常夏島日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2010-03-20

[]就職活動の季節たけなわであります

去年は面接担当者をやったけど今年はどうやら助かりそうだ… あれはとてもストレスなので、出来ればやりたくない仕事だねん。

と、安心している中年サラリーマンが土曜日にぼーっとしてると大卒新卒者の採用面接官してたけど質問ある?:ハムスター速報みたいな記事が目に付くのです。

感想:痛いなー。

普通はそれでおしまいだけど、週末は暇なので気になったところについてつらつら書いてみる。

証券コード9000番台 売上高一兆未満千億以上」の会社の面接官だってさ

相当な規模の大企業だねん。「入社後の評価に差が出るのって40手前くらい」という後の記述を見ても、古いタイプの日本企業で間違いない。こういうところは、就職厳しい時期にはやたら人気が集まりがち。太古の昔に官業・公営企業だったような電力や通信、運輸っぽい会社だとなおさら。で、たくさん来る人を個々にポテンシャルまで含めて厳密に選別するだけの能力はない*1ので、まずは形式要件ではじく。浪人だとか大検だとかそういうのは落とす理由を上司に説明しやすい。面接官も、所詮下っ端なので、上司に説明できるかどうかは大切。

でもさすがに入試浪人とか大学留年を一切認めないとかという採用基準を採っている会社は信じられない。就職人気上位の会社でも、浪人・留年は平気で存在する。書いてはあるが、そんなのはこの「面接官」氏の個人的な好みなのではないか。

学歴にこだわるのも同じ理由。同じような知的・情的・体力的な能力を持っている2人の候補者について、残りの枠が1名しかないときに、採用担当者が役員や人事部の幹部に対して「この人間を薦めます」というプレゼンをしなくてはならないときに、比較的言い訳に使いやすい要因が「学校名」。

でも、結局はそういうのも学生と企業の力関係なので、大検であっても、採用されるところでは採用される。あと、この「面接官」氏の会社はどうだか知らないが、このくらいの規模の多くの会社では、その年次に採用する社員には一定のバリエーションを確保したいという考えを持っている。体育会系だけではダメ。勉強しかしてこなかった成績の良い奴も一定割合欲しいし、文科系サークルで妙な特技を持っている奴、年齢も22歳ばかりでは困るし、男女比率もしかり。だから、そのポートフォリオの加減で、えーっと思うような人も入り込む場合もある。

「過去3年の決算短信有価証券報告書」を分析するくらいは当たり前?

会社による。競争が激しいところで、平成バブル採用とかITバブル採用とかの頭の悪い面接官に当たると、そういうわけの分からない質問をされて、単に知識がないという理由で落ちることもあるらしい。余談だが、多分10年後には、団塊退職バブルとかという名前で、2007年前後入社組が馬鹿にされることになると予想している。

そういうのに当たったら、運が悪かったと思うしかない。ちなみに私は平成バブル就職氷河期の狭間の時期の入社だが、有価証券報告書は読んだが、主に役員の経歴と平均給与だけが関心事項だった。学閥がないかどうかは気にした。

中途採用しても育成・活用するノウハウが社内にない」会社だそうです

この「面接官」に単に知識がないか、新卒純粋培養でほとんど全ての管理者を補充することができるいまどき稀な会社。多くの会社が、既存の業態、事業ラインナップだけでは生き延びることが出来ない現状で、新規事業分野に出て行こうと思ったら、多少なりとも中途採用は必要。その場合、採用される中途の人は、既に十分な実績、パフォーマンスを残している人になる。

問題は、新卒同様に、評価すべき実績・パフォーマンスがなく、将来伸びる可能性、ポテンシャルだけしか見るべきものがない場合。ニートとかフリーターという経歴の人。この場合は、新卒と同じ扱いで処遇すれば論理的にはよいことになるが、年功序列的な感覚が、会社の中の人だけではなく、入ってくる人たちの中にも割とあることが問題(「同期」とかというコミュニティがあまり年齢が離れていると成立しづらい)。また、ニートフリーターの人も、新卒と同じ扱いでは不満だったり、年下の上司に仕えるのはイヤだとかという人がこれまた意外に多い。

会社側の都合を言えば、定年制度と、経験の蓄積を前提とした昇進制度がある中で、採用者の年齢にばらつきがあるのは、社内の人口動態の管理が難しくなるという問題もある。

「(新卒一括採用は)一企業にとっては合理的 社会全体にとっては非合理的 いい悪いは別として、規制制度を作らないと永遠にかわらないと思う」

「規制制度」←ここは笑うところ。寄生規制産業の人にありがちな考え方だなー。

本来ならば、景気がよくなれば、企業が新規に人を確保したければ、新卒一括採用に依存することはもはや不可能になるのではないかと考えるのが普通。大学卒業生の数は、ここ10年くらいは横ばいか微増だけど、中長期的には減る可能性が高いのだから。だから、市場の圧力で新卒一括採用という慣行は徐々に崩壊していくので、それを規制でなんとかしようというのは、今の企業のやり方(非経験者の中途採用が難しいという上記の理由)を考えると、導入時の男女雇用機会均等法のように空振り規制、一見合法だけど実はやり方は前とあまり変わらない人事制度を導入されるだけになる可能性が高い。それでもないよりはマシということなのかもしれないけど、規制で全部変わるなんて、ちょっと安直なのではないかなー。

余談ながら、学生数が横ばいできているのに新卒就職が年々難しいというのは、単にデフレ求人需要が減らされているからに過ぎない。学生は、デフレを放置どころか促進している金融当局に対してもっと怒るべき。

「(就職氷河期世代は)安定志向が凄い 社会人舐めるなと言いたい」

いやそれは>>1がいる会社が安定的な大企業だからそういう安定的な学生が集まる、という空想に基づく突っ込みは別として。一般に安定志向が強いのはしょうがない。特にいい大学の学生ほど、それだけの教育投資が累積しているわけだし、それをふいにしたくはないから、リスクに比べてリターンが大きい就職先に行こうとするのは当然。学生舐めるなというべきでしょう。

「こういうスレを見るたび公務員でよかったと思う」

公務員はお勧めしないな〜 どのカテゴリーであっても。

「(面接と筆記以外でチェックしてるのは)退室の仕方はガチ」

半径1mの話ですが、私が面接した人で、退室の仕方がダメだった人はほとんどいませんでした。ってか、退室の仕方がダメな人は、それ以前に受け答えがダメですわ。

「(学閥的なのありますか)学閥はない」

ある会社にはある。厳然となー。役員の出身大学を調べるだね。これは私の偏見だけど、早慶学閥作るの大好きで、慶応閥が根強い会社というのは無視できない確率で存在する。あと、一橋は数が少ないから目立たないけどかなり強烈。

あと、今はそういう馬鹿なことをしている会社も少なくなったかもしれないけれど、大学別に採用数の枠がある場合がある。私の頃には少なくともあった。某都銀ではリクルーターとか面接の初期は大学の先輩ばかりが割り振られ、運よく面接終盤に進んだのでサークルの先輩だった人に「隣にいた早稲田の志望者が頭悪そうなのに次の面接に通ったから、僕も大丈夫ですね!」とカマをかけた*2ら「君のライバルは、早稲田の学生じゃなくって、君の大学の学生だから、仮にその早稲田の学生より君の評価が高くても、君の大学からうちに来ている他の学生のレベル如何では、君は落ちる」とかという言葉を聞かされて衝撃を受けたことがある。

 まとめ

ってな感じかなー。でも、私も転職経験もないし、そんなに新卒人気が集まるような超一流人気企業でもないし、業界でも業界としてもマイナー系だし、新卒一括でずーっと来てて、他社の話は学校の同級生とかからしか聞けないから、所詮半径5mの話。就活やってる学生さんがこのブログを見ているとしても、あんまり真に受けずに、色々聞いて自分で経験するのが良いのではないかと思います。どんなに一流企業でも、ダメな面接官はいるし。所詮運半分、戦略と本人の資質がのこり1/4。「お祈りメール上等、数打ちゃ当たる」の精神が大切かと。

(参照)

就活に必死になる心理と、社畜になりたくない心理 - 常夏島日記

面接での力関係〜採用側vs応募側 - 常夏島日記

「モテ」と「就活強者」の間に - 常夏島日記

*1ってか、神ならぬ人間にそこまでできるわけがない。どんなに優れた組織でも、個人でも。

*2今思い出しても自分の頭悪さに絶望ww

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