日常整理日誌 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2018-01-09

[][][][]戦場の小さな天使たち

意表をつくおもしろさ。

邦題がありがたすぎて、この映画のたのしさを伝えていない。原題は「Hope and Glory」。

第二次世界大戦中のロンドンの少年の一家の物語だけど、こんな戦中もの初めてみた。リアリスティック生きる力に満ちていて、少しの陰影もあって、薄っぺらでなく楽しい。少年や妹の表情がものすごくいいし、なんとも後味がいい家族の物語。

音楽もとてもよい効果を与えている。嫁いだ姉妹たちが「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の第四楽章を演奏するシーンの、品はあるけれど、なにかお茶目な感じとかも好き。この先わからないけれど今は大団円みたいな感じが胸に響く。


クリスマスの国王の演説のシーンは映画「英国王のスピーチ*1エピソードとも重なっている。

2018-01-03

[][][]星くず兄弟の伝説

1985年手塚真監督作品。今年続編「星くず兄弟の新たな伝説」が公開されるそう。「星くず兄弟の伝説」の方はすごく80年代っぽく、配給シネセゾンということだったけれど、86年パルコ配給の「ビリー★ザ★キッドの新しい夜明け」と似た、あの当時の空気が濃厚に流れていた。(たとえばこの映画では渡辺和博など文化人に近いような人も巻き込む文化祭的なつくり)

続編の予告をみていると、続編はかなり現代にみるのにふさわしい感じになっている気がする。

2017-12-20

[][][]魚影の群れ

公開当時は自分と無縁っぽい作品だと思っていたのだけど、東北に関心を持つようになった昨今、大間やむつが舞台という事で俄然興味を持った。

1983年相米監督作品。佐藤浩市演じるむつ市で喫茶店を営む若い男が、緒形拳演じるマグロ漁師の娘、夏目雅子を好きになり、大間のマグロ漁の世界に飛び込もうとするが・・という話。

マグロとの格闘シーンは迫真。

最初の天真爛漫な夏目雅子の姿が印象的。

緒方拳が北海道に行くところで映る旅館が印象的だったが、増毛町の富田屋旅館だったらしい。(こちら

あの頃映画 「魚影の群れ」 [DVD]

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2017-11-11

[][][][]ハイ・ホープス キングス・クロスの人々

マイク・リー監督の出世作とのこと。イギリス映画らしい抑制がきいた感じがとてもいい。友人が同監督の「秘密と嘘」をみて、自分の人生の転機を得たといっていたが、わたしもこの作品をみて人生の対処に対するヒントをもらった。いつまでも子どもが欲しくない男とそのパートナー。男は老母のことも忘れないあたたかい心の持ち主だけど理想主義かつペシミスティックな理論武装で世の中に対して閉じてもいる。そしてやはりあきらめきり心を閉ざした感じの彼の母親。庇護しなければいけない存在のように登場し、しかしじっくりと彼女の内面に寄り添っていくような映し方、そこからの薄明かりのようなものが素晴らしい。自分の理想とのはざまで社会に押しつぶされそうになっている男は、先日みた、1991年のマイク・リー監督の「ライフ・イズ・スウィート」*1にも相通じるものがあるなあ。

みたのはvhs

[][][]バックマン家の人々

偶然にも前述の「ハイ・ホープス キングス・クロスの人々」と同じ1988年製作。こちらも家族の物語で、多世代の問題を取り扱っているところが重なる。そして、かたやイギリス、かたや本作はアメリカと好対照のお国柄がみえる。スティーブ・マーティンが主人公ということもあって、わかりやすく問題が提示され、でも、陽気な中の翳りみたいな色彩もある。

若きキアヌ・リーブスが魅力的。父親役のジェイソン・ロバーズの味がよい。調べたら「砂漠の流れ者/ケーブル・ホーグのバラ―ド」*2のケーブル・ホーグ?あれはよい映画だったけれど、まだちゃんと結びつかない。「マグノリア」のアール・パートリッジというのはちょっとわかるような・・

バックマン家の人々 [VHS]

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2017-10-02

[][][][][]魂遊び ほうこう

ポレポレ東中野で公開時の紹介ページ

movie walkerの紹介ページより

京都在住の人形師・奥井恵介の仕事ぶりを描くドキュメンタリー。奥井恵介は京都の銀閣寺に近い下宿に住み、顔師を生業としている。顔師とは芸妓や舞妓などにいわゆる白塗りの化粧を施す人のことである。そのかたわら奥井は独創的な人形造りを続け、寺の境内などさまざまな場所で公演を行ってきた。また、音楽も新内、地唄、長唄などの邦楽を始め、電子音楽といったさまざまなジャンルのものを使用している。

高林陽一監督。1988年製作。

ビデオジャケットの「協力」の欄に大林宣彦監督の名前が。ドラマ仕立てで、みているものを代表しているような人が奥井の人形と出会ったりする場面の風合いなどは大林監督の映画風でもあった。何かスケッチブックに描いたようなタッチ。

ロケは京北(バス停に「鬱桜寺」という文字が見えた。)や山陰線の日吉駅あたりか(1996年まで殿田駅という名前だったようだが、「たばこは日吉町で」というような看板がみえる駅前。)

奥井氏の作る人形芝居は、情念などがどろりと沸き立ち、ストリップ劇場「京都道成寺」における 「娘道成寺 日高川」など大変エロティック。土の匂いがした。もしかして原初の人形芝居というのはこういう妖しさを秘めていたものかもしれない。