黙然日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

ひとりごと、よしなしごと、黙っているにも等しきこと。

2007-09-30(Sun) 0930 朝から雨。

[][][]産経、忘れる。

【主張】民営郵政発足 改革の意義忘れぬ経営を-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/87477/

 郵政公社民営化をいよいよ明日に控え、懸念を並べています。莫大な郵貯残高が民業圧迫になるのではないか、特定郵便局の改革も進んでいない、云々……。

 そんな問題は2年前の郵政選挙のときから指摘されていたことであり、財政投融資の問題を含めて、まず郵政の体質改善が先、そのあとで民営化しないと意味がない、というのが、いわゆる民営化反対派の主張でした*1。それを「とにかく民営化さえすればすべてうまくいく」と国民ミスリードしたのが、小泉のワンフレーズポリティクスであり、それを煽り立てたのが産経を筆頭とするマスメディアだったことを*2、この「主張」は都合よく忘れてみせているようです。

 産経の無責任体質はすごいなあ、と思いつつ次に「産経抄」を読んだら、思わず爆笑してしまいました。

【産経抄】9月30日-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/87459/

政治家も忘れることの天才のようだ。1年前どんな発言をし、誰を支持したかなど忘れ去らなければ前に進めない仕事らしい。それはそうと、実にさまざまなことが起きた9月も今日で終わる。はて何を記憶し、何を忘れれば良いのやら。

 直接的には、自分たちが狂信的な安倍支持から540°ぐらい一気に手のひらを返したことを忘れてしまいたい、ということなのでしょうが(それにしても末尾の一文は、かなり本音が漏れているっぽいですね)、1年前のことを忘れているなら、2年前の主張なんか覚えているわけないだろ、とも読めるわけで。ここまで豪快に無責任を主張しているのを見ると、いっそ拍手を送りたくなってきました。そのままなにもかもみんな忘れて、産経新聞を真っ白な紙面にでもしてしまった方が、世の中のためになるのではないかと思います。そうなったらお笑いネタがひとつ減ってしまうのは残念ですが。

[][][]古森義久氏、日本柔道を侮る。

日本の柔道はどこへ行くのか――山下康裕氏の落選井上康生選手らの敗退-ステージ風発:イザ!

http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/321404

 古森氏の記事「緯度経度」*3と、28日付で産経に出た湯浅博記者の記事(iza!Sankei WEBともに配信していないようです)を転載しています。湯浅氏といえば、「やばいぞ日本」第3部第1回でやっちゃった*4、古森氏の誤訳捏造仲間ですね。

 古森氏が山下泰裕氏から受け取った書簡のことは、湯浅氏の記事にも当然言及されておらず、かといっていまさら紹介してもほぼ似たような記事になってしまうわけで、結局産経新聞の紙面には掲載されないままで終わりそうです。日本柔道界の宝ともいえる山下氏がこういう扱いを受けるのは、見ていていたたまれないものがあります。

 で、コメント欄でpipiさんのご指摘を見るまでわたしも気付かなかったのですが、古森blogタイトルにある山下康裕氏って誰? 

*1:正確には民主党の主張で、国民新党などの民営化反対はたしかに現状維持に近いものでしたが。民主党:岡田代表マニフェスト重点項目「日本刷新・8つの約束」を発表 http://www.dpj.or.jp/news/dpjnews.cgi?indication=dp&num=7037 の8番目参照。

*2:これに関しては産経だけの問題ではありませんが。

*3http://d.hatena.ne.jp/pr3/20070922/1190470960 参照。

*4http://d.hatena.ne.jp/pr3/20070927/1190898536 参照。

2007-09-29(Sat) 0929 寒かった、夕刻小雨。

[][][][]古森義久氏と産経抄ジャーナリストの自覚はあるか。

 ジャーナリストとして使命に殉じられた長井健司氏に、心よりの哀悼の意を申し述べます。合掌。

小沢一郎氏の信奉する国連の無力さ――中国に縛られた安保理-ステージ風発:イザ!

http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/320039

 さて。この、今の現時点でビルマ*1の情勢を取り上げておきながら、国連批判はまだいいとして中国批判と小沢氏批判へ持っていこうとする自称ジャーナリストの態度に呆れかえり、ツッコミを入れなくてはと思っていたら、考えていたことほとんどをStiffmuscleさんに先に書かれてしまって(コメント欄含む)、どうしようかと。

Stiffmuscleの日記 - 矜持をかなぐり捨ててまで弁護したいものは何?

http://d.hatena.ne.jp/Stiffmuscle/20070929/p1

 こういうときは産経抄、と思って読み返してみると、こちらもやはりビルマ情勢の話題で、こちらもやはり、呆れかえるようなものでした。

【産経抄】9月29日-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/87287

 古森氏も産経抄子も共通して、世間的には自分たちが、亡くなられた長井さんと同じジャーナリストというカテゴリに含まれているという自覚が、まったくないのではないでしょうか。産経抄は前フリとして利用しているだけ、古森氏にいたっては一言もありません。

 事実を伝える必要があれば、誰になにを言われても、自らの生命が危険に晒されることがわかっていても、それでも現場に飛び出していくのが、ジャーナリストの使命ではないでしょうか。もちろん、役割分担というものはあります。カメラマン記者最前線に出ていくことが役割であり、その素材を受け取って部屋の中で記事にまとめ、より効果的に事実を訴えることがデスクや論説委員の役割です。しかし、部屋の中にいても常に最前線のことを忘れずに、現場の苦労を、そこに出ていく者の志を、せめて共有しようと心がけるのも、同じジャーナリストとしての最低限の役割であり、義務でもあるのではないでしょうか。

▼ミャンマーの反政府デモを取材中に銃弾を受け、死亡した長井健司さんも恐らく群衆の側にいたのだろう。日本と同じアジアの国で、治安部隊がいとも簡単に群衆に対し銃を撃つとは思わなかったのかもしれない。しかも至近距離で撃たれたという情報もある。

 ジャーナリストが至近距離で撃たれたという事実が、なにを意味するのかもわからないのか。この産経抄の文章を改めて読み返してみると、認識の甘さに呆れると同時に、責任感の無さに、怒りすら沸いてきました。ジャーナリストの志を共有できないのなら、ジャーナリストを名乗ることはやめなさい。新聞の形を取ることもやめなさい。産経新聞記者たちに、少しでも良心があるのなら。

*1:他のところでも説明しましたが、わたしはミャンマーへの呼称変更に正当性がないと判断し、国名としてビルマの呼称を使っています。

2007-09-28(Fri) 0928 洗濯物がよく乾く。

[][][]古森義久氏、つまみ食いする。

小沢一郎氏がワシントンポストに酷評された――「反米感情を悪用する策略」-ステージ風発:イザ!

http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/317910

 9月13日付ワシントン・ポストの記事を紹介して、小沢氏が酷評されていると言っています。なんかだらだらと訳文だか解説だかわからない文章を並べているのですが、なんだろうこれは。記事にしようとして諦めて、でも惜しくなってblogで公開したのかな。それにしても形式ぐらい整えりゃいいのになあ。

 さて、古森氏の翻訳をあてにしてもしかたないので、原文に当たってみましょう。

A Japanese Retreat? - washingtonpost.com

http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2007/09/12/AR2007091202263.html

 例によって自動翻訳を参考に辞書を引きながら読んだので、ニュアンスの点では自信がないのですが、これって酷評なの? 米国視点で対アフガニスタン活動を勧める内容で、インド洋から手を引かれると困る、反米感情が利用できると思われると困る、といった部分的な文章は古森氏の訳と一致するのですが、都合の悪い部分はいろいろとすっ飛ばしています。「日本の給油活動は些細ではないが加独仏などと比べればわずかだ」とか、「彼の辞任は『職責にしがみつかない』発言がしょうもない計算ミスだったことを証明している」などの安倍批判の部分とか*1。ていうか13日付(電子版に出たのは12日中のもよう)、つまり安倍辞任直後の解説記事なのですから、記事の前半はほとんど安倍批判なんですよね。

 WPがこの記事で前提としている条件もおかしいような気がします。安倍辞任の直後は日本中が混乱していた、ということを当時書きましたが、もちろん世界が日本を見る目も混乱していたわけで、「小沢民主党の姿勢が反米である(またはその恐れがある)」というWPの主張が正しいのかどうかから検討してみる必要があるような。この時点では日本国内でも、小沢氏の姿勢が反米主義ではなく国連中心主義だということが、あまり認識されていなかったように思います。

 たいていの場合、たとえば従軍慰安婦問題などについては批判しまくりながら、こういうときだけワシントン・ポストの無謬性を信じるかのような古森氏の行動が、たいへん不思議です。

おまけ。

 なんかあほらしすぎて取り上げる気にもならなかったのですが、ついでなので昨日の古森blogから。

慰安婦は性的奴隷ではなかった――伊藤桂一氏の名作が描く兵士と女性の交流-ステージ風発:イザ!

http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/316024

 ……もう百万遍言ったと思いますが、フィクション現実の区別をつけてください

 世間を見ると、「読むのは社内文書と日経だけ」という企業戦士にはときどき、フィクションという概念をそもそも理解できていないタイプの人がいるのですが、新聞記事を書く側がそれじゃ困るでしょー。産経とかサンスポにはそういうタイプの記者が多いのかもしれませんけどね。なんかなー、「フィクションが子供に悪影響を与える」とか言い出して捏造してまでフィクション作品をバッシングする記者って、こういうタイプの人なんじゃないかなー。

*1:ついでですが、この記事でも従軍慰安婦はきっちり"sexual slavery"と表現されていますね。

2007-09-27(Thu) 0927 降ったり晴れたり。

[][][]産経、またもや意図的な誤訳。

 いろいろと批判もされながら、話題の連載「やばいぞ日本」第3部が今日から始まりました。そして第1回担当の湯浅博記者が、さっそくやらかしています。*1

【やばいぞ日本】第3部 心棒を欠いている(1)-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/86956

海自艦撤退の可能性を13日の英紙フィナンシャル・タイムズは、1面で「武士道ではない。臆病(おくびょう)者だ」という見解を伝えた。

 ふむふむ、と思いつつ、13日付FINANCIAL TIMESの1面記事で"bushido"という単語が出てくるものをサイトで確認してみます。

FT.com / Home UK / UK - Japan's ruling party in turmoil as premier quits

http://www.ft.com/cms/s/0/65a9379c-6192-11dc-bf25-0000779fd2ac.html

Jesper Koll, president of Tantallon Research Japan, part of an Asian hedge fund, said he was baffled by the timing of Mr Abe's resignation. The premier had steadfastly refused to quit after July's electoral defeat. Referring to the samurai code of honour that Mr Abe has sometimes invoked, Mr Koll said: "This is not bushido. This is chicken."

 安倍辞任を受けて与党が大混乱、という記事で、Jesper Koll氏のコメントとして「安倍氏は武士道をしばしば称揚してきたが、この突然の辞任は武士道ではなく腰抜けだ」と言っているようにしか読めませんね。その証拠に、産経新聞も同じように訳しています

安倍首相は臆病者」英メディア酷評-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/84379/

13日、英紙フィナンシャル・タイムズが1面で「武士道ではない。臆病(おくびょう)者だ」というヘッジファンド関係者の話を伝える

 こちらは正確に訳しています、というか、ケアレスミスでこのような食い違いが生じること自体ありえない、意図的な誤訳・虚報としか思えないのですが、またやらかしたということなのでしょうか。外国報道を自分たちに都合よく誤訳するという手法は古森義久記者の得意技で、5月にはついに訂正記事を出す羽目に陥ったわけですが、一度自社で日本語の記事になったものまで歪曲して引用するという手法は、ちょっと他に類例が見あたりませんね。

追記。(09:30)

 そもそもこの記事でメインになっている「日本タンカーへのテロ攻撃」という内容自体が捏造である可能性を、コメント欄でBOBYさんにご教示いただきました。

日本財団図書館電子図書館) 平成16年度海上におけるセキュリティ対策調査研究報告書

http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2004/00502/contents/0002.htm

2007-09-26(Wed) 0926 涼しい風。

[][][]古森義久氏、あいまいな文章を引用する。

福田康夫氏は拉致問題をどう扱ってきたか――新首相への懸念の一端-ステージ風発:イザ!

http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/310072

 昨日はとんでもない記事があったおかげで後回しにしてしまいましたが、古森氏は拉致問題に絡めて福田批判をしていました。例の、官房長官時代に被害者家族へ向けて「黙りなさい」と発言した、という問題です。「例の」というのは、福田氏の当確が決まったころからマルチポストされて目立っていたからなのですが、こもりんも発想がネトウヨなみになっちゃったのかなあ、とか思うとちょっと寂しいですね。内容も、救う会全国協議会事務局長・荒木和博氏の文章を引用しているだけだし。

 コピペでは福田氏がかなりひどいことを言ったように強調されているのですが、この荒木氏のテキストでは、文脈から事実関係を読みとれないためもあって、ちょっとピンとこないものになっています。古森氏の引用でも実は明確ではないのですが、どうやら2002年9月17日の日朝会談当日、日本国内での出来事を伝えているようです。

(生存者のご家族の皆さんは)他の方が亡くなったとの知らせに号泣しました。蓮池さんのお母さんが叱責すると福田官房長官は「黙りなさい」といって、両手を広げて「皆さんのお子さんは生きているんですよ」と強調しました。

 蓮池夫人が叱責したのは、他のご家族なのか、福田氏ら政府関係者なのか。それによって「黙りなさい」のニュアンスもかなり変わってきませんかね。政府関係者に向けて、被害者全員を生かして帰せなかったことについて叱責したなら(しかしこの場合、「叱責」という表現はおかしくないかな。「難詰」あたりの方が適当でしょう)、直接それに反論する「黙りなさい」は、かなり思い上がったものに見えます。しかし、他のご家族に対して「こんなところで泣いてはいけない」といった意味の叱責だったら(これも「叱責」というのは微妙におかしいような気もします)、蓮池夫人に同意したのか、他のご家族の気持ちを踏まえて蓮池夫人に向けて言ったのか、いずれにしても、どれほどの問題になるでしょうか。ただ、なんにしても言葉遣いが不適切であるということは言えると思いますが。

 これは要するに、荒木氏の文章表現が稚拙という問題ではないのかなあ。古森氏が引用した文章の、他の部分を再引用します。

福田官房長官は「亡くなったという情報があります」という言い方でしたが、どちらも語調は極めて断定的で「北朝鮮側がこういう情報を伝えています」といったようなものではありませんでした。

 少なくともここに引用されている言葉を読むかぎり、前者の科白が後者のニュアンスを持たないとは、とても思えません。「情報があります」と言って、その情報は北朝鮮側から伝わってきたものとしか考えられないわけですから。

 拉致問題の解決をわたしは心から願うし、被害者および家族会の皆さんには深く同情する気持ちがありますが、救う会に対してまで同じように尊重する理由はありませんよね。巣喰う会揶揄されるのも理由のないことではないのですし。荒木氏のテキストへの批判が中心になってしまいましたが、なんの疑問も持たずにこれを引用できる古森氏の態度もどうなのかな、とまとめておきます。


日本非難の慰安婦決議案がオーストラリア議会で否決された――中国系の試みが失敗-ステージ風発:イザ!

http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/311293/

 さらに今日付けで別のエントリも出ているのですが、こちらはStiffmuscleさんがきっちりツッコミを入れてらっしゃるので、こちらをごらんになった方が早いと思います。事実関係を自分の主張に都合よく再構成して報道する古森氏のクセはあいかわらずのようで。

Stiffmuscleの日記 - ツッコむ価値もない間違いですが

http://d.hatena.ne.jp/Stiffmuscle/20070926/p2

2007-09-25(Tue) 0925 夜半に雨。

[][][]産経はどこまで馬鹿なのか。

 ていうか、安倍壷三ほど頭の悪い人間はいないだろうと今たいていの人は思っているでしょうが、産経の記者には輪をかけて頭の悪い奴がいたんですね。いまさらですけどね。あと、どうせまた改竄するだろうから、あらかじめウェブ魚拓を取っておきました。*1

おので切りつけ相次ぐ 凶行はアニメの影響?-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/86513

http://megalodon.jp/?url=http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/86513&date=20070925022002

 見出しだけで頭を抱えてしまいます。中身を見たらそれ以上でした。いいでしょう、一歩、いや百歩ぐらい譲って、京都の事件の少女はアニメファンだったかもしれません。アニメの影響は否定できないという可能性かないわけではないということも言えなくはないかもしれません。しかし、長野の事件については、少年プロフィールは現時点で公表されていないわけです。なぜそれをアニメと、ローカル局で平日深夜に放送していたアニメと結びつけるのか?*2 普通新聞やテレビのニュース週刊誌ワイドショーで取り沙汰されている類似の事件に影響を受けたとは考えないのか? と思ったら、記事中でちゃんと「アニメなどの影響というよりは、『単に京都の事件に触発されたのでは』との声」を紹介しています。紹介しているのに、その声をなんの根拠もなく無視して、なんの根拠もなくアニメやゲームに結びつけるコメントに続けています。ちょっと皆さん覚えておいてくださいね、犯罪社会学が専門の間庭充幸静岡大学名誉教授です。この記事におけるこいつの発言を世間に向けて垂れ流すのは、殺人シーンのあるアニメを放映すること以上に害悪だ、ということを強調しておきます。わたしも上の方でちょっとふざけて多重否定の文章を書いたのですが、こいつは断定的な内容を「(アニメが事件に)影響を与えていたかもしれないことは十分に考えられる」とか言っていて、産経の記者はそれを平気で記事として垂れ流しているわけです。無責任にもほどがあるというものです。

 産経新聞は原則署名記事という方針だったはずですが、なぜこの記事に限って無署名なんでしょうか。この記事ではさすがに具体的なゲーム・アニメ・マンガ作品の名前を出していませんが、あきらかに推測させる書き方をしています。「主人公の少女が振り回すおの」などの、中身を確認もしないで書いているだろう間違いなんかは、もうどうでもいいぐらいに。

 こちらも頭に血が上ってなかなか結論をまとめられないのですが、おそらく、長野の事件はあきらかに誰がどう見ても、京都の事件の報道に、おもしろおかしく興味本位で必要以上に露悪的な報道に、調子に乗って想像だけで無関係なものまで結びつけた報道に、そしてフジサンケイグループが大きく関わった報道に影響された、という事実を、なんとしても認めたくないのでしょう。そのために、そのためだけに、再び無関係なものになんとしても結びつけ、責任を押しつけようとしている。そう考える以外に、このあまりにも非常識な記事を解釈することはできないと思います。

[][][]ZAKZAKはさらに輪をかけていた。

 昨夜のエントリ http://d.hatena.ne.jp/pr3/20070925/1190655689 で取り上げた記事を書いた産経記者以上の馬鹿はいないだろうと思っていましたが、まだ夕刊フジ(ZAKZAK)の記者がいました。産経新聞社が抱える闇の底知れなさに恐怖するばかりです。

連続おの凶行…美少女アニメの影響か!?-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/entertainment/comic/86661

 それにしても、これだけ事実を歪めた“報道”ができるものなのか。記事の構成は、二つの事件が続いたこと→アニメの放映が中止されたこと→作品の説明→公式サイトでの原作者メッセージ→結びとして頓珍漢な憶測、と続きます。作品の説明に「斧」を持ち出しているところを除けば、事実関係はほとんどそのままではあるのですが、単に関連のない二つの事実を並べているだけでもあるのです。最初の段落とそれ以後の間になんの接続語もなく、示唆だけによってストーリーを展開させています。これは新聞記事ではなく、フィクションの技法でしょう。記事のかたちを取ったフィクションを書くことによほど馴れているのでしょうね。

 記事に引用されている原作者のコメントも(ここで「製作日記」を「制作日記」と誤記していますね。もちろん、全体に比べたらあまりにも些細な間違いですが)、刺激的な部分だけをつまんだもので、それこそ「大切なメッセージが伝わらない」ので、できるだけ原作者のメッセージに直接触れてみてください。「『斧で敵を殺していくゲーム」という表現は、夕刊フジをはじめとしたバッシングするメディアへの反論であるのに、この記事ではその点がまったく伝わりませんから。

製作日記 (07th Expansion内)

http://07th-expansion.net/Cgi/clip/clip.cgi

(0425 2007/09/23(Sun))

 「ZAKZAKだからなあ」と言ってしまえばそれまでです。しかしZAKZAKは、“報道”の社会的影響とそれに伴う責任など、まったく考えていないのでしょう。そしてこうした“報道”が垂れ流されることで、世論無意識偏見が醸成され、表現が抹殺されていく恐れがあるのです――メディアの表現によって。

*1:凡例:今回、強調タグを使いはじめると全文強調になってしまうので、以後は引用を示すもの以外あえて使いません。

*2:ていうか今調べたのですが、長野県では地上波放送していませんね。

2007-09-24(Mon) 0924 引き続き曇りがち。

[][][]産経、旗幟を鮮明にする。

首相交代】(上)新YKK“謀議”で「反麻生」-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/86434

 “タカ派の安倍政権”を脇目もふらず正面も見ずに翼賛し続けた産経新聞ですが、“安倍”が砂の城のように崩れてしまったあとは、“タカ派”に寄るのか“政権”支持を続けるのか、という点に注目して観察していました。すでにその傾向は現れていましたが、この連載記事の内容や見出しでもわかるように、“タカ派”支持・反福田の旗色をはっきりさせたようです。*1

 この記事のストーリーラインは、反安倍を唱える新YKK(山崎加藤古賀)の陰謀が突然の安倍辞任で覆されたものの、そのまま福田支持の受け皿になった、というものです。しかし、反安倍と同時に反世襲を主張していたはずの新YKKが、二世中の二世(元首相の子が首相になるのは日本の憲政史上初)である福田を支持することになった、という記述はかなり矛盾しており、どこかが間違っているはずです。可能性としては、受け皿の形が変わった経緯を説明し忘れているか、まるっきりの出鱈目が含まれているか、どちらかだと思いますが。

 これは別にツッコミどころではないのですが、パリに滞在していた森元首相電話一本で重大な指示をした「メディア界のドン」というのは、いったい誰のことだろう。ナベツネというんじゃ普通すぎるし、氏家のことなのか、それともまさか、日枝の名前を出したくなかったんだろうかなあ。

*1:左右の対立軸がある時代でもなし、“タカ派”“ハト派”という表現が適切なのかわかりませんが、とりあえずこう書いておきます。ほんとは“ネトウヨ的なもの”とする方が妥当ではないかと思うのですが。

2007-09-23(Sun) 0923 やはり今日から涼しくなった。

[][][]古森義久氏、新聞を読んでない疑惑

朝日新聞が報じない中国系違法マネーの流れーーー民主党ヒラリー女史やホンダ議員への献金-ステージ風発:イザ!

http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/308426

 ノーマン・シュー容疑者による民主党議員への多額献金問題を、朝日新聞が報じていないとして古森氏は憤っています。そこでGooglegooニュース記事を検索してみたのですが、たしかに朝日新聞はまったくと言っていいほど関連記事が出てきません。しかし、毎日新聞の記事も出てきません。この献金疑惑関連を熱心に報じているのは読売新聞産経新聞世界日報ぐらいで、見事な対照を描いています*1朝日新聞「だけ」が報じていないという書き方は、どうなんでしょうね? 古巣の毎日新聞の批判はしたくないのかもしれませんが。古森氏は「朝日ばかり読んで毎日は読んでいない」と公言していましたが(もしかしたら産経も読んでいない可能性があります。後述)、検索ぐらいはできるはずです。産経新聞ワシントン支局に毎日新聞の記事検索をする手段がないとしたら、かなり驚くべき事態です。


 このエントリで古森氏が引用している自身の記事やblogでは、資金源が謎として、中国からの資金提供を繰り返し示唆していました。たとえば以下の、9/18付の記事です。

深まるナゾ 見返り要求もなく…中国系実業家の献金疑惑-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/85184/

 詳しいことがわからない段階でこうした疑惑を持ち出すのは(憶測記事をばらまくことの責任問題はともかくとして)やむを得ないと思いますが、6000万ドルの詐欺罪で告訴された現在となっては、この記事の推測が間違っていた可能性が高くなります。いや、現在でなくても、9/14の時点で産経新聞ワシントン支局の山本秀也記者が別の詐欺疑惑を報じているのですから*2、18日になっても「資金源が謎なので外国政府から資金を得ているに違いない」と決めつけているのはなぜでしょう。古森氏は自紙を読んでいないどころか、同僚記者の記事すら読んでいないということなのでしょうか。まあ、いくつかの雑誌編集部を見てきた経験で言えば、編集者が自分の担当した記事を校了したら、あとは刷り上がった本を眺めるだけで他の編集者の記事までいちいち読まない、ということはよくあるのですが、それでも見出しぐらいは読むし、誌面に過去の関連記事と矛盾したことを書かないように気をつけるという職業上の倫理もあります。もしかしたら古森氏は、産経新聞をニュースソースとして信頼していないのでしょうかね。ただし、上記山本記者の記事はWSJの引用なので、それも読んでいないとしたら、国際ジャーナリストとしてはあんまりな態度だと思われます。

*1日本経済新聞は8/31の記事が1件だけ出てきました。検索結果については各サイトのページ保存期間も考慮しなければならないと思いますが、手元に蓄積してあるasahi.comMSN毎日インタラクティブ見出しからも関連記事は見つかりませんでした。

*2http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/84589/

2007-09-22(Sat) 0922 室内で36℃を記録。

[][][]古森義久氏と二つのテーマ

 こもりんネタが2件あったのですが、まとめて1エントリにします。

古森義久氏、対外発信の必要性を叫ぶ。

【緯度経度】柔道にみる日本の主張-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/worldnews/86171

 これは産経新聞に掲載されたコラムです。リオデジャネイロでの世界柔道選手権の判定トラブルの話題から、29年前の国際大会で日本の立場を主張するために若き日の古森氏がかっこよく活躍した思い出なども取り混ぜ、日本はもっと世界に向けて意見を発信せねば!と力んでいます。

 ところで、http://d.hatena.ne.jp/pr3/20070915/1189861397 で紹介したように、古森氏の元に最近山下泰裕氏からの書簡が届いたそうです。国際柔道連盟理事選挙問題について山下氏や日本柔道の立場をマスメディア代弁することが期待されているわけですが、1週間経っても音沙汰がないようですね。いったいこれは、どうなっているのでしょうか。前回わたしも「これをまさかblogで取り上げるだけで終わらせては山下氏の信頼を裏切ることになります」と危惧していたのですが……。日本の立場を世界に向けて主張することも必要ですが*1、まず日本国内に向けての発信さえしないのでは、日本柔道の国際化、日本の価値観の主張などは、遠い虹の向こうになってしまいますね。

古森義久氏、まだ小沢氏を批判する。

小沢一郎さん、国連軍を日本に常駐させたら、どうでしょうかーー実際にあった提案です-ステージ風発:イザ!

http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/307483

 こちらは古森blogのエントリ。国連批判に切り替えるのかと思ったら、まだ小沢批判は続けるんですね。といっても、かつて書いた国連批判の記事(2003/07/31 産経新聞オピニオン面掲載、おそらく単行本『国連幻想』に収録されたものでしょう)の再掲がほとんどで、小沢批判は見出しと短い冒頭文だけですが。

 ちょっとわたくしごとになるのですが、日米安保反対派の一部が国連軍常駐構想を唱えていたことは、この記事で初めて知りました。ただ、わりと最近に別の道筋から同じ発想に至ったことがあるので、びっくりしてしまいました。日本国憲法の条文を素直に読めば、日本国が武力を持つことはできません。最低限の自衛権は持っている、というのが一般的な解釈のようですが、それは海上保安庁レベルの話でしょう。だから、防衛省と陸海空の自衛隊はまるごと必要ない。といっても、20万人を一気に解雇したら社会不安が起きるし、蓄積した装備や技術ノウハウはあるていど活かしたい。で、防衛省だけ廃止して、今の自衛隊を組織丸ごと、常設国連軍に編入してしまうのです。指揮権は国連総会と安保理にあり、日本政府は直接口を出せない。といっても、当然ながら費用はほとんど日本国が負担するでしょうし(分担金との総額は減らせそう)、国連内部での発言力は急上昇しますから、日本にとって大きく不利にはならないでしょう。たとえば、国連軍(元自衛隊)が常駐する地域に北朝鮮なりが攻め込んできたら、それは国連への攻撃とみなされるようになるわけで、その効果は絶大です。国連の決議次第で、日本人の国連軍兵士が聞いたこともないような国に派遣されるリスクはありますが、それは現在PKFだってあまり変わらないのだし。この手法が有効だとわかれば、自国の軍備を放棄して国連に委ねる国が増えてくることも予想されますし、それは日本国憲法が想定していた理想とも合致するはずです。

 まあこれは、軍事には疎い人間が頭の中だけで考えた発想なのでいろいろ穴があるでしょうが、ひとつのアイディアではあろうと思います。憲法改悪対米追従しか頭にない、一部の政治家評論家自称ジャーナリストは、自衛隊強化と日米安保強化以外のこうした可能性を、そもそも考えようともしないのでしょうが、その固定した発想が本当に日本のためになるのか? という視点で一度でも考えることができないなら、評論家やジャーナリストの看板は下ろしてしまうべきだと信じます。


 実は、よく考えてみると、小沢氏は常設国連軍のことなんか最初からなんにも言ってませんよね(非常設国連軍によるPKFへの積極参加は昔から一貫して唱えていますが)。古森氏のこのエントリを読み直してみると、そういう考えを持った人がかつていた(今もここにいますが)、古森氏が彼らを批判したことがある、「国連軍」というキーワードで彼らと小沢氏を結びつけることができる、という飛躍だけで、脳内小沢氏に向けてシャドーボクシングをしているだけの、批判の対象にもならない代物でしたね。まあ、上の文章はいつかどこかで書いておきたいと思っていたことなので、わたし個人はすっきりしたから、まあいっか。

*1:適任者であるはずの古森氏がその仕事から逃げ回っている、ということも何度か指摘していますが。

2007-09-21(Fri) 0921 まだ暑いぞ。

[][][]古森義久氏、国連を批判する。

小沢一郎氏の国連信奉原理主義危険性ーー国連の現実をみる-ステージ風発:イザ!

http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/306024

 古森氏による最近小沢批判は異常だとか、小沢氏は反米ではなく国連中心主義だろうという批判を受けてなのか、今回から矛先を国連そのものに変えることにしたようです。もともと古森氏には『国連幻想』(2004.3,ISBN:9784594045302)という著書もあり、今後しばらくは自著から引用して国連批判を続けるそうなので、楽しみにしていきましょう。近くの図書館に蔵書があるようなので、明日にでも内容を確認してみることにします。「恥辱の殿堂」発言から約1年後の時点で、古森氏がイラク戦争をどう捉えていたのかといった興味もありますし。

[][][]産経iza!責任を回避する。

オノ事件に関連?「ひぐらし」放送中止-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/entertainment/comic/85710

事件との関連を指摘する声があがっている

 iza!編集部他人事のように書いていますが、マスメディア「ひぐらし〜」と事件の類似をいち早く指摘したのはサンスポ(とiza!)だったんですよね。これがその証拠。

オノで父親殺害の少女 夢は漫画家だった…-イザ!

09/19 09:29

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/85310

 ……って、日付はそのままで見出しと記事内容を改竄してやがんの。わずか2行になってしまいほとんど情報量がない現在の記事内容で、98件のTrackbackがつくわけないし、TB元のエントリを見ても、この記事が「ひぐらし〜」との関連を指摘する内容だったことは容易に想像できるのですが、こうやって証拠湮滅されちゃうとなあ。

 アニメひぐらしのなく頃に解」放送休止に関しては、事件との類似を指摘する声ががマスメディアで報じられたことが理由になっているわけです。といっても、「斧のような鈍い刃物を兇器にした女子高生が絡む殺人事件」というだけだそうで(作品は未見なので伝聞情報ですが)、動機も手口も違うし事件がアニメやゲームの影響を受けたという証拠も何一つありません*1 *2。「加害者はおたくだった」という情報だけを元に、おたくカルチャーから事件と関係しそうなものをむりやり探し出して非難するというイエロージャーナリズムの手口には――特に18年前に現役のおたくだった人間にとっては――嫌悪感がある以上に、恐怖を覚えます。

 番組休止という大きな影響が出た報道について、メディア側は責任を持たなければならないと思うのですが、サンスポとiza!の責任の取り方はこういうかたちだったわけですね。休止せざるを得なくなった責任を、放送局制作会社はサンスポの発行元である産経新聞社に求めることもできると思うのですが、そうした責任を回避しようというわけでしょうか。

補足。(09/22)

 iza!の記事では後半部分にあった、「ひぐらし〜」との関連を述べた文章のみ削除されていますが、Googleキャッシュが残っていました。変更前のタイトルと、削除されていた文章を引用します。

ひぐらしのなく頃に」に関連?オノで父親殺害

http://72.14.253.104/search?q=cache:RAkCCiejKdsJ:www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/85310/

山村連続怪死事件を描いたゲームソフトで、コミック化もされた「ひぐらしのなく頃に」に登場する少女が、おのを使用する場面があり、ネット上では事件との関連を指摘する声が上がっている。

 ネット上で「あれとこれは似てる」と噂するのと、それをマスメディアが記事にするのとでは、影響力という点でまったく意味が異なってくるわけですが、サンスポはそんなことも自覚していなかったのでしょうね。記事本文の半分を黙って削除するという異様な行動には、なんらかのきっかけがあったのだろうと推測できますが、本来なら紙面ではっきりと「虚報を出した、関係者に迷惑をかけた」と明記するべきじゃないでしょうか。

*1おたくカルチャーはものすごく幅広いので、ゴスロリ女子が同人ゲーム発祥の深夜アニメを観ていて強く影響を受けたというなら、音楽カルチャーの中でアイドル歌手オーケストラの指揮をしたというぐらい珍しい現象でしょう。

*2加害者プロフィールについて個人的に想像していることはあるのですが、意見を公表する者の責任として、ここでは述べません。

2007-09-20(Thu) 0920 彼岸の入りは真夏日。

[][][]産経「主張」、教育再生会議を支援し続ける。

【主張】「道徳」見送り 教科化へさらなる議論を-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/85524/

 安倍晋三・現内閣総理大臣*1肝煎りだった教育再生会議の提言内容を、中教審があっさり切り捨てたことについて*2、産経「主張」は恨みがましく未練たっぷりに批判しています。どうせなに言っても、遅くとも年内に廃止される会議なのになあ。

 この「主張」に対する真面目かつ真っ当な批判は、たとえばkaikai00さんの http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20070920/1190243080 あたりを見ていただくとして、産経の言っていることが矛盾だらけでどうにも。たとえば「教科には(1)点数での評価(2)教員免許(3)検定教科書――の3条件が必要」としておきながら、(1)(2)の条件は不可能として無視し、つまり教科「道徳」を最初から半人前の扱いにして、それでも強引に(3)の検定教科書だけ作ろうとする――作ればそれで事足れりという主張は、本当に「道徳」を教科として子供に教えたいという意欲はまったく感じられず、なにか別の意図があるとしか思えません。たとえば、グループ企業である教科書出版社育鵬社の事前広告だとか。いや、この場合、自己宣伝ならまだましなんですけどね。

 教育再生会議の方針はすべて正しい、反対する者はすべて邪悪抵抗勢力、という図式化は、この1年間産経新聞が繰り返してきた主張です。教育再生担当首相補佐官であり教育再生会議の事実上リーダーである山谷えり子が、産経新聞子会社編集者からそのまま国会議員立候補首相官邸に潜り込んだ存在であることに象徴されるごとく、教育再生会議の方針はほとんどそのまま産経新聞や扶桑社/育鵬社の教科書とイコールで繋がっていることを考えると、この「主張」はたしかに産経の主張であり、社説なのでしょう。どうせたいして社会的影響力もない新聞社がどんな主張をしようと構わないのですが、表に出せないような方法で実政治に手を突っ込んで教育現場の混乱を招き、ひいては子供たちの未来私物化しようと目論んで結果として押しつぶすのなら――これこそ最悪の売国行為ではないでしょうか。

*1:もはや信じられないことですが、形式的には彼がまだ日本国の最高責任者なのです。

*2中教審文科省は最初からそのつもりだったのだろうとはいえ、状況の変化に対するこの手のひら返しも、産経とは別の意味で呆れますね。

2007-09-19(Wed) 0919 朝方曇、でも晴れそう。

[][][]産経「主張」、福田氏を批判する。

 昨日のエントリ http://d.hatena.ne.jp/pr3/20070918/1190127210 は正直言ってあいまいな記事を元に苦し紛れの推測をしたのですが、もしかしたら大筋合っていたのかな、と今朝の「主張」を見て思いました。

【主張】総裁選拉致 福田氏は具体策を明確に-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/85247/

 産経としては、少なくとも「主張」としては、拉致問題が、あるいは拉致問題に強硬策を採ることが最優先課題で、それ以外は核もミサイルも北東アジアの安定と平和も、どーでもよさげに見えるんですね。なぜそうなるかについては、こわい考えになってしまったのでやめておきますが。

 口先で強硬策を唱えていた安倍政権で拉致問題がひとつも進展しなかったのは事実だし、米国が対話路線に切り替えてから核問題で進展があったのも事実です(査察の実効性には疑問があるとしても)。小泉訪朝も対話路線で結果を出していますから、いろいろな面を考えて福田氏が対話路線の復活を目指すのは、ちっともおかしな政治判断ではないでしょう。

 産経は福田氏の発言に対して「『国際情勢の変化』とは何か」ととぼけていますが、対話路線に切り替えるべき国際情勢の変化を感じていないとしたら、産経「主張」はいったい、どういう基準で物事を見ているのでしょうか。小泉政権当時、対話路線の福田官房長官と圧力路線の安倍官房副長官が対立したことを指摘しておきながら、安倍首相の路線を継承しないのは間違っている、とでも言いたげな主張も、かなりおかしなものだと思います。

 まあ、産経がこの福田批判を続けるなら、それはそれでどこまで続くのか興味深いところだし、首相就任と同時にまた手のひらを返すようなことがあったら、今日の「主張」を思い出してみることにします。

[]毎日、保守論客を肴にする。

特集ワイド:「プリンス安倍」退場 保守論客の弁は−国会MSN毎日インタラクティブ

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/kokkai/archive/news/2007/09/20070918dde012010036000c.html

 出遅れてしまいましたが、毎日のこの記事が面白い。保守論客として岡崎久彦櫻井よしこ屋山太郎の三氏にインタビューしたものです。岡崎・屋山両氏の発言だけで、それぞれご飯3杯はいけますね。櫻井氏はおとなしめですが、それでも1杯は軽いところ。

 MSN毎日インタラクティブはRSSの配信状況がひどかったのですが、毎日jpになってまともに記事が配信されるようになるのが楽しみです。MSN産経ニュースにも、いろんな意味で期待していますが(笑)。

[][][]古森義久氏、弁明する。

安倍晋三首相アメリカ側では評価が高かったーー木を見るか、森を見るか-ステージ風発:イザ!

http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/304102

 あーはいはい。http://d.hatena.ne.jp/pr3/20070916/1189931570ネタにした記事のblog転載ですね。「記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権産経新聞社に帰属します」というテキストまで転載してしまっているのはご愛敬。

 この記事に対して、「たった一人の意見米国の主流のように紹介するのはいかがなものか」という批判が2ちゃんねるニュース速報+板でさえ多かったのですが、blogではそれを意識して、必死に弁明しているように見えます。「ブッシュ政権安倍政権安全保障上の政策には一貫して、歓迎や賛同の意を表明していたことも、その一例です」とか。その点を「アメリカのポチじゃないか」と批判されていたのですけどね。

 こんな弁明をあとから出すぐらいなら、最初からたとえばドーク教授インタビューオースリン教授の記事引用で1本の記事にしておけば、まだしも説得力があったのにねえ。古森さんは案外そういう戦略が苦手なのかなとか、目についたことをその場で(blogならともかく)記事にしてしまうのかなとか、世間のリアクション想像する能力がないのかなとか、信者に囲まれるのが大好きで批判に対してはまともに耳をかけむける気がないからかなとか、いろんなことを考えてしまいました。

2007-09-18(Tue) 0918 降るかと思ったが。

[][]産経のアンピヴァレンツ。

 あらかじめお断りしておきますが、今日ネタ切れです。

世論の動向意識? 福田氏、拉致問題への姿勢鮮明に-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/85177

 福田康夫氏が街頭演説で*1私の手で(拉致)問題を解決したい」と述べたことに関する記事です。なんかこう、産経の考える正しい総理大臣の姿というものがあって、それに福田氏の言動をむりやり当てはめようとしているような、当てはまらないから不満だと言いたいような、なんとも眠たげな記事になっています。うーん、なんの意味があるんだろう、これ。

 マスメディアというか言論機関が、理想の指導者像を掲げること自体は別に構わないのですが、その理想像というのが安倍壷三がそう見せかけようとしていた虚像そのものなんですね。安倍無責任と無能をここぞとばかり叩きつつ(裏切られた思いもあるのでしょうか)、しかし象徴としての安倍が懐かしく、さて実際には福田優位の状況で、自民党支持は創刊以来絶対の社命であり、なんだか気の毒なぐらい混乱しているように見えてきます。ここで福田批判、自民党批判に転じるなら、ある意味で産経新聞という存在を見直すかも、と思っていたのですが、どうやらそんな心配はなさそうですね。

*1:1年前にも触れたことなのですが、一介の政党選挙不特定多数に向けて選挙運動をすることに、なんか意味があるんでしょうか? http://d.hatena.ne.jp/pr3/20060914/1158222714 

2007-09-17(Mon) 0917 やーなんか今日も晴れるな。

[][][]古森義久氏の引用が謎。

小沢氏のテロ特措法反対「日米同盟危険」-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/84841/

 16日付の記事なんですが見落としてました。これも http://d.hatena.ne.jp/pr3/20070916/1189931570 で紹介した記事に引き続き、小沢一郎氏への危惧が米国全体の論調かのような見出しですが、実際は一人の意見を紹介しているだけです。今回のターゲットマイケルオースリン氏。インタビューですらなく、雑誌アメリカン」9月号に掲載された文章だそうですが、16日の時点で雑誌に掲載された“論文”が12日の安倍辞任表明を踏まえて書かれたものという説明は、ちょっと納得しがたいところです。日本週刊誌でも13日発売の雑誌には間に合わず、14日発売のものがぎりぎりで、多少とも突っ込んだ記事は15日発売まで待たなければならなかったのに*1。というか、GoogleでもAmazon.comでも"American"という雑誌そのものが見あたりません。もちろん、一般的すぎる名詞で検索結果が膨大になるため100件ぐらいまでしか見ていないのですが、実在するとしてもよほどマイナーな雑誌なんじゃないの? あるいは、紙媒体の雑誌ではないのかもしれません。とにかく謎。

 内容的には特に触れるべき点もなく、乱暴に要約すれば「小沢が国連中心主義を採って米国を裏切ったら困ったことになるぞ(誰が困るのかは不明)、日本はずっと米国の奴隷でいろ」というだけです。古森氏の抄訳だけで論評してもまったく意味がないですね。

 オースリン氏といえば、参院選最中に古森氏や石井英夫翁が執筆して物笑いの種になった産経新聞の連載「何たる選挙戦」の中で、古森氏が中心的に取り上げていたことでも記憶に残ります。

【2007参院選】何たる選挙戦(2)「醜聞年金だけの争点は恥だ」-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/70810/

 古森氏が「shame(恥)」という単語を持ち出すと、どうしても「恥辱の殿堂(Hall of shame)」のことを思い出してしまいますが、それはともかく。今読み返すとこの記事は、オースリン氏が安倍首相(当時)を評価しているわけではなく、小沢氏を嫌いなだけ、という印象を受けます。その理由は要するに、小沢氏が日米同盟から離れようとしているからで、彼の意見をわざわざ何度も(今回の記事なんかほとんど意味があるとは思えない)採り上げる古森氏も、同じ意見なのでしょう。古森blogの異様な反小沢キャンペーンの理由も、そろそろはっきりしてきたようです。

補足。

 こちらの調査能力の低さを露呈するたびにコメント欄で補足をいただくので、あちこちに足を向けて寝られない心境です。逆立ちして寝るか。

 まず、雑誌"American"はオースリン氏の所属するAIEが刊行する雑誌:

Business, Economics, Culture, and More ? The American, A Magazine of Ideas

http://www.american.com/

AEI - About AEI

http://www.aei.org/about/filter.all/default.asp

 該当の記事はこちら:

A New Japan? ? The American, A Magazine of Ideas

http://www.american.com/archive/2007/september-0907/a-new-japan

 などを、本誌でApemanさんに、iza!別冊でBehemothさんにご教示いただきました。記事の日付は12日になっています(時差もあるでしょうが)。やっぱりオンライン版だったのか。

 そしてこれもBehemothさんからのご教示ですが、古森氏がそう明言しているにもかかわらず、雑誌「アメリカン」9月号には掲載されていないようです。(というか9・10月号のみで、9月号というものが存在しない)。

Table of Contents: September/October 2007 ? The American, A Magazine of Ideas

http://american.com/archive/2007/september-october-magazine-contents/table-of-contents-september-october-2007

 また、pipiさんからは毎日新聞NHKなども安倍辞任直後にオースリン氏のコメントを取っていることをご教示いただきました。他にもいろいろ情報をいただいたのですが、興味深いのは、古森氏が最初にオースリン氏の文章を引用した記事で、ワシントンタイムズ(言うまでもなく統一教会系の米国版世界日報)の社説も同時に引用しているあたりです。

積極果敢な外交姿勢「米の利益」に 米、安倍首相歓迎の論調|米国|国際|Sankei WEB

http://www.sankei.co.jp/kokusai/usa/061201/usa061201009.htm

[][][]産経、振り返る。

 ……なにも言わずに、ハンカチをご用意してからこの記事をご覧ください。

ツキに見放され…記者が振り返る安倍政権の軌跡-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/84988/

 安倍晋三首相(52)の12日の辞任表明により、昨年9月に華々しく誕生した安倍政権はまもなく幕を閉じる。安倍政権の軌跡を産経新聞政治部首官邸キャップ阿比留瑠比与党キャップの石橋文登両記者が振り返った。

 涙なくしては読めません……。

*1:「安倍晋三首相の辞任表明を踏まえて」という一文がなければ、かなりつじつまが合うのですが。

2007-09-16(Sun) 0916 爽やかだけど気温は高い。

[][][]古森義久氏の人脈が謎。

 空気を読むことが本当に正しいのか、というテーマは議論の余地がありますが、自社の紙面の空気を読めない論説委員として有名な古森義久氏の記事が、話題になっています*1。遅ればせながら、という感じですが、いろいろ検討してみます。

安倍首相、短期間に業績…米で高評価-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/84776

 そうか、米国では全体的に高評価だったのか、と思わせる見出しですが、実際はケビン・ドーク教授という人一人にインタビューしただけの記事です。そしてドーク教授の名前でぐぐれば一発でわかるのですが、産経新聞世界日報の記事ばかり出てくるという人物でもあります。いずれも靖国参拝の肯定論で、そちら方面で好んで引用されており、安倍晋三氏の『美しい国へ』も彼の靖国論を引用していたようです。

 平たく言えば、ドーク−古森−安倍の三氏で持ち上げ合っているだけですね。その舞台が産経新聞だけならまだいいのですが、どうして必ずのように世界日報(=統一協会)が絡んでくるんでしょう。

 コメント欄でpipiさんからまとまった情報をいただいているので、こちらに転載させていただきます。

ケビン・ドーク氏について。

国内紙では12回登場(07年9月16日の産経記事含む)。
うち10回が産経新聞、各1回はフジサンケイビジネスアイ読売新聞。
産経新聞記事のうち、4回は古森氏、3回は有元隆志氏の記事。3回は本人の寄稿。
初出は古森氏の記事(05年5月14日)でコラム「緯度経度」。
ドーク氏は、日本右傾化を懸念するニューヨーク・タイムズ社説を批判し
「この社説が述べる『力強い軍事的姿勢』とか『右翼ナショナリズム』とい
うのは、ただ否定的なひびきだけの意味不明言葉です。日本の安保面での措
置は自国の防衛への従来の異例な制約を減らして、『普通の国』を目指すこと
に過ぎず、小泉氏を右翼扱いすることも日本の超少数の右翼がかえって憤慨す
るでしょう。靖国参拝も日本の防衛や近代化のために命を落とした自国民の霊
への追悼であり、戦犯の美化ではないことは日本国内では周知の事実だと思い
ます」などとコメントしている。

寄稿は06年5月25日から計3回、「靖国参拝の考察」のタイトルで掲載された。
そこで掲載されたプロフィールは以下の通り。

【プロフィル】ケビン・ドーク氏
 1982年米国クインシー大学卒業シカゴ大学で日本研究により修士号、
博士号を取得。ウェークフォレスト大学、イリノイ大学の各助教授を経て、
2002年にジョージタウン大学に移り、同大東アジア言語化学部の教
授、学部長となる。日本での留学や研究も高校時代を含め4回にわたり、京
大、東大立教大、甲南大などで学ぶ。日本の近代史を基礎に日本の民主主
義、ナショナリズム、市民社会、知的文化などを専門とする。著書は「日本
ロマン派と近代性の危機」(日本語版題「日本浪曼派とナショナリズム」)
など。

 ドーク氏の言っていることもかなり物凄くて、「安倍首相は鈴木善幸首相より有名だ」とか(鈴木首相と聞くと"Zenko, Who?"「善幸って誰?」というフレーズを反射的に思い出すぐらい、印象が薄いことで印象的な首相だったのですが、なぜわざわざ彼を引き合いに出すのか)、「『美しい国へ』という著書で日本の長期の展望を明示した」とか(「美しい国」の具体的な中身を明示できなくて支持率を落とし、首相就任後半年も経ってから有識者会議を開催して中身を決めようとしていたんですが)、ああもう、ワンフレーズごとにそれに倍するツッコミが可能で際限がありません。

 たった一人のインタビューで米国の意見を代表させようというのも、本当に米国の意見を(少なくともある面で)代表できるような人、たとえば大統領とか国際政治学の最高権威である学者とか、少なくとも現役の政府高官とか、そういう人ならわかります。しかしこう言ってはなんですが一流とはいえない大学の若手教授、さらに言えば従来から産経新聞の論調にべったりで、かつこういう思いこみと事実への無知ばかりで発言する人の意見だけを、わざわざ紹介する意味があったんでしょうか。古森氏は、長年ワシントンに駐在していながら、いったいどういう人脈を作っているのか?という疑問がわいてきました。

2007-09-15(Sat) 0915 秋晴れ、秋風。

[][][]古森義久氏、オールジャパンの必要性を説く。

 http://d.hatena.ne.jp/pr3/20070911/1189507291柔道の国際化を無邪気に喜んでいた古森氏に、国際柔道連盟から日本人理事がいなくなったことをどう思うのか?と疑問を呈したのですが、その回答というわけではないでしょうが、今日はこんなエントリを出していました。

柔道の山下泰裕氏が国際柔道連盟理事落選の背景を説明したーー山下氏の書簡から-ステージ風発:イザ!

http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/300617

 国際問題に詳しい柔道家ということで、古森氏と山下氏は以前から面識があり、今回の件に関する事情説明の書簡をジャーナリスト代表として古森氏にも送ってきたそうです。これをまさかblogで取り上げるだけで終わらせては山下氏の信頼を裏切ることになりますから、いずれ紙面でも記事として取り上げるのでしょう。

 本文の大半は山下氏の書簡で占められています。彼の説明によると、連盟の新会長が権勢欲の強い卑怯な男で、彼に同調しなかったから選挙工作によって破れたのだ(実際にはもうちょっと柔らかい表現ですが)、ということなのだそうです。わたしは現役時代の山下氏が素晴らしい活躍をするところを何度かテレビで見たぐらいの関わりなのですが、当時も今も、柔道家らしいまっすぐな性格の人なのだなあ、という印象は変わりません。こういう状況で「まっすぐ」は誉め言葉にはなりませんが。また、柔道家だから必ずまっすぐな性格というわけでもないようだ、ということも申し添えておきます。

 ともかく、柔道家である古森氏はこの件にたいへん憤り、「この現状には日本としてオールジャパンの対応が必要だと思います」と訴えています。この言い方は政府の対応といったことも含めているのだと思いますが、しかしこれ、基本的には一つの国際組織の内部政治という話ですよねえ。日本政府が動いたり、日本の世論が盛り上がったりして、はたしてどれだけの影響があるのでしょうか。まあ、ないよりはましかもしれませんが。

 冒頭にリンクした前回エントリとも重複しますが、柔道は日本発祥という特殊性があると同時に、すでに世界スポーツでもあるわけです。前回エントリのiza!別冊の方にコメントとして書いたわたしの文章を再掲しておきます。

柔道が日本人の手を離れた、と解釈して、これはそんなに悪いことではないと個人的には思っています。世界中であまねく愛されているこのスポーツを考案したのはどこの誰だろう、と調べる人がいたとき、彼が日本の名前を発見するなら、それだけで素晴らしいことです。狭い「国益」を押し立てて色眼鏡で見られてしまうよりは。

[][][]教育再生会議体罰常習教師。

体罰常習なのに「スーパー教諭」認定-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/education/84759

 次の政権ではほぼ確実に廃止されるだろうと言われ、第3次報告まで続いたとしても影響力はまったくなくなっているだろう再生会議をいまさら批判してもしかたないことなのですが。常習的に体罰を行っていたとして3回も処分を受けている高校教諭を「模範となるスーパーティーチャー」として認定していたのは京都市教育委員会で、京都市教育長の門川大作氏は教育再生会議のメンバーです。こういう輩に「教育再生」を任せようとしていた政権があったことは、忘れてはなりません。

 この前歴持ちの教諭がスーパーティーチャーに認定されたのは2年前、今年春に新たな体罰が発覚して病気休暇の名目でずっと休んでいたようです。門川氏が認定した称号持ちの教諭がこのような不祥事を起こしていたことも、教育再生会議をマンセーし続けていた産経新聞は報じていなかったわけですね。

2007-09-14(Fri) 0914 洗濯日和。

[][][]古森義久氏の恐るべき粘着ぶり。

 今の産経新聞ワシントン駐在論説委員兼編集特別委員に期待される記事は、「米国、特にブッシュ政権安倍辞任をどう見ているか」ではないかと思いますが、さすが古森氏はもっと先、数ヶ月後の政局を見ているようです。もうちょっと足元も見たらどうかと思いますがね(ボソ。

小沢一郎氏の恐るべき変節ぶりーーー米国との安保協力について小沢氏はかつて何を主張したか。-ステージ風発:イザ!

http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/299577

 それにしても、最近9本のエントリの中で小沢氏の“変節”を批判するエントリが4本目というのは、なかなかすごいですね。安倍辞任の約半月前から唐突に始まってこの勢いというのは、いったい古森氏になにがあったんでしょうか。4本目ともなるとよくネタが続くなと思うところですが、実は2本目以後は同じネタを何度も蒸し返しているだけですから、ツッコミもだんだん難しくなってきます。

 今回のエントリでは、日米同盟重要性について力説しています。「米国の戦争」に協力しなければ「日本の戦争」にも協力してもらえなくなる、これは日米同盟の否定だ! というのですが、日本国が「戦争をしない国」であることは、米国がどこよりもよく知っているはずです。その上で日米安保条約を結んだのですから、勝手に変な期待をされても、日本国民としては困るところですよねえ。そのために憲法やらを変えろ、と主張するならわかるのですが、「政治家が憲法を守っている」と批判するのなら、古森氏は憲法(「日本国憲法」に限らず)の存在意義を理解していないとしか思えません。

 “変節”についての批判もかなり難癖めいていませんかね。14年経てば個人の考えも変わるし、なにより周囲の状況が変わります。湾岸戦争はあきらかにイラクに非がありましたから、もうちょっと国連軍米軍に協力すべきだった、と反省したとしても、アフガン戦争や特に現在イラク戦争の理非を考えて、理がない戦争を繰り返す奴にはこれ以上付き合ってらんないなあ、てな態度を示すことは、なにかおかしいことなんでしょうか。

 古森氏がこれほど“変節”、意見を変えることが許せないと思うなら、直接声が届くとは限らない小沢氏より先に、まず自社の無節操ぶりからなんとかした方がいいんじゃないでしょうかね。論説委員というのは紙面の論調を決定するのが仕事だと理解しているのですが、なんとかできないものなのでしょうか。

2007-09-13(Thu) 0913 曇のち晴れ。

[][][]産経、水に落ちた犬を叩く。

 さて、1日経過したところで、産経のリアクションを見てみましょう。ここを見るのが早いかな。

安倍首相、突然の辞意表明」特集のニュース一覧:イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/feature/3323/politics/allnews/

 こうして時系列に並んだ記事を読んでいくと、あることに気がつきます。たとえば昨夜22:23の時点では、こんな記事が出ていました。

“直球”首相退陣、曲がる日本の針路 阿比留瑠比-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/84165/

 まあ、ブッシュべったりの安倍にさらにべったりなあびるんの記事ですから*1、いずれにしろこんなもんでしょうが、無署名でも23:14にはこういう記事が出ています。

どうなる国会 ずれ込み必至「給油」描けぬ展望-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/84192/

 第一報までさかのぼっても、12日中はだいたいこういう感じで、安倍改革を途中で放り出すな、的な論調が目立ちます。日付が変わった1時前後は、麻生太郎幹事長を持ち上げる記事が連続しています。しかしあいかわらず、人の神経を逆なでするような見出しが得意だなあ。

オタク」系はニヤリ 安倍辞任で株価乱高下-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/finance/84198/

 このあと、未明は記事の配信がありません。ところが明けて5時以降、「主張」「産経抄」が出ると同時に、論調に変化が見られます。

【主張】首相辞任表明 国際公約果たす態勢を-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/84232/

【産経抄】9月13日-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/84233/

 「主張」は稚拙政権運営をただせ」「極めて遺憾」「無責任極まりない」。産経抄は「世界の笑いものになったことには変わりない」「後継首相は、政治家を『天職』とする人物であってほしい」。あとはもう、この方向で一直線です。

安倍首相辞任「国民不在の政治劇」-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/84229/

安倍首相辞任 歴代と比べ異例ずくめ 戦後初、代表質問なし-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/84282/

病院の入り方もコソコソ」安倍首相が検査へ-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/84267/

「政界の歩くしかばね」退陣の安倍首相に米紙-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/84326/

 10時台〜16時台にかけて、引用を含むとはいえ、見出しがどんどんひどい表現になっていきます。*2

 特に「歴代と比べ異例ずくめ」の記事に注目したいのですが、「(松岡氏の自殺は)慚愧に堪えない」「(久間発言は)米国の考え方について紹介したと承知している」「私と小沢一郎民主党代表のどちらが首相にふさわしいか国民の考えを聞く」「私の職責にしがみつくということはない」など、壷三のネタ発言として2chの安倍叩き系スレテンプレ化している発言をずらりと列挙しています*3。政治家の辞任にあたって目立った発言を列挙すること自体は珍しくないのですが、取捨選択の基準はどう考えても2chのテンプレが元だろ?という印象ですね。

 ところでそんな中、「正論」欄だけが、おそらく実質的な締切が早いためと、なにより筆者の個性によって、空気嫁なさで異彩を放っているのが哀れです。

【正論】安倍首相辞任 屋山太郎 真意理解されなかった改革-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/84236/


 こうしてみると、日付が変わったころになんらかの方針決定があったのではないか、と推測できます。直後には混乱して(まあ日本中がそれぞれの意味で混乱していましたから)、とりあえず今までどおり安倍を持ち上げておくか、という態度だったのが、おそらく「主張」欄での主張内容を決める段階で、やっぱり安倍はダメだった、早く次の人を持ち上げようという方針になったのではないでしょうか。

 それにしても、これだけは覚えておきたいところです。この1年間、前回の自民党総裁選挙前の数ヶ月を含めると1年半近く、安倍晋三という最低な政治家の膨大な欠点にすべて目をつぶり、彼を絶賛し、礼賛し、翼賛し続けた産経新聞は、飼い犬が病気で使い物にならなくなったとわかった12時間後に、ここまで手のひらを返したのだということを。

*1:なぜかここで、『ベティ・ブープ』に登場する犬キャラのビンボーがさらに犬を飼っていることを思い出してしまったのですが、なぜでしょうね?

*2:表示がないけど、「コソコソ」はZAKZAKの記事のような気がする。「歩くしかばね」はワシントンポストの表現を共同が配信した記事です。

*3:念のため、少なくとも「慚愧」「職責」は言葉誤用である点をネタにされているもので、業績や出来事全般を説明するための引用とは思えません。政権選択選挙発言も、産経新聞の紙面では、選挙戦後半〜結果判明後を通してまったく存在しなかったかのような扱いでした。

2007-09-12(Wed) 0912 やっと晴れ間が見えた。

[][][]安倍エンド。

 まあなんかたいへんなことになっておりますが。いちおう記事らしきものを貼っておくか。

安倍首相が辞任会見「国民の支持なく政策推進が困難」-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/84088/

 参院選惨敗ですら馬耳東風で受け流し、内閣改造までしてやる気満々に見えた彼が、なぜこのタイミングでいきなり決断を下したのか。陰謀説とかいろいろ出てくるだろうと思いますが、わたしはちょっと違うんじゃないかな、と感じました。

 それこそたいへんな職責がかかることはわかっている(はずの)地位に、自ら求めて就いた結果ですから、基本的に同情する理由はありません。本人以外の誰がどう考えてもいちばん向いていない奴が、首相になってしまったこと自体が間違いだ、としか言いようがないところです。ただまあ、水に落ちた犬を叩くのもどうかと思うので、これはこのへんにしておきます。というか、ある可能性について考えてみたら、いささか同情めいた感情が沸いてきてしまったので、あまり厳しい批判をしたくないなあ、と。

 彼が“首相にいちばん向いていない”と考えられるひとつの理由が、いろいろな面に表われていた精神的弱さです。たとえば過敏性腸症候群を患っているという説が就任当時から流れていて(特に公式発表はなかったと思いますが)、つまりプレッシャーなどのストレス身体症状に現れていたということですね。これを鬱症状の前兆をみなすことは、無理ではないと思います。おそらく、辞任の決断をしたのは、今日の午前中とか早くても昨夜とか、そんなものだったろうと想像します。直接のきっかけは、今日午後に予定されていた代表質問だったのでしょう。所信表明演説は原稿を読めばいいのですからたいしたことはないのですが、代表質問だと(いくらシナリオを用意してあっても)基本的にはその場で受け答えしなければならないわけで、鬱が始まっている人間にとってこれは相当きついことです。この大きなプレッシャーが、閾値を越えさせてしまったのではないでしょうか。

 まあ、別の見方として「八方ふさがりに追いつめられた奴が逆ギレして自爆」という考えも成り立ちますし、それはそれで正しいのですが、そうでない見方もあっていいのではないかな、と小さな声で言っておきます。


 「精神病患者が首相の座を目指したことか間違い」とまとめておきます。いい悪いではなく、間違いであったと。彼個人を責めることはできませんが、政治家としての安倍晋三は、やはり責任を自覚していなかったという結論になるのかな。今回の辞任についてだけではなく、そもそも政治家という人生を選択したこと自体への責任です。同じように苦しんでいても、他の選択肢をどんどん狭められて皇太子妃や横綱になってしまった人と違って、彼にはまだ、なにかしらの道はあったはずなのですから。

 今の彼にとってなによりの薬は、職責を離れてゆっくり休養することなので、できれば議員も辞めて隠居生活に入るのがいいんじゃないでしょうか。どっちみち政治家としては終わりなのだし、五十代前半の若さなら、リラックスした視点に立って次の人生を見つけることも不可能ではないはずですし、周囲のサポートも望まれるところです。――同病相憐れむという点を除けば、個人的にはやはり大っ嫌いな奴なので、彼自身はどーなってもいいんですけどね。

2007-09-11(Tue) 0911 暗雲。

[][][]産経「主張」、必死だな。

 iza!今日の00:00〜06:00の予定でメンテナンスなのですが、予想どおり順調に遅れているようです。再開はたぶん午後だな。何度目なんだか。

 で、Sankei WEBで今日の「主張」を読み始めたら、冒頭でいきなり笑かしてもらいました。

【主張】首相の決意 国民の心に届く説明必要|主張|論説|Sankei WEB

http://www.sankei.co.jp/ronsetsu/shucho/070911/shc070911000.htm

安倍晋三首相が外遊先での記者会見で、インド洋での海上自衛隊による給油活動の延長に「職を賭して」取り組む姿勢を示した。

 カギ括弧は原文ママです。実際に「職を賭して」「職責にしがみつくことはない」両方の発言をしているし、後者が言い間違えもしくは無知による発言であることは明らかなので、壷三の知能を推し量る目的でなければ前者を採用すること自体はおかしくないのですが、わざわざカギ括弧つけるかよw あきらかに職責発言を意識していますね。ちゃんとした発言もしているんだよ、とかばおうという意図なのかもしれませんが、かえって彼の知能と産経の必死さを強調する結果になっています。カギ括弧ひとつでそうしたことが明らかになるのですから、文章表現というのは恐ろしいものです。

 もう1本の「主張」は、当然ながら9・11を取り上げていて、当然のように給油活動継続を訴えていて、それぞれテーマが違うこともわかるのですが、2本並べるとやはり「産経必死だな」という印象があります。

追記。(18:55)

 思ったよりは早くiza!が復活したので、内容は同じですがizaの方を貼り直しておきます。しかし、メンテのたびにRSSがおかしくなるのは、いったいどういうわけだ? 

【主張】首相の決意 国民の心に届く説明必要-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/83772/

[][][]古森義久氏と柔道の国際化。

【外信コラムポトマック通信 日本武道の国際性-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/83783/

 タイトルを見ただけで、おお我らが古森記者。とわかってしまうわけですが、内容も予想どおり。柔道で国際交流(実は日米のみの交流)をしました、よかったね。というだけでした。ただ今回は、中学体育で武道の必修化が提言されたことに触れて、国際交流の道具にもなるのだ、ということも訴えています。必修武道には、たしか相撲も含まれていましたね。*1

 ところで今日産経には、こんなコラムも載っていました。

正論笹川陽平 海外ファン不在の朝青龍騒動-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/83775/

 日本財団笹川かぁ、とちょっと構えてしまったのですが、内容はそこそこまともでした*2最近ウランバートルを訪問した経験からモンゴルでの大相撲人気に触れ、もう大相撲は日本だけのものではないのだ、相撲協会自身が海外ファンを増やすべく努力してきたのだから、そうしたファンも大切にしろ、という主張です。

 こうして下手な要約を通してしまうと、古森コラムと笹川コラムがどう違うのかということになってしまいますが、実際に読んでみると、視点が根本的に違うなあ、と感じてしまいました。古森氏が、日本文化が世界に認められたぞ万歳、、もしくは、さらに日本の価値観を全世界に布教するべき、という視点で終わっているのに対して、笹川氏は、世界に認められているのはすでに当然の前提として、さらにその先にある“本当の国際化”を唱えています。そういう意味では柔道の方が相撲より先に進んでいるはずなのですが、カラー柔道着や世界連盟から日本人理事がいなくなったことを、古森氏はどう捉えているのでしょうね。一度そのへんのご意見もうかがってみたいと思います。

*1中学体育では現在でも武道が選択必修になっていると聞いてちょっと驚いたのですが、そういえば女子が体育館ダンスをやっている間、男子は校庭に線を引いただけの土俵で相撲を取る授業が何回かあったな、と思い出しました。あれがそうだったのか。

*2:ていうか、産経「正論」欄に載ってるとそのレベルで比べてしまうので比較的まともに見える、という感じ。

2007-09-10(Mon) 0910 朝と夜に雨。

[]ネタがない。

 国会開会とか施政方針演説とかその前の壷三発言「職責にしがみつくことはない」*1とか、いろいろニュースはあったのですが、産経ウォッチという基準だとなんかピンとくるものがなくて。

 新聞休刊日だから、「産経抄」「主張」にツッコミを入れるという最後の手段も使えないし。書かれてさえいれば、たいていなにかしらツッコミどころはあるので、このblogにとっては便利な存在なんですけどね*2。しかし、連日ツッコミどころがある連載というのも、ある意味すごいと思います。

*1:この言い方だと、「職務上の責任を、都合が悪くなったら途中ででも放棄する」という意味になりますね。しかしこれも、すでに多数のツッコミを受けているし。

*2:逆に言うと、22時過ぎのタイムスタンプで朝6時ごろ配信される「産経抄」「主張」「正論」にツッコミを入れているときは、ああネタがなかったんだな、と思ってください。

2007-09-09(Sun) 0909 残暑。

[]一日抜けた。

 最近ちょっと気が抜けた生活を送っているのですが、ついにやらかしてしまいました。ちょうど1年半ぶりか。深く反省する次第です。とりあえず、昨日書くべきだったネタを3連発で。

[][]産経WEB&産経iza!つくる会教科書報道を配信せず。

Yahoo!ニュース - 産経新聞 - つくる会の出版社決まる

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070908-00000052-san-soci

 このニュースを産経がどう扱うかと思っていたのですが、Sankei WEB・iza!ともに配信されておらず、他社より半日遅れでなぜかYahoo!ニュースだけに出ています。ということは紙面には載せたのでしょうが、なぜ自社サイトに配信しなかったのかは謎です。記事内容は基本的に事実関係だけですが、育鵬社の宣伝はちゃっかり入れていますね。

 つくる会と組むことになった自由社も、いきなりいろいろ怪しげな噂が流れていますが、そのへんはもう少し観察してから。産経ウォッチとは無関係の話題になるわけですし(笑)。

追記。(10:55)

 今日の10:05付けでやっとiza!にも配信されました。http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/education/83460 それにしても、どうなってるのかね。

[][]産経iza!看板コラムも配信せず。

【土・日曜日に書く】論説委員・皿木喜久 「無私」を忘れた政治家たち|政局政治Sankei WEB

http://www.sankei.co.jp/seiji/seikyoku/070908/skk070908000.htm

 産経新聞は9月から紙面刷新で、外部筆者による「正論」欄を週5回にし、土日は論説委員のコラムを掲載することになったそうです。……弾切れ? まあそれはともかく、新設されたコラムの第一弾がこれみたいです。なぜかコラム扱いではなく、iza!にも配信されず、そもそもこの「土・日曜日に書く」というのはコラムのタイトルなのかなんなのか。地域版を大幅に統合して地方局の記者を産経デジタルに回したそうですから、新しい体制でいろいろ混乱しているのかもしれませんが、ネット配信に力を入れるという方針なんだから、もうちょっとちゃんとしてほしいところです。

[][][]古森義久氏の朝日批判と産経抄

朝日新聞の夕刊コラムが死者にツバかけるーーー故瀬島龍三氏を「あいつ」「てめえ」と-ステージ風発:イザ!

http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/294047

 朝日新聞「素粒子」が、古山高麗雄氏の文章を引用するかたちで、旧日本軍の幹部(ここでは瀬島龍三氏のこと)を罵倒した、と憤っています。

 それなら、宮本顕治氏を呼び捨てにした7月19日の「産経抄」*1はなんだったんでしょうね。「産経抄」と「素粒子」、どちらの表現が酷いかは、どんなに譲っても同等ではないかと思います――わたしは「産経抄」の方が酷いと感じましたが。産経新聞匿名コラムに、産経新聞論説委員が責任を持たなくていいということはないですよね。

 古森氏が、元共産党議長なら呼び捨てにしてもよく、元大本営参謀を「あいつ」呼ばわりするのは許せない、という立場を明確にするなら、それはそれでいいことです。ただ、それならプロフィールにある「中道普通、穏健な産経新聞の報道姿勢」「均衡のとれた情報発信」といった文言は外した方がよかろうと愚考します。

 あと、古森氏は俗な日本語が不得手なのかなあ、とときどき思うので、ここで指摘しておきますが、この文脈での「てめえ」は二人称ではなく、「自分」といった意味です。俗な言葉ではありますが、罵倒語ではありません。これを罵倒とみなすのは、無知または牽強付会といわれてもしかたないでしょう。まあそれを言い出すと、「あいつ」が罵倒なのかもかなり微妙なんですが。

[][][]産経iza!編集部立川記者、熱くアニメを語る。

ゆとり世代」=Web2.0世代?:イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/it/internet/83575

 産経iza!編集部・立川優記者がSankei EXPRESSに書いた記事です。放映中の某アニメ作品をニコニコ動画で鑑賞したことを、悪びれもせずに書いています。

 1年以上前なんですが、産経の紙面で海外駐在の記者が、おそらくYoutubeを使って日本ニュース番組を観て批判したコラムがありました。http://d.hatena.ne.jp/pr3/20060715/1152953486 でも取り上げたんですが……って今確認したら古森義久記者だよ!(笑) 名前を覚える前から、文章だけでイタい人だと認識できていたんだなあ。まあそれはともかく。そっちのエントリにも書いたように、ニュース報道の確認をするような使い方なら、著作権がどうこうと言うつもりはないのですが、アニメ番組まるごとってのはねえ……。違法行為をするなと偉そうに言える立場ではないけれど、公の紙面で署名記事として堂々と書けることですかね? 

 そういえば数日前、iza!編集部オフィシャルで、エヴァと世代論について(狭い狭い視野で)熱く語っていた、団塊ジュニア世代の(U)という記者がいましたなあ。産経批判blogを書いている奴はサヨで団塊世代でアニメを知らないと(狭い狭い視野で)決めつけていた人が。Yuu (or Suguru/Masaru) Tachikawa記者が(U)記者かどうかは知りませんけどね。ところで、わたしが住む地域のキー局およびU局では『ぼくらの』を放映していないので(隣県の電波も入らない)、知らないのかと言われたら「今のところ知りようがない」としか言いようがないですな。違法うp動画に手を出す気はないので。

 記事本題の、ネットと世代論についてもツッコミどころ満載なんですが、立川記者にツッコミを入れはじめるとものすごく疲れるので(古森記者のときの疲れ方と質が違う。彼はまだ論理でツッコミができるだけ記者としてはまともです)、とりあえず放置しておきます。

2007-09-07(Fri) 0907 夜半に猛烈な嵐、午後は秋空。

[][][]産経正論」、ありえないミスをする。

 実はすでに他のところでもツッコミ済みなんだけどw、やはりここにも書いておいた方がよさそうなので。

【正論】石井威望 「住と職」の変革へ好機到来-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/82930/

各種動画サイトユーチューブグーグルマップiPodなど)

 ……はい? Google Videoじゃなくて? まあGoogle Mapsスクロールすれば画像が動くからともかく、なんでiPodが動画サイト? たぶんiTMSかその誤った略称としてのiTunesと混同しているんでしょうが、こういう人(東大名誉教授だそうです)がiPhoneを絶賛したり、IT戦略を提言しても、なんの説得力もないですね。それ以外の内容は、iPhoneへの絶賛が鼻につくのと自論への誘導が強引なのを別にすれば(「正論」ではよくあることなので気にしてもしかたない)、そんなに出鱈目や間違ったことは書いていないようなので、なんでここだけ無茶苦茶なのかなあ、と疑問に思います。

 もう以前からなんども疑問に思いなんども指摘しているのですが、産経新聞にはまともに機能する校閲担当のセクションはないのでしょうか。「正論」はアンタッチャブルということはないはずだし、新聞の顔になる論説欄ならなおさら、こうしたミスは許されないと思ってかかるべきなのですが……。

2007-09-06(Thu) 0906 激しい雨が降ったり止んだり。

[][][][]産経iza!編集部おたく侮蔑する。

 「相手と言葉が通じていると思っていたのに、実はまったく通じていなかったことがわかる」というシチュエイションは、不条理小説のひとつの定番です。このテーマを扱った良質の小説を読むと知的好奇心が刺激されると同時に、読み終えるとどっぷり疲れて、ゲシュタルト崩壊に似た感覚を味わうことになります。出来の悪い小説ならなおさらです。以上、前フリ。

「逃げちゃだめだ!」逃げちゃいました…:イザ!

http://official.iza.ne.jp/blog/entry/287584

 念のため註釈しておきますが、これはiza!編集部のオフィシャルblogです。もうひとつ念のため付け加えておくと、わたしは主観的にも客観的にもアニメおたくであり、おたく(ヲタ)であることにアイデンティティを持っています。

 どうもわたしは、なにか勘違いしていたようです。仮にも全国紙記者として教育を受けた人なら、このぐらいの日本語は通じるものだと思っていました。あるいは、言葉が通じないふりをして「逃げちゃいました」なのか、実は非常に文学的素養がある方で不条理小説を実演してみせてくれたのか、なんなのかはわかりませんが。

 いくら産経新聞でも、紙面の表現規定といったものはあると思うのですが、不特定多数人間に対して「〜ども」と表現するのは許容されているんでしょうかね。わたしの言語感覚では、動物に類するものに使うか、相手を動物レベルとみなして使う侮蔑表現か、あるいは例外的に、血盟の同志といった仲間にあえて下品な表現で呼びかけるか*1、いずれかなのですが。まあ、こんな質問をしても、もはやまともな回答は返ってこないのでしょうね。


 iza!編集部については、また別にわけのわからんこともあったのですが、取り上げるかどうかは未定です。無事に解決すればそのままスルーするつもりですが、今までの経緯を(そもそもiza!別冊なんてものを作る羽目になった事情を)考えると、どうなるかなあ。できれば無事に終わってほしいのですが。

*1:「野郎ども、行くぜ!」という感じで。該当の表現は呼びかけではないし、あきらかに同志とみなしてもいませんね。

2007-09-05(Wed) 0905 颱風が来るのか。

[][][]産経瀬島龍三氏を礼賛する。

昭和史に異彩、政財界指南役」 瀬島龍三氏死去-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/82420

 iza!には訃報そのものが流れてこなかったんだけど、なぜだろう。あとわりとどーでもいいけど、iza!では訃報が「話題−話のタネ」カテゴリに入るのは、なかなか不愉快だなあ。SANKEI WEBには、なぜか同じ題名の訃報が2本出ています。下の方は経歴を追記してあるだけですが。

瀬島龍三氏が死去 元伊藤忠商事会長 95歳|訃報|社会|Sankei WEB

http://www.sankei.co.jp/shakai/fuho/070904/fho070904000.htm

http://www.sankei.co.jp/shakai/fuho/070904/fho070904007.htm

 まあそれはともかく、瀬島氏を偲ぶ記事。要約するとべたぼめです。たいへんな影響力があるのにほとんど表に立たなかったことについて、「最高のフィクサー」という表現を使っていますが、「闇のフィクサー」とは書かないんですね。そのほかの部分も「『瀬島神話』とも呼ばれ」など、礼賛と言っていいぐらいの表現が目立ちます。

 なんかねえ、悪いことにひとつも触れてないってのがねえ。たとえば戦時中については大本営参謀だったという記述だけだし、日本会議顧問をはじめタカ派への影響力が強かったこと(控えめな表現です)など、まるでなかったかのような書き方です。追悼記事ならそれで当たり前、と言われればそうですが、それだけで片づけられる人物でもないし、宮本顕治氏の死去直後に呼び捨てで罵倒レベルコラムを載せた新聞ですから*1、そんな配慮が備わっているとは思えません。

 産経新聞が瀬島龍三氏という人物をどう見ているのかについて、この記事は貴重な資料になると思われます。

追記。

 いったんコメント欄にも書いたものですが。また別の礼賛記事が出ていたのでメモしておきます。

産経抄9月5日-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/82458/

瀬島龍三氏 美術振興、世界文化賞発展にも寄与-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/books/art/82493

 下は文化欄の記事なので別扱いは理解できなくもないのですが、なんだか紙面の雰囲気が聖教新聞に似てきました

さらに追記。(09/06)

 阿比留瑠比記者による礼賛記事と、それでも足りなくて書き足したというblog。阿比留氏は回顧録の編集をするなど瀬島氏の担当者だったようで、これも貴重な証言ではあります。

秀才中の秀才…数奇な運命の瀬島氏  阿比留瑠比-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/82483/

故・瀬島龍三氏は何という運命を背負って生まれてきたのか-国を憂い、われとわが身を甘やかすの記:イザ!

http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/290750

[][][]古森義久氏、国旗国歌を推賛する。

日本人はなぜ国旗を掲げないのかーーー映画「I am 日本人」を観て-ステージ風発:イザ!

http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/290836

 森田健作氏の映画「I am 日本人」を、古森氏がたまたま観た、その感想文です。日系三世の米国人少女現在日本を見て国旗・国歌のあり方に疑問を呈す、という内容だそうで、わざわざ取り上げる価値があるのかしらん、という印象を持ちました。わたしは純日本人で、現在の国籍と父祖の国のギャップに悩むといった経験がないし(大日本帝国日本国の違いなどはありますが)、もちろんこの映画も観ていないので、本当のところはわかりません。しかし「日系三世の米国人が『今の日本は変だ』と思い誇りを取り戻させるべく抗議の声を挙げる」というモチーフなら、マイク・ホンダ議員が実際にやっていることなので、わざわざフィクションの映画を観なくても、とも思います。なにが“国の誇り”かについて、古森氏がホンダ議員と違う見解を抱いているのは知っていますが、行動としては同じなのですし。

 まあ、日本人の一部が国旗に敬意を払わないことは大変なもので、自称民族派右翼星条旗に鍵十字を描いて得意げに振り回すという実例すらあったようですから、そんな連中が推賛する日の丸に抵抗感を持つ人が多くなるのは、しかたないことでしょう。

2007-09-04(Tue) 0904 よく晴れたけど夕方から雨の気配。

[][]切込隊長vsひろゆき第4回口頭弁論とその他。

切込隊長vsひろゆき直接対決! 認識の違い示す - OhmyNews:オーマイニュース

http://www.ohmynews.co.jp/news/20070903/14711

 半ば忘れていたんですが、9月3日にようやく直接対決が実現したそうです。裁判自体は、どーなってもすでにどーでもいいのですけどね。あれだけ切込隊長をソースにひろゆきを叩いていた夕刊フジ(ZAKZAK)ですら、この件からは手を引いたようだし。唯一面白かったのはこのコメントで、まあそういうことなんだろうな、と。

西村氏 もうちょっと面白いことになるかなと思っていたが、面白くない人になっていた。残念な感じ。

 切込隊長側の主張がおかしいと思うのは、彼が投資家ライターとして活動しているのに、批判すら拒絶しようとしているところですね。「自分の名前が入ったスレッドを立てさせるな」というのが具体的な要求ですが、これが通れば誹謗中傷はもちろんとして、正当な批判もできなくなるわけです。黙って投資活動だけしてマスコミに現れないならともかく、ライターという肩書きもあってマスコミ人として活動している以上、批判を拒否する権利はないことを、彼は肝に銘じるべきです。まあ、仮にも全国紙の論説委員兼編集特別委員という肩書きがありながら批判を拒絶する人だってこの世にはいるのですが。

 次回口頭弁論は10月22日13時30分からだそうです。いちおうメモ代わりに。

ひろゆきのメディアリテラシー

 取り上げるほどのことでもないのですが、ついでなので。

日本女子大日経のうち嘘つきはどちら? : ひろゆき@オープンSNS

http://www.asks.jp/users/hiro/29126.html

 これ、たぶん彼が日経新聞の記事を誤読していますね。誤読されてもしかたないひどい文章であるのも確かですが、Youtubeの全動画を十数秒で解析できるわけないだろう、常識的に考えて……。ニコニコ動画可愛さのあまり短絡してしまったのかもしれませんが、こういうときに「まずメディアを疑う」というスタンスをとれる人だと思っていたので、ちょっと残念です。

2007-09-03(Mon) 0903 まだ曇続き。

[][][]産経抄、いまだに自己責任論を振りかざす。

【産経抄】9月3日-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/81546/

 アフガニスタン韓国人人質・殺害事件に絡めて、かつての日本人人質事件での自らの主張を繰り返しています*1身代金は払っていないという韓国政府の主張を「そんなこと誰が信じるものか。」と一蹴し、身代金支払いがいかにテロリストを利するかを述べていますが、それなら日本政府の身代金は払っていないという主張だって「誰が信じるものか。」。

 そしてまたぞろ自己責任論を持ち出していますが、これを当時もっとも強硬に主張していたのは産経新聞(もちろん石井産経抄も)でした。自己責任論は官邸の発信による世論操作ではないか、という指摘を笑い飛ばしてみせているのですが、これは産経新聞は官邸の広報装置ではないのか?という指摘なのですから、それこそ責任を持って明確に否定してほしいところです。阿比留瑠比記者が現在安倍官邸に直結していることを誇っているような新聞に、そんなことを要求するのが、無理なのはわかっていますが。

*1:当時の筆者は石井英夫氏で今は中堅記者輪番制のはずだから、「自ら」という表現が当たっているかはわかりませんが。

2007-09-02(Sun) 0902 ひさしぶりに暑く感じる。

[][][]素人が「批判」するコミケ

 http://d.hatena.ne.jp/pr3/20070820/1187621394 で取り上げた柳生すばるとかいうアレがまたアレしているのでちょっとアレします*1。前回炎上させて懲りたかと思ったんですが、それを繰返すってことは構ってちゃんというか誘い受なんだろうから、ほんとは放置プレイがいちばんいいのですが、まあ行きがかり上。

Empire of the Sun太陽の帝国 : 暴走マンガ集団:コミケ?

http://empire.cocolog-nifty.com/sun/2007/09/post_abe9.html

 呉智英氏の「コラム・断」を引用しているのですが、そもそも「呉氏のコラムを柳生が分かりやすくアレンジしました」ってのはなんだろう。かえってわかりにくくなっているのですが、というか、呉氏とてめえの文章力を比べる眼もないのかと。まさか、あのセンテンスの途中で改行する文体が優れていると思っているとか、それしか理解できないていどの知的能力しかないというわけではないだろう、と思いたいのですが。該当の「コラム・断」は名作なので、できれば先に読んで、柳生の「わかりやすいアレンジ」と比較してみてください。

【コラム・断】難読名と偏差値-イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/dan/81222/

 で、柳生はこのコラムを前フリにコミケ批判を蒸し返そうとするのですが、どういう繋がりなのかまったくわかりません。呉智英氏がマンガ評論の先駆者の一人であり、コミックマーケット前代表の米澤嘉博氏とも交遊が深く、米澤氏追悼のトークライブにも参加されるほどの関係である*2ことなど、おそらく知らないのでしょう。いや、呉氏と米澤氏の関係を別にしても、柳生の文章の中でコラムの引用と本文での批判がまったく一致していないのですが。あえて物凄く好意的かつ強引に繋がりを推理するなら「俺様化」というキーワードでしょうが、呉氏が書いた「実績の伴わない俺様化」は、コミケには当てはまらないでしょう。柳生の脳内コミケではどうだか知りませんが。


 本文の、まず前半について。「十万人の釣り大会趣味の域を超えて運営そのものが目的化する」という批判は、一面では当たっているかもしれません。しかし、趣味の域を超えたからといって、イコール公的な存在になるわけではありません。十万人の大会でも、有料のカタログや通行証を所持しているかを入場時にチェックしクローズドに運営することは、原理的には可能です。実際に十二年ほど前までは、十万人に対して入場チェックを行っていました。現在のコミケでは、いろいろな理由から入場無料という形式にはなっていますが、本来は“自覚を持った参加者”だけによるクローズドサークルなのです。

 クローズドであろうと公的であろうと、大会である以上運営上のルールがあり、それを守らない人間が相手にされないのは、当たり前の話です。ルールを守らず排除された人間に限って、「運営者が教条主義で硬直的で……」という批判をしたがるのですが、コミケほどオープンなクローズドサークルはありません。ルールを守るという自覚を持ってその場にいれば、誰でも“参加者”になれるのですから。だからこそ、ルールを守らずにその場にいる人間、ルールを知ろうともせずに“参加者”になりたがる人間に対しては、厳しい姿勢を示すのです。


 本文後半で柳生は、「マンガはわかりやすく伝えるものだから、マンガに関わる者が意志を伝えられないのは手抜きだ」といった批判を繰り広げています。なんかまともに相手をするのも嫌になるのですが、世の中にはハウツーものと広報パンフと『ゴー宣』と『マンガ嫌韓流』以外にもマンガ作品はあるのだ、ということを、まず説明しなければならないのでしょうか。たとえば、マンガ史上に残る大傑作で呉氏も絶賛している『ねじ式』(つげ義春)がなにを伝えたいのか、いったい誰がわかるのでしょうか。呉氏も米澤氏も、つげ氏自身にさえ、あの作品がなにを伝えたいのかわからないのです。それは『ドラゴンボール』でも『ワンピース』でも本質的には同じことで、だからこそ我々はマンガを批評し、マンガを創作するのです。

 そもそも、もっとも基本的な資料である「コミックマーケットカタログ」巻頭文さえ読んでいない人間がコミケを語ろうとすること自体、マンガ作品を読まないでマンガを批評しようとするのと同じぐらいの馬鹿げた行為なのですが、柳生すばるにそうした自覚はあるんでしょうか。現地に出かけて「こういうものを見た」「こういう話をした」というレポートを書くだけならまだいいのですが、なぜ調べる努力もせずに全体を批判しようとするのでしょうか。頭が悪いからだ、と、言ってしまえばそれまでなのですが……。

追記。

 ちょっと書き足りない部分があったので。わたしの文章力もこの程度ではあります。

 「十万人の釣り大会は趣味の域を超える」の部分ですが、そこにいるのは“十万分の一”ではなく、一人ひとりの個人が足し算された結果の十万人という数です。釣り大会であるなら、十万の個人はみんな釣りを楽しんでいるのでしょう。そこに「大会の運営」という目的がかぶさるだけであって、個人が趣味を楽しんでいることを否定する理由にはなりません。趣味を楽しんでいるのでなければ、集まった個人は、いったいなにをしていると思うのでしょうか。規律に従うことだけが目的で、十万人が集まると思いますか? 

 そして、大会を運営するために必要なのは、一人ひとりがルールを守ることだけです。また、それだけでうまくいくようにルールが定められてもいるわけです。ルールを要約すれば「他人に迷惑をかけない」というだけです(ただ、「なにが迷惑なのか」を本人は気付きにくいため、具体例を挙げたべからず集になってしまうわけですが)。全員がそれを守れば、全員がその結果を享受できることになります。上述の“自覚を持った参加者”とはそういう意味です。全体と個人がうまく関係を作って、はじめて巨大なコミケが見事に運営される――そしてこれは、コミケだけの話ではありません。

 柳生の論理のおかしさだけを指摘するのが目的で、思想面にあまり踏み込むつもりはないのですが、全体と個人、公と私の関係を、全体や公の側に寄って語りたがる人が、こうした基本的な認識もできていないことには、改めて驚いてしまいます。

*1via vanacoralの日記 - 「自分の論理だけで行動する排他的な」柳生すばる http://d.hatena.ne.jp/vanacoral/20070901

*2:「コミックマーケット72カタログ」p.1329〜

2007-09-01(Sat) 0901 この日記も3周年か。

[][][]産経iza!、いまだに疑似科学を信奉する。

 まぁだ産経はこんなことやってんのかよサンスポの記事ではありますがね。

「機能で選ぶ命の水 πウオーターやバナジウム水など」話題!‐話のタネニュース:イザ! http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/81284

 なに、「πウォーター」って。なんなの「クラスター微少化」って。バナジウムだって正直怪しいと思ってるんだけど(酸・アルカリ・水と反応しない金属元素が、人体中でどう働くのか?)、大手飲料メーカーの機能性飲料に取り混ぜて、こういうあきらかに疑似科学・オカルト詐欺商法の製品を紙面で紹介するのは、産経新聞としてこういう代物を推薦するということですか? 

 きちんとした科学的な根拠(「科学っぽい説明」ではなく)を求めずにこういう記事を書いてしまう産経新聞社の体質が、裏を取らずに伝聞だけで記事を出し指摘されても調べ直そうともしない捏造体質につながっていると思うのですが、そのへんの反省はないんでしょうか? 


 怪しげな「健康にいい水」については、定番中の定番ですが、こちらがたいへん参考になります。

水商売ウォッチング

http://atom11.phys.ocha.ac.jp/wwatch/intro.html