくっついていた太宰のお兄さん夫妻のための離れを曳き家移築したもので、

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新婚のお兄さんたち用ということで、家具にハートのデザインなども・・そしてこの上に飾ってある写真は多分10代の太宰治がこの家具の前で撮った写真が。「恵まれた環境で、もう悩み始めていたんですね・・」と解説。こちらの解説は太宰をしっかりと味わっておられる方が自分の言葉でそれを伝えて下さるとてもよいものだった。なにか愛嬌もあって。

おみやげのコーナーで、ほかのお客さんに「みていただきたいのはこの明るい笑顔の写真。太宰といえば有名なあごに手をのせた写真のあの表情がありますが、あれは自分でもイメージづくりをしていたもので、こんな笑顔の時もあるんですよね。」と説明されてた声がきこえてきた。(ほかの方への説明でどんな写真かみられなかったのだけど・・)

f:id:ponyman:20150505145120j:image「故郷」*3に出てきたお母さんが床につかれていた部屋。解説して下さった方の手ににぎられていた「故郷」の収録されている「走れメロス」の本はずいぶんと読み込まれていた。

ここでは、朗読会、展覧会だとか気持ちのこもったイベントをよくされているよう。太宰作品の一節も貼られていたり、随所から愛情が感じられるよい場所だった。

その次に行ったのは

f:id:ponyman:20150505162949j:image小泊の小説「津軽」の像記念館

「津軽」の最後、子守りのタケさんを訪ねていった、すてきなリズムで描かれていたあの場所。タケさんが太宰について語っている映像なども残っていて、「修ちゃ」と呼ばれていたころの太宰をほんとに身近に感じた。

その日は「津軽」に出てきた竜飛岬まで車で行き、御厨なども車から味わう。なんか軟弱みたいにいわれている太宰だけど、なかなかどうして「津軽」を読んでいると大変なみちのりをただ耐えて歩いたりして、健脚だし、根性もあるのでは・・と思ったりもした。(あの時代はそれが普通なのだとも家族にいわれたりもしたのだけど・・)

f:id:ponyman:20150505173600j:image竜飛漁港の夕暮れ。北欧や英国の映画に出てくる曇天と相通じる「乾いた北のくもり空」を感じた。