門前典之『首なし男と踊る生首』(原書房)レビュー

本日のエピグラフ

 死刑が絞首刑と変わったにもかかわらず、斬首を続け、しかも日本刀でなく、本来きこりが使う斧というものを用いて首を切り落とすとは、犯罪者とはいえ礼に失するというものだった。(p.31) 

首なし男と踊る生首 (ミステリー・リーグ)

首なし男と踊る生首 (ミステリー・リーグ)



ミステリアス
クロバット10
サスペンス
アレゴリカル
インプレッション
トータル41


 寡作だ。でもこういうのを書き続けてくれるのなら、待ちがいはあるっていうミステリ者です、ワタクシめは。トリック自体にブラックユーモアのニュアンスを醸し出させてくれるひとは、どうにもいなくなってしまった感があるけれども、探偵小説という物語のエコノミーを追求していけるのは、こういう方向性だと思うので。