常夏島日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2013-09-03

[]ナチュラルボーン上位カーストは決してピュアじゃない

 あんまり誰も信じてくれないと思うんですが、一応、私、以前のエントリで書いたとおり、いわゆる「高学歴の世界」の住人ですし、家族一同、「高学歴の世界」の住人です。そういう目で次のエントリを見て、ちょっと違和感を感じたので書きます。

ナチュラルボーン上位カーストの人とそうでない人 - インターネットの備忘録

昨日の愚痴の続き−はてな匿名ダイアリー


これらのエントリ中では、「ナチュラルボーン上位カースト」(=「家柄もよくいい大学を出て大企業に就職したり留学したり起業したり、意識高かったりたまに美意識がズレたりもするけど地頭はよくて暗愚ではなく経済力とか人脈とか親のつながりとかのバックボーンもありたいがい身ぎれいなのでイケメン美女が多い。」)の人たちについて言及されており、共通して書かれているのが「ピュア」ってことです。おおっぴらに他人のランクについて語ることもないし、むしろ当然自分たちが得ているものは普通に得ることができるという彼ら自身の認識です。


しかし私は言いたい。「ナチュラルボーン上位カースト」に入るチャンスを得ながら、片田舎のローカル社会で育ったことを一因として、ただの中途半端な高学歴で終わった私は言いたい。ナチュラルボーン上位カーストの人たちは、決してピュアではない、と。彼ら彼女らは、単に「低学歴の世界」を知らないからピュアに見えるだけなんだ、と。


実際、彼らは、彼らの世界の中でのランクの差には異様に敏感です。そしてその相対的なランクの位置を、少しでも上に行こうと努力をする人が多いです。テレビドラマの「半沢直樹」ではありませんが、メガバンクなんてそのナチュラルボーン上位カーストの巣窟ですが、その中でもほんの少しの地位の差をめがけて、優秀な社員が猛烈に競い合い、足を引っ張り合い、誰が誰より評価されているかということに異常に敏感に反応します。でも、メガバンクは総体としては、たとえば官庁で特定カテゴリにて採用された人に強いコンプレックスがあったりします。医師弁護士はまた独特の優越感をナチュラルボーン上位カーストの中で発揮します。ぜんぜんピュアじゃない。むしろ、「低学歴の世界」よりよほどランクコンシャスです。


そしてそのランクコンシャスさは、子供や配偶者についても発揮されます。東大比率が比較的高いグループで飲み会をしたときに「うちの嫁は慶應出」と誰かが言った時の周囲からの一目置く感。子どものお受験について話してるときに「小学校受験なんて、最後は親の面接なんだから、お前のところは相当いいところに行けると思うよ」などという発言を聞いたことがあります。なんだこの序列大好き人間どもは。


もちろん、彼らは如才なく、つつましい人たちなので、そのような会話をおおっぴらにすることはありません。しかし、ひそやかではありますが、しっかりと、そしておそらくそうでない人よりもよほど意識的に、彼らはランキングの世界でその優秀な能力を全開にして血みどろの争いをしています。決してピュアではありません。


彼らがピュアに見えるとすれば、そのような同じ競争基盤の上に立っていない人を相手に、そのようなランキングの話をあえてすることがないからそう見えるだけです。その点で、このエントリは興味深かったです。ピュアに見えても、結婚という人生最大の取引においては、やはり彼らは、同じ競争基盤の上に立っている、同じランク意識を共有できる人を選ぶ傾向にあります。そしてそのような価値観は、同じ仲間内でしか共有されません。



結局はかれらの「ピュア」は、「そういう話はごく限られた友人でしか話さないから、表には出てこない」というだけのことなのです。



夫婦格差社会 - 二極化する結婚のかたち (中公新書)

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女女格差

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