レンデルもジェイムズの後を追うように………。邦訳の新刊は二十年ほど前の作品だが、ディスコミュニカティブな事態をシニカルに眺める意識は、たとえばハイスミス的な状況に翻弄される主体の変成ぶりを興趣に据えるのとは、確かに相容れないと思わせる。やっぱりレンデルの仮想敵みたいなのはハイスミスだったのかなー。『髑髏』はワタクシ的に、カーリイ作品の中では一番とっつきやすかったよ。まだ作者の造形する“悪”の質感を、つかみ損ねているんだな。『地球』は、何か不気味なものをどの話でも滲ませて、上手い出来。表題作とハンドブックと赤ん坊と博物館のハナシがツボです。
★★★★★…………面白い!
★★★★…………読み応えあり。
★★★…………一応、満足。
- 作者: ルース・レンデル,山本やよい
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- 発売日: 2015/08/07
- メディア: 単行本
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- 作者: ジャックカーリイ,Jack Kerley,三角和代
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/08/04
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- 作者: ケヴィン・ウィルソン,芹澤恵
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2015/08/12
- メディア: 単行本
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