2つの時の時空日記:改

2つの時のネタバレ有りの設定とか話とか色々。はてなダイアリーからお引越し。

未来を託したスケッチブック 4

涙の海編での(涙の海編は完結しました)カケルの登場を楽しみにしている人の楽しみを奪うような、カケルのネタバレ含みます。

あと、類似品(?)にご注意を。

…それでも許せる人のみどうぞ。










クーム「…このスケッチブックに…、カケルを救える方法があるのかもしれない…」
ラトン「…ん?スケッチブックの表紙に時守り文字が…」
クーム「え?」

ラトン「…カケルの名前が書いてある…。しかし、これはおかしい…」
クーム「どうして?」
ラトン「…カケルは、時守り文字を知らない。
…それに、時守り文字は魔力族の人は興味がなく、勉強して覚えたのは私ぐらいだ。
このスケッチブックにこの文字があるのはおかしい…」
クーム「…そう…。…とりあえず、開いてみましょう」
ラトン「ああ」

クームは恐る恐る、スケッチブックを開きました。
1ページ目…。幼い子どもが描いたような絵がありました。

ラトン「…なんだ、この絵…。まるで、クームとカケルではないか…」
クーム「…もし、これがカケルの絵だったら…」
ラトン「…そして、さっきカケルが言っていた『遠い昔に描いた夢』が本当なら…」
クーム「…次のページへめくってみましょう…。確かめるために…」
ラトン「そうだな…」
クームは次のページをめくってみました。


クーム「何…、この絵…」
ラトン「…急に、暗い絵になったな」
クーム「泣いているのは…カケル?」
ラトン「左上の方に、何か消されているのがあるが…、あれは…?」
クーム「なんだろう、よく分からないわ…。…じゃ、次ね…」



クーム「カケルと手をつないでいる人…、ラトンみたいだわ」
ラトン「いや、待て、私が黒マントを付けたのは、旅立つ時だ。
…この頃のカケルに分かるわけが…」
クーム「でも、ここに描いた絵が本当のことになるとしたら…」
ラトン「うっ…。完全に否定はできないな…。次のページへめくろう…」




クーム「…また暗い絵…。右下はカケル、その上にあるのは…時計?」
ラトン「…?何があったんだ…」
クーム「…カケルの過去に、何か嫌なことがあったのかしら…」
ラトン「私たちが知らない過去に…」
クーム「…次ね…」



ラトン「暗いな…。その中にいるのはカケルか…?」
クーム「よく分からない…何が…、何があったのよ…」
ラトン「そういえば、子どもの絵は、そのときの子どもの気持ちをそのまま映すらしいな」
クーム「そうなの…?」
ラトン「ああ。…子どもは純粋だからな…」
クーム「…次…」



クーム「あれは…、あの時の私の…!」
ラトン「…時空軍が城に襲った日の事か…。…だが、この絵は完全に未来だな…。
…あの頃のカケルは、未来が分かったのか…?それとも、自分で未来を作れたのか…?」
クーム「…カケル…」




クーム「集落…。翼族がたくさんいるから集落の絵だわ…」
ラトン「…カケルが移動した先…。…あれも、カケル自身が望んだのか…?」
クーム「…でも、私以外の翼族…、なんだか怒っているみたい…。
カケルは…知っていたのかな…みんながカケルに対して思っていたこと…」
ラトン「…謎が深まるな、カケルはクームのところに行ってから、今日までこの城に一切来なかった。
…だから、この未来絵がどういう意味なのか…探る必要がありそうだな…」




クーム「…これ、前に見た絵と似ているわね…。
…やっぱり、何かあったのね…」
ラトン「…カケルが重荷を持つのは、おかしいと思うのだが…、この絵に否定は難しそうだ…」
クーム「ぐちゃぐちゃだし、暗いし…。カケル、本当に何が…」




クーム「…あれはたぶん…、私…!ゴッドフレイムをしている私だわ…!」
ラトン「目つきが変わっているということは、暴走しているのだな…」
クーム「…私が、初めてゴッドフレイムを使ったあの日のことね、この絵は…」




クーム「…ゴッドフレイムを使った後の光景ね…。
…周りを焼き尽くす炎の技だから…」
ラトン「…眠っていた、本当の力が目覚める…。そして、カケルも自分に眠る魔力が目覚めた…。
…だから、カケルは耐えられた、クームのゴッドフレイムに…」
クーム「…そうね…。普通なら、炎と共に燃え去るもの…。カケルに眠っていた力のおかげで…」
ラトン「…だが、これはあまりにも…出来過ぎている気もしてくる…。
…カケルが描いた未来なら…、これは…」
クーム「…カケルが、望んだの…?…なんだか、頭の中がぐちゃぐちゃ…」
ラトン「…」
クーム「カケル…」




カケル「……。今…、誰…かが………。…誰…オレの…オレの心を覗く…のは…」


続く。


そうそう、時守り文字に書いてあるのは、カケルの本名です。
本編に出すか出さないか…。たぶん出さないかも。
時空日記には、いつか出すかもね。