The Beatles / With The Beatles (1963)

With The Beatles

デビュー時点で既にとてつもない作曲家であったレノン/マッカートニーですが、僕はこのアルバムにおいては素敵過ぎるカバーの方に耳を奪われがち。特にお気に入りなのが「You've Really Got a Hold on Me」と「Devil in Her Heart」。2曲とも胸キュン度の高いポップンソウルぶりがたまりません。
ジョンが影響受けまくったスモーキーロビンソンの名曲「You've Really…」はジョン&ジョージのハモリも泣けますが、オリジナルに無いブルージーさが出ているのはジョンのノドのマジックですね。
ガールグループ、ドネイズの「Devil…」は選曲の勝利と言いますか、ドネイズって誰?って感じですが、僕はビートルズのカバーでこれが一番好きかもしれない。ってくらい好きです。せつなくて可愛い。
そしてひそかに、どうしようもなくイイのが「Till There Was You」。ロックンロールバンドがこういう曲やっちゃイケナイと僕は思うのですが、このカバーがまた最高です。ポールは狂ってますね。

Chuck Berry / The Great Twenty-Eight (1984)

Chuck Berry / The Great Twenty-Eight

チャックベリーの曲は、もちろんのこと先にいろんなカバーバージョンを耳にしていて、オリジナルを初めて聴いたときには、意外なほどアッサリしてるんだなあと思って若干拍子抜けしたような覚えがある。黒人音楽特有のこってり感も無いし、歌もあんまりシャウトせずにひょうひょうとしてるし、全体的にほのぼの感さえ漂ってる。それはブルースやゴスペルよりもむしろカントリーに近い感触で、だから自分がカントリーロックなんかを聴くようになって以降、ベリーのロックンロールが俄然気持ち良くなった。
それにしてもチャックベリーのギターはライブではめちゃくちゃですが、レコードでもそこそこテキトーですね。いい意味で。

Little Richard / Best of (1991)

Best of Little Richard

69年トロントフェスの映像を見ると、チャックベリーやらボーディドリーやらジェリーリールイスやら、ロックンロールの大御所が続々と登場し圧倒されるのだが、中でも異彩を放ちまくっているのがリトルリチャード。その強烈過ぎる存在感や異様なハイテンション、ゴスペル直結の熱狂パワーはJBと双璧。実際デビュー前のJBが、興行をバッくレたリチャードの代役(つまりニセモノ)を務めたという伝説的エピソードあり。たまらんお話ですね。ワッパバルマーバラッバンブンです。そしてこのベスト盤を聴いてる間は、ずっとポールマッカートニーの顔がちらついておりました。

James Brown / Revolution of the Mind (1971)

James Brown / Revolution of the Mind

タイトルもジャケもライブ盤ぽくないが、アポロライブ第三弾。パリライブの『Love Power Peace』と同時期だが、バンドもセットリストも別で、全体の感触も随分違う。録音状態の差もあると思うけど、パリではほとんど殺気みたいなパワーが炸裂していたのに対し、アポロの本作ではハイテンションを保ちつつもステージと客席双方に余裕が感じられる。その分演奏の切れも抜群で恐ろしく完成度が高い。「Escape-Ism」からいつの間にか「Make It Funky」に移行するクールファンキーなメドレー(16分!)が特にカッコイイ。
それにしても、これCDでしか聴いたことないけど、二枚組LPはどうやって四面に分けてるんだろう?てのが気になる。流れがあまりに見事過ぎて、聴いてると切りどころが見当たらないのです。

James Brown / Love Power Peace Live at the Olympia Paris 1971 (1992)

James Brown / Love Power Peace

「Intro」〜「Brother Rapp」〜「Ain't It Funky Now」と畳み掛ける冒頭の3連打が凄過ぎる。初めて聴いたときは絶句したが、その後いつ聴き返しても絶句する。今日もちゃんと絶句した。この攻撃力はある意味パンク。熱狂度という点においては、僕がこれまで聴いた全音楽の中でも最高だと思う。観客の反応なんかも含めて、ライブという現場でしか生まれ得ない熱気とかパワーが奇跡的な状態で真空パックされたようだ。「Ain't It Funky Now」に曲がチェンジする瞬間は何度聴いても鳥肌立つ。
ところが4曲目以降、いつも僕はダレてしまう。いや、演奏はダレるどころか最後まで凄いテンションを維持してます、念のため。要所にバラードを挟んだいつものアップダウン構成も申し分無い。僕が勝手に燃え尽きてダレるのです。頭の3曲に続けて間髪入れずに「Georgia on My Mind」になだれ込む(その瞬間の解放感がまた最高!)と、すっかりホッとして放心したまま最後までいっちゃう感じですね。いまだにそう。
尚、このライブは撮影されていてブートで映像出回ってます。一日も早く、良音/良画質で正規リリースされることを切に願うものであります。

James Brown / Live at the Garden (1967)

James Brown / Live at the Garden

アポロなんかと比べると目立たないライブ盤で、私などは最近まで完全に未チェックでした。で、ちょうど昨年出た二枚組[Expanded Edition]で初体験したのであります。
まずはオリジナルの本編。コールドスエット前夜のファンク発展途上期ではあるが、そんなことも音質の悪さもどうでも良くなるほどのハイテンションな演奏で、胸ぐらつかまれて往復ビンタ喰らってるような感覚、呆気にとられているうちに終了。これはスゴイ。
と思ったら、ここからが[Expanded Edition]の本領発揮。ディスク1の後半には、ショーの前半部と思われるインストパートをたっぷり収録。JBの(だよね?)オルガンプレイを堪能できるのが素晴らしい。超高速でもはや原形をとどめない「Night Train」も聴きもの。
ディスク2にいくと、ショー本編を新たにミックス/編集し直したバージョンを収録。音質が格段に改善されて聴きやすいのみならず、オリジナルで疑似ライブ収録されていた「Let Yourself Go」を外し、その替わりに未発表だった3曲を追加。ここで登場する「Papa's Got a Brand New Bag」がブッ飛びのカッコ良さで、本盤の目玉でしょう。当時何故これをカットしたのか不思議でしょーがない。私はこれほど高速なギターカッティングをかつて聴いたことがない。「It's a Man's Man's Man's World」も追加収録だが、イントロでの焦らしっぷりが最高で(歌い出すまでに3分以上!)かなり笑える。
で、まだある。最後に、疑似ライブのため外された「Let Yourself Go」のスタジオセッションが3テイク収録され、メイキング的に楽しめる、という念の入り様。まさにエクスパンデッド!

James Brown's Funky People Part 2 (1988)

James Brown’s Funky People Part 2

このコンピ盤には大変お世話になりました。レアグルーヴが盛り上がってた頃って、御大JBと同等かむしろそれ以上にファミリーメンバーの音源(結局は全面的にJBのプロダクションなんだけど)が脚光を浴びてるような雰囲気があって。オイシイところをツマミ食い出来る本シリーズは、ちょうど当時ファンク初心者だった僕にとって入門書のような存在でした。特に第2集の本盤は、メイシオの「Cross the Track」、ボビーバードの「I Know You Got Soul」、マーヴァホイットニーの「What Do I Have to Do to Prove My Love to You」などなど、こうして曲名を並べて書くだけでも冷静ではいられなくなるようなウルトラ級のド定番ファンクを収録。赤いジャケを見ると反射的にヨダレ出ます。